【階段の先】-18.1
18. Epilog 18-1. Ryuji Side 世界が赤くしか見えなかった。 正樹を彩るさまざまな体液の色が全て血に見える。 数多の匂いが混ざったそれも、強い血の臭いが混ざっている。 それら全てが俺の身体 …
小説現未来
18. Epilog 18-1. Ryuji Side 世界が赤くしか見えなかった。 正樹を彩るさまざまな体液の色が全て血に見える。 数多の匂いが混ざったそれも、強い血の臭いが混ざっている。 それら全てが俺の身体 …
17. Togo side 龍二が奴隷を手に入れたいと、ずっと願っていたことは知っている。特に俺が知り合いから調教に依頼されたやつを専属奴隷にした時から、その想いはずっと大きくなっているようだ。 それが煮詰まってきて …
16. ご主人さまはいつ帰ってくるんだろう? 蛍光灯以外にもう一つ、ベッド近くの壁に取り付けられた間接照明が、地下室をほの暗く照らしている。 ご主人さまがいないときは、蛍光灯はいつも自動的に暗くなり、そして勝手に明 …
15. Ryuji Side 『それはまだ堕とせていないってことだな、何をふぬけたことをしてるんだ、龍二ともあろうものが』 冬吾に言われた言葉に、否定できなかった。 久しぶりにかかってきた電話は、正樹の近況を訊ねるも …
14. あの日から、俺はご主人さまの奴隷だった。 罰や躾と言う名の圧倒的な暴力、鞭の打擲から逃れる術などないと屈したあの日から、俺はご主人さまの不興を買わないことだけが最優先事項となっていた。 こんな立場がイヤだと …
13. 理不尽だと思った。 龍二さんが言うほど、俺は何も悪いことはしていない。 ベッドの向こうにあったのはハンガースタンドに掛けてあった黒革のベストとパンツ。昨日のものよりハードな雰囲気なのは、ベルトが多用されてい …
12. Ryuji Side 怯える正樹の身体を丸太に乗せて括り付ければ、日焼けの少ない白い背がよく見える。そこには、数本の赤い痕が残っていた。 昨夜は加減をして、鞭もそれほどダメージを与えないものを使っていたからだ …
11. ベッドの上で膝を抱えて丸くなる。 膝の上に額をつけて小さくなって、少しでも自分の姿を隠そうとしていたのは無意識だ。 この地下室で目覚めたのは二回目だと、目覚めたと同時に襲ってきた激痛を伴う記憶の奔流に、茫然 …
10. どことなく霞がかかっているような、今一つはっきりしない目覚めの中で、俺はぼんやりと視線を巡らせた。 さっきまで薄暗い、墨の滲んだ水の中で藻掻いていたような、そんな夢を見ていたような気がするけれど、それも焦点の …
9. あれが前立腺だけで達くっていうことなんだ。 テーブルの上で生ビールがなみなみと注がれたグラスを両手で包み込み、未だ余韻が消えやらぬ頭のままで考えていた。 身体の中心、奥深くからせり上がる大量の何か。その膨れあ …
8. Ryuji Side ビクビクと激しく痙攣した身体が、ゆっくりと弛緩していく。 初めて尻だけで達った正樹の身体がベッドマットに沈み込む同時に、俺のペニスもずるりと抜け落ちた。 「ドライでイったか、すごい……蕩 …
7. 「好きだよ、愛してる」 何度も何度も囁かれる言葉に甘く酔いしれる。 これが撮影現場だと言うことを忘れているわけではない。これが非現実なんだっていうことも判っている。けれど、今だけはっていう気持ちが俺の中に強くあ …
6. ギシ、ギシと頭上で縄目が軋む音がしていた。 ベッドから下ろされた俺は、床の上に敷かれたビニールマットの上で立たされて、腕が上へと引っ張られていく。 両手を戒めていた手錠は、その反対側の輪っかに荒縄が通されて、 …
5. Ryuji Side カットの声とともに、俺はリュウとしての仮面を外した。 いや、正確には先輩としての龍二の仮面を付け直したと言ったほうが良いだろうか。 正樹の知る俺は、事務所での先輩としての俺。AVに出てく …
4. 「カット」 遠く聞こえた声。 知らない声でないと判っているのに、絶頂寸前まで高められては放置された身体は頭までもがそれで支配されていて、誰とも判らぬそれに反応できない。ただ呆然と、目前に迫る影を凝視しているだけ …
3. 撮影場所に入って、数歩も行かぬうちにごくりと息を飲んだ。 もう何度か経験したこの場の雰囲気に慣れたとは言い切れない。けれど、それでも最初の時のような緊張感などもうなくなっているとは思っていたのに、この現場に入っ …
2. 背後でドアが開く音がして、それが誰か判ったときに俺の心臓は確かに跳ね上がった。それこそマジで口から飛び出すんじゃないかって思ったくらいにだ。 「早いな」 低く少しだけ掠れた声に、まだその時でないのに股間にあらぬ …
「鞭」シリーズ(長編18話までで1日2~3話ずつUP) 2017年作 某クラブの調教師でありベテランAV男優でもある龍二の最近のお気に入りがAV男優新人の正樹。 彼を手に入れるために調教師仲間の冬吾と相談して、正樹は何も …
あれから一週間、この拠点の要というべき執務室には、いつものようにピンと張った緊張感が漂ってはいなかった。まあ、それがいつものことだと言えば、それだけだったのだが。 ただいつもと違うのは、なんとも言えぬ全身の怠さに …
ゴルドンが終われば、今度は俺。俺が出せばまたゴルドン。 繰り返される欲の戯れは、全員が満足するまで終わるものでなく、すでに体力的にも限界のリアンも同様だ。 さんざん犯して射精して、その顔から腹から尻から、ザ …