【Sweet Valentine】
甘ったるい匂いが充満していた。 常ならば嫌いではない匂いだ。けれど、今、そのチョコレートの香りは、むせ返るほどに強い。 しかも室温で固体になってしまうそれが固まり過ぎないようにと、この部屋は温度を高めに設定してある …
甘ったるい匂いが充満していた。 常ならば嫌いではない匂いだ。けれど、今、そのチョコレートの香りは、むせ返るほどに強い。 しかも室温で固体になってしまうそれが固まり過ぎないようにと、この部屋は温度を高めに設定してある …
何がどうして、どうなったのか? 笠木(かさき)は、頭に浮かんだ疑問を口にすることも、それ以上考えることもできなかった。 身体の中に深く入り込んだ熱塊が、体内の一点を擦り上げるたびに、視界が白く爆ぜる。 そのたび …
隠れ鬼書庫の「鳴神」にあるDO-JYO-JIの千里と中井の番外編になります。 二人が一緒に暮らし始めてから、もう三年後。 すっかり生活に慣れてしまった中井のお話、ワンシーンです。 いきなりのことだった。 それこそ、い …
【皇太子殿下の優雅な休憩】 【公爵様の優雅な遊戯】のスピンオフで、皇太子×白薔薇の君 奴隷、淫具、破瓜、拘束 ※なれそめ 美しいというよりは可愛い、豪華絢爛な大輪の薔薇よりは、可憐な小さな薔薇の花のようだと、こ …
うなじに入れた奴隷印から蔓のように伸びた触手が、彼の乳首にまとわりついていた。 薄い衣服の下で赤黒い模様は薄く見え、彼の悦楽の表情からしても、妙なる快感をもたらしているのがよく分かる。 魔術の力を持つ奴隷印は、大変 …
夜会が終わり、私はあの侍従を介して皇王から呼び出され、彼の借金の件も含めて賭けの結果と、皇族の場所で不敬なまねをしていることへの謝罪などと、いろいろと話を詰めるのにかなりの時間を要することになった。 全てが片付いて時 …
確かに痩せてはいたが、あばらがひどく浮き出るほどでもなく、肌つやもそれほど悪くはなかった。いや、私の手のひらに吸い付くような触り心地の良い肌は、及第点を与えてもいいか。これは食環境次第で、もっと良いものになるだろう。 …
【公爵様の優雅な遊戯】 公爵である私と彼の賭けは、彼にとって起死回生の一手であったがどうやら私の勝ちのよう。 そして彼は私のものとなる。 賭け、強制、脅迫、陵辱、淫具、奴隷 全四話 完結ずみ ようやく手にした …
呪われた二人 「あっ、くっ……」 掠れた音が喉から零れた。それより大きく忙しない濡れた音が背後からも響き続ける。 何度も何度も、時に激しく特にゆったりと、俺の身体を制御できるかのように。いや、確かに制御されているとし …
「ずいぶんと熱心に職人と打ち合わせておいでと思ったら……。まあ、確かにどらちも王子にはたいそうお似合いですし、お二人のセンスには、常々叶わないと思っていましたけれど」 「こういう繊細な飾りを父上はお好きですよね。う〜ん、 …
中短編の「祝福と呪いの狭間の物語」で最後にある贈り物をもらった時の顛末についてです。 悪魔に呪われ、100年もの間孤独の時を過ごした王子でしたが、迎え入れられた新しい家族との生活はたいそう満ち足りたものでし …
大陸の外にある小さな島国に、荊で覆われた奇妙な場所がある、という言い伝えが、まことしやかに巷に流布されていました。 そこは、昔の大海賊の宝の隠し場所であるとか、神の力を宿す剣が奉られた神殿があるとか、絶世の美女が伴侶を …
某昔話のパロディー。 ですが、かなり、螺館風に。 皇子様と王子様と神様の遣いと悪魔と皇子様のお仲間が出てきます。 淫乱化。愛はあります、螺館の話にしては、ですが。 むかしむかしの話です。 空と陸と海の神達が共同で創世 …
人もどきと同一世界の未来という以外は別のお話です。 ペットとして手に入れた成体は言うことを聞かない駄犬だった。 ペット化、躾、ピアス [二階 主人居室] 「おかえりなさいませ、旦那様」 事前の予告はしていなかった。城か …
18-2.Masaki あの冬吾さんの躾の後、俺は二週間経ってようやく龍二さまの罰を受けることになった。 骨折まではいっていなくても、かなりの炎症があったらしく、治るのに少し時間がかかったのだ。 ベッドの上で安静に …
18. Epilog 18-1. Ryuji Side 世界が赤くしか見えなかった。 正樹を彩るさまざまな体液の色が全て血に見える。 数多の匂いが混ざったそれも、強い血の臭いが混ざっている。 それら全てが俺の身体 …
17. Togo side 龍二が奴隷を手に入れたいと、ずっと願っていたことは知っている。特に俺が知り合いから調教に依頼されたやつを専属奴隷にした時から、その想いはずっと大きくなっているようだ。 それが煮詰まってきて …
16. ご主人さまはいつ帰ってくるんだろう? 蛍光灯以外にもう一つ、ベッド近くの壁に取り付けられた間接照明が、地下室をほの暗く照らしている。 ご主人さまがいないときは、蛍光灯はいつも自動的に暗くなり、そして勝手に明 …
15. Ryuji Side 『それはまだ堕とせていないってことだな、何をふぬけたことをしてるんだ、龍二ともあろうものが』 冬吾に言われた言葉に、否定できなかった。 久しぶりにかかってきた電話は、正樹の近況を訊ねるも …