【水砂 Ending】

 退院は、マサラの言葉通り二ヶ月後だった。  馬でクドルスが迎えに来て、送りつけられた宿舎で祝いの宴が設けられた。  もちろん中心はミズサだ。 「うまそうだな」  上擦った声が頭上から落ちてきた。含まされたペニスも張り詰 …

【水砂 虜囚】(12)

 重い瞼を開けて、眩しさに顔を顰めた。  身体にまとわりつく優しい感触に、ことりと頭を巡らせる。  ぱちくりと一度瞬きをして、再度辺りを窺って。 「どこ……」  小さい声は、音になっていなかった。  もっともそれを聞いて …

【水砂 虜囚】(11)

 塩湖でミズサの傷の治療したガザは、治療をしながらミズサの犯され具合を揶揄し、治ったら自分のぶっといモノで達かせまくってやると嗤った。けれど、その表情は終始真剣そのもので、その瞳は悲痛な色を讃えていた。  だが、アナルの …

【水砂 虜囚】(10)

 続く痛みが無いこと気付いたのはいつだったのか。  ずっと浴びせられていた卑猥な歓声が、悲鳴になっていると気付いて、きつく閉じすぎて痺れたようになっているまぶたをゆっくりと持ち上げた。  少し垂れた頭を持ち上げるだけの力 …

【水砂 虜囚】(9)

 朦朧とした頭の中に、意味の為さない音の波が直接響く。  ガンガンと響くそれに揺さぶられて、身体がキシキシと痛んだ。  外は明るいのか閉じたまぶたの裏までが白い。白くて、何も見えない。  臭気が絶え間なく包み込む空間にお …

【水砂 虜囚】(8)

「二日目の処刑を始める」  静かな処刑場が一気に賑やかさを増した。  外で響いた声音ととともに、扉が開かれ大勢の男達が入ってくる。  その中央のすり鉢状の中で転がされていた精液まみれのミズサが、入ってきた係員の男達の手に …

【水砂 虜囚】(7)

 媚薬は最初から切れていた。けれど、すでに全身に染み渡った薬の効果は切れるどころか禁断症状となってより激しくミズサを支配していた。そのせいで、僅かな刺激でも歓喜に打ち震えてしまう。  飢えは激しく、ミズサの潰えた理性が逆 …

【水砂 虜囚】(6)

 この地では「色魔猫」は禁忌のモノだ。  はるか昔、王都であったこの街をここまで衰退させる原因となった魔女の使い魔。もしその烙印を押された者が出れば、街をあげての処刑が行われるのが常だ。 「あぁぁぁぁっ!!」  祭壇上に …

【水砂 虜囚】(5)

 塩の大地にいる間、ペニスを強請るミズサにルクザンが与えたのは鞭だった。  薬を与えられ続けられたミズサは完全に中毒症状を起こしていた。特に媚薬は、薬が切れたら切れたでいくら絶頂を迎えても満足できなくなるという症状を起こ …

【水砂 虜囚】(4)

 最初は駆け足気味だった馬の速度も、しばらくすると普通の速度まで落ちた。そのまま数日間はずっと夜間の行軍だったせいもあるが、地理に詳しくないミズサにはどこに向かっているのかまったく判らない。  馬の速度はたびたび代わり、 …

【水砂 虜囚】(3)

 入り口から現れたのは、味方ではなかった。  半身に血を纏い、抜き身の大ぶりの剣をぶら下げたルクザンは、悪鬼のごとく形相をして、ずかずかとミズサに近寄った。  その手が、ミズサがその場に固定していた枷を外す。  連れて行 …

【水砂 虜囚】(2)

 周りがうるさかった。  体は身動ぎ一つできないほど強張っていて、頭には脳の代わりに綿でも詰まっているのではないかと思うほどに働かない。それなのに、意識だけは急速に醒めていく。  冷たくて、暗くて、寂しくて、ああ、いつも …

【水砂 虜囚】(1)

 冷たく暗い夢。  嫌な疲れが溜まっていると悪夢を見るのだと、ミズサが知ったのはラカンに連れて来られてからだ。それまでは、何が起きてもそれが嫌なことだとは思いもせずにいた。否──思わないようにしていたというのが正解か。け …

【水砂 捕獲】(4)

 何時間経ったのか、ミズサには判らない。  けれど、もうアナルの壁は麻痺していて、閉じきらない穴からだらだらと多量の粘液と精液が太股を伝い床へと流れ落ちていた。口の中も肌も髪までもこびり付いて乾きさえしている。  しばら …

【水砂 捕獲】(3)

 奴隷商の親玉である男──ルクザンのペニスは体に見合った太さと長さを持っていて、軽く扱いただけで腹に付くほどに反り返っていた。  それを、四つん這いにさせたミズサに押しつけてくる。まだ指すら入れていないアナルは固く閉ざし …

【水砂 捕獲】(2)

 ミズサの目的地でもあった場所は確かに洞窟の入り口で、そこから入ってしばらく狭い道を歩かされた。後ろ手に拘束され、足首に半歩程度の幅で縄が掛けられているために、狭い歩幅でしか歩けない。そのせいで、引っ張られるままに何度も …

【水砂 捕獲】(1)

 ラカン国の中心地であり、それ故に王が治める直轄地は南西に走る山脈を持っていた。その山にある獣道を越えるのが、王都直轄地から隣の領地に抜ける近道だと聞いて、ミズサはその道とも言えないような悪路を一気に駆け抜けようとしてい …

【水砂 訓練】(3)

 その夜、ミズサの部屋に訪れたダマスは、固い顔つきで待っていたミズサを寝具に押し倒した。  弾んだ感触と共に、寝具の足が奇妙な軋み音を立てる。だが、それもすぐに止んで、変わりのようにミズサの喉が堪えきれないようにひくりと …

【水砂 訓練】(2)

 王の従兄弟レイメイの直轄部隊副隊長ダマスは、供与された性奴隷の管理も行っていた。  ダマスが持つ血気盛んな部下10人は、性欲も有り余っているから、その解消にちょうど良い道具として喜んで貰ったのは2年前。  冷静沈着とい …

【水砂 訓練】(1)

 リジン国第三王子 水砂(みずさ)は幼少時から神童の誉れ高き子であった。他の誰よりも学問に優れ、体技にも才を顕した。  だが、それ故か彼が感情を露わにすることは少なく、常に冷静沈着で、何を考えているか判らないという言う者 …