【漫ろ心(そぞろごころ)】 番外編 家城side
「あれは……辛いよね」 コンピュータールームを笹木に明け渡した啓輔たちの荷物を、家城が運んでいる最中だった。 ぽつりと呟いた啓輔の声音が、酷く暗い。 「そうだね、辛いよね」 隣を歩いていた服部もひどく強張った表情で …
「あれは……辛いよね」 コンピュータールームを笹木に明け渡した啓輔たちの荷物を、家城が運んでいる最中だった。 ぽつりと呟いた啓輔の声音が、酷く暗い。 「そうだね、辛いよね」 隣を歩いていた服部もひどく強張った表情で …
優司の母へのお年玉である歌舞伎観劇旅行。それに、秀也の母親も一緒にいくことになっていて…… 疲れた体を引きずって家に帰り着いた途端に鳴った携帯電話。 その画面に表示された名に、無表情だった顔に笑みが浮かんだ。 「秀 …
「で、これがそのメールって訳ね」 受け取った資料を、誠は訪ねてきた梅木に渡した。 梅木は、笹木を滝本の家まで送っていった後、誠の家までやってきたのだ。 「そうなんだ。けっこうつっこみどころ満載みたい。統計は専門外だけ …
年に一度企画されるミーティング。参加のために工場に向かおうとした秀也は、冷気を纏う男と会ってしまう。秀也の受難、陵辱、リバ。 外人が多いな。 工場に向かう飛行機に乗り込んだ時、笹木秀也は違和感に気が付いた。 いつ …
電話で依頼された資料。 了承するのは簡単だった。──否、拒絶できなかっただけのことだから、簡単も何もないだろう。 本来なら、時間や手間を考えれば絶対に拒否すべき依頼だったのだが、営業が一度了承してしまったものをこち …
今日の夜空は、雲一つ無い星空だと、天気予報が知らせていた。 だが、もはや深夜と言って良い時間でも、瞬く星を見ることは叶わない。代わりに原色系のネオンが空を明るく照らす。 それでも、と目を凝らした笹木秀也だったが、視 …
お年玉って……。 完全に忘れていたが、そういえば今はお正月なのだ。 甥達にすら渡していないこともついでに思い出して、優司はきつく顔をしかめた。 「お年玉って……新札だよな……っつうか、千円札そんなにないぞ?」 母 …
落花流水:散る花は流水にのって流れ去りたいと思い、流れる水は落花を乗せて流れたいと思う相思相愛の様 正月は寝正月。 新しい年を迎えても、それだけはいつもとは違わない。 人肌の心地よさに、部屋の中が明るくなっても滝本 …
【熱海】 秀也と雅人の過去話 賑やかで明るくて元気な女性だった。 40歳代だろうか? 女性に年を聞くなど野暮ったいことはしないから、それは推測でしかない。 ただ、開店と同時に若い女性を伴って現れては、閉店まで居座 …
優司が手にした写真から、秀也の大学時代の話へ。 雅人との出会い 「この写真……?」 それは偶然だった。 滝本優司が出張がてら恋人である笹木秀也の家で泊まって、暇つぶしのようにその辺りの本を物色していた時のこと。 「何 …
【優司君の隠し事】 ? 極日常的な朝に届いたメールは真実? 秀也の不安が募る。 「え?」 そのメールについていた添付ファイル。 いつものように起動する。 いつもの手順は、だがその小さな叫び声でぴたりと止まった。
【優司君のお引っ越し騒動記】 ? 「してよ」「CROSS」「柊と薊」友情出演。30歳になると会社が契約しているコーポを出なければならなかったのに……。 3月に入ったばかりの暖かい日。 仕事から帰った滝本優司の元にか …
【恐怖の一夜】 ?2万HITお礼SS。恐怖の体験 ? 道に迷った。 滝本優司が呆然と地図を眺める。 彼は、もともと方向音痴の気はあったのだが、うっかりどこかで違う道に入り込んでしまったらしい。
【想う心】 ? 優司の悪夢の4日間。ようやく訪れた二人の甘い休暇のはずが…… 疲れた。 ううう。ほんとに疲れた。 優司は帰ってくるなり、畳の上に座り込んだ。 時計は12時を指している。水曜日から木曜日に変わった …
【守護すべきもの】 ? 雅人のちょっかい 『バレンタインデイに何か欲しいなあ』 いきなり電話でそう言われて、優司は座っていた椅子からずり落ちそうになった。 「な、何でっ!」 電話口に向かって叫ぶ。
【嘘をつきたい】 ? このお話は、「泊」から約3ヶ月後位のお話です。「会」より後で「嫉妬」よりは前。 ******************************************************* 6 …
【嫉妬】? ? 秀也が行方不明。雅人の協力のもと、探し出した場所は? 浩二との出会い 「やっと……手に入れて……」 そんな声が聞こえて、秀也はうっすらと目を開いた。 腹が痛い。何か……だるい……・。 秀也はだるい …
優司は待ち合わせ場所の新宿駅の改札口で、腕時計を眺めた。 「……遅いな……」 待ち合わせ場所はここで間違いがなかった筈だが、時間は5分ほど過ぎている。困った優司は所在なげに周囲を見回した。
【心 笹木秀也(25)×滝本優司(27)】 営業×開発 甘甘/遠距離恋愛/年下攻/秀也の純情ぶり(?)と優司のボケっぷり/当サイトのはじまり/初期のお話は総じてHシーンが少ないかありません。 ☆当初と比較して、現在は熟年 …