【心の隙間】

優司が手にした写真から、秀也の大学時代の話へ。 雅人との出会い 「この写真……?」  それは偶然だった。  滝本優司が出張がてら恋人である笹木秀也の家で泊まって、暇つぶしのようにその辺りの本を物色していた時のこと。 「何 …

【優司君の隠し事】  

【優司君の隠し事】  ? 極日常的な朝に届いたメールは真実? 秀也の不安が募る。 「え?」  そのメールについていた添付ファイル。  いつものように起動する。  いつもの手順は、だがその小さな叫び声でぴたりと止まった。

【恐怖の一夜】  

【恐怖の一夜】  ?2万HITお礼SS。恐怖の体験 ? 道に迷った。  滝本優司が呆然と地図を眺める。  彼は、もともと方向音痴の気はあったのだが、うっかりどこかで違う道に入り込んでしまったらしい。

【想う心】  

【想う心】  ? 優司の悪夢の4日間。ようやく訪れた二人の甘い休暇のはずが……  疲れた。  ううう。ほんとに疲れた。  優司は帰ってくるなり、畳の上に座り込んだ。  時計は12時を指している。水曜日から木曜日に変わった …

【守護すべきもの】  

【守護すべきもの】  ? 雅人のちょっかい 『バレンタインデイに何か欲しいなあ』  いきなり電話でそう言われて、優司は座っていた椅子からずり落ちそうになった。 「な、何でっ!」  電話口に向かって叫ぶ。

【嫉妬】

【嫉妬】?  ? 秀也が行方不明。雅人の協力のもと、探し出した場所は? 浩二との出会い 「やっと……手に入れて……」  そんな声が聞こえて、秀也はうっすらと目を開いた。  腹が痛い。何か……だるい……・。  秀也はだるい …

【会(あう)】  

 優司は待ち合わせ場所の新宿駅の改札口で、腕時計を眺めた。 「……遅いな……」  待ち合わせ場所はここで間違いがなかった筈だが、時間は5分ほど過ぎている。困った優司は所在なげに周囲を見回した。

【泊?とまり?】 

【心 笹木秀也(25)×滝本優司(27)】 営業×開発 甘甘/遠距離恋愛/年下攻/秀也の純情ぶり(?)と優司のボケっぷり/当サイトのはじまり/初期のお話は総じてHシーンが少ないかありません。 ☆当初と比較して、現在は熟年 …

【ECLOSE -羽化-】 4

「いつからだ?」  きつい声音にびくりと体が震える。  裕太が差し出す物を智史は見ていたくなくて、顔を背けていた。視界には入るのは、少し汚れた裕太の白い上履き。そして、智史と裕太の鞄。  その中から出した智史の教科書には …

【ECLOSE -羽化-】 3

 ──男には見えないくらいに可愛いね。  子供の頃から言われ続けた言葉は、さすがに最近では言われなくなっていたし、智史自身そんなことはどうでもいい、と……思っていた。  弟の誠二は、そう言われることをはっきりと拒絶してす …

【ECLOSE -羽化-】 2

「だから」  爆弾発言をした楠瀬が笑いを苦労して収めて、かがめていた腰を伸ばしながら智史を見遣る。 「俺ももっと親密な友達になりたいってこと」  くすりと笑ったその顔、だが目が真剣で思わず返す言葉を失う。 「滝本君にそれ …

【ECLOSE -羽化-】 1

 開いたのは高校の卒業記念アルバムだった。  同じクラスの最前列左端に滝本智史、その後方後ろから2列目に深山裕太。  二人の距離は、指一本分の長さよりも短い。  だが、二人は卒業と同時に別れた。  写真を撮った時は、そん …

【闇夜の灯火】  6

 上からのしかかられては、息苦しいことこの上ない。だが、同時に包み込まれるような熱はひどく心地よくて、もっと包んで欲しいと願っていた。  再び振ってきた唇が合わせられ、導き出された舌が甘噛みされる。 「…ふっ……」  鼻 …

【闇夜の灯火】  5

 水の流れる音がする。  それに気付いた誠二は、ようやく麓に近づいたことを実感した。  沢がそばにある場所からだと、50メートル位で車を止めた所につく。  ちらりと闇に包まれたそちらを眺める。  と、 「蛍……」

【闇夜の灯火】  4

 矢崎の住んでいるコーポは、誠二と同じ地区にあるにもかかわらず車で5分ほどかかる。その地区が東西に長いせいだ。  ちなみ自転車で近道すれば5分ほどなのだからどっちでいっても同じなのだが、今の足では自転車に乗ることのできな …

【闇夜の灯火】  3

 すでに用意されていた救急車の横で本職の消防士により応急手当を受ける。  邪魔なズボンが切り裂かれ、露わになった下肢に服の代わりに毛布が掛けられた。矢崎が誠二のヘルメットと法被を脱がせる。  さすがに手慣れた本職の手によ …

【闇夜の灯火】  2

 最初の内は、いくら水をかけても火勢は衰えることを知らないかに見えた。  それでも乾ききった大地がたっぷりと水を含む頃、さすがにその火勢も弱まってきたようだ。  誠二は、すでに矢崎が全身びしょぬれなのに気がついた。  他 …