雪の化身

yukihime4  契約が終了してしまった。憂えて何も手に付かない浪川の元に……。 250万キリリクのpoepoeさま、リク品です。  大晦日の夜遅く、自宅への帰途であった浪川裕樹はひどく疲れていた。それでなくても年末 …

雪姫の願い

yukihime3  身体に力が入らない。椅子に座って机に向かっているのに、雪村の上半身はそのまま前につんのめってしまいそうだった。  だが、今は仕事中で、溜まりに溜まった事務処理を優先的に片付ける必要があった。  だか …

雪姫

 雪の降る夜、陵辱され全裸で晒しものとなった雪村。  裕樹はそんな姿の彼を見つけて、けれど、その瞬間、確かに魅了されてしまった。  雪が舞い降りていた。  切れかけているのか頭上の蛍光灯が瞬く。闇の中、明るく辺りを照らし …

[番外]プレゼント

プレゼント  世の中はクリスマス一色。  緑と赤のクリスマスカラーが氾濫している。  だから、パーティをするために部屋の中を飾り立てるのも問題ないとは思う。  けれど、目の前の天井まで届くかと思うほどのクリスマスツリーは …

[番外]ドライブ

ドライブ ?– Update :2008-08-16 — 紀通と中井の日常編 「なぁ、食事行かね?」  運転席からの不意の問いかけに、うつらうつらしていた紀通はぴくりと頭を上げて、ぼんやりと中井を …

[番外] はるうらら

はるうらら  うららかな春の日曜だった。  新しいマンションが並ぶこの地区にも、朝から元気な子供たちの声やさわやかな鳥の鳴き声が響く。  だがそれも、防音が完璧なこの最上階の部屋までは届かない。  その代わり──。 「ん …

【DO-JYO-JI】(9) 再会の章

dojyoji9 【DO-JYO-JI】 再会の章  今日からもう逃れられない──けど……。   空はきれいな青空が広がり、太陽が燦々と輝いている。  雨の心配など全くしなくても良い晴天の中、数台のトラックが地下駐車場に …

【DO-JYO-JI】(8) 約束の章

dojyoji8 【DO-JYO-JI】 約束の章  中井の新しい職場は、部屋付きだ。  園田に言われた時には手配済みだったのだが、中井が千里のところに行ってしまったため、鍵を渡しそびれていたということだった。  昨日園 …

【DO-JYO-JI】(5) 契約の章

dojyoji5 【DO-JYO-JI】 契約の章  ひどく怠くて、思うように身体が動かない。体内奥深くの違和感と言うにははっきりとした痛みが、意識を無理に覚醒させる。  もっと寝ていたい。  だが、怠さと痛みがそれをさ …

【DO-JYO-JI】(4) 藪蛇の章

dojyoji4 【DO-JYO-JI】 藪蛇の章  ここのところずっと不在だった園田。今日、ようやく戻って来たと思ったら、今度は卓真の部屋に入り浸っている。  かと思ったら、また出かけて行った。  声をほとんど聞いてい …

【DO-JYO-JI】(2) 遊技の章

dojyoji2 【DO-JYO-JI】 遊技の章  闇の世界の城、とは思えないほどにしょうしゃな五階建てのビルの中には複数の幹部のための部屋があった。  その一つの主は今出かけていて、その留守を彼に仕える幹部達が守って …

【Familiar Sound】(4)

PDFファイル:familiar sound4 31  ドアが開く音は聞こえなかったから、眠っている間に実はそこにいたのかもしれない。  目を閉じた途端に、見開くハメになった紀通は、そんなことを思いながら、呆然と目の前の …

【Familiar Sound】(3)

PDFファイル:familiar sound3 21  最初の内は気になった。  了承した園田が呆然としている紀通を連れて寝室に移動した時も、やっばり拒絶するのだと思った。  なのに。  後から続いてきた中井を無視して、 …