【淫魔 憐(れん) 給餌】(1)
まさか、自分がそんな目に遭うとは、用賀 蓮(ようが れん)は夢にも考えたことがなかった。 否──普通ならばそんな事を考えるなんて事はしないはずだ。 それほどまでに常軌を逸している書類を手に、蓮の脳は必死になって今を …
まさか、自分がそんな目に遭うとは、用賀 蓮(ようが れん)は夢にも考えたことがなかった。 否──普通ならばそんな事を考えるなんて事はしないはずだ。 それほどまでに常軌を逸している書類を手に、蓮の脳は必死になって今を …
アンケートというか投票というか。 お遊びではありますか、設置しています。 ちゃんと動作していなかったら、ご連絡ください。 22:50 お礼小説の方で訂正がありました。思いっきり文章が重複していましたが、たぶん修正できてい …
こんばんは? 引き続きまして、目覚めから「甘受と諦観」です。 シイコ×テルで書き始めた話なのですが、まあ、ちょっと、当サイト比で言うとエロ薄です。 1がテル、2がシイコ側となって、3でテルに戻ります。 これは拍手コメント …
こんばんは、お久しぶりになってしまいました。 本日は、鬼の宿から「楼寿(ろうじゅ)」の話をUPしました。 楼寿は淫魔ですが、他の淫魔とは違います。これ以上はネタバレになるので……(^^ゞ。 相変わらず救いが無い、愛のない …
この屋敷が、こんなにも静かになるとは憂は思ってもみなかった。 ここは鬼の頭である羽角(はずみ)がいる本宅では無く、数ある別宅のうちの一つでしかない。 普段は鬼達やその配下、使用人が詰めていて、本宅よりも雑多な印象が …
啓輔の従兄弟 晃一の話「味噌汁」の裕真サイド 頻繁にやってきていた晃一が、いきなり裕真のところに来なくなった。 最初は、行けないと言う簡単な電話。 元気が無いなとは思ったけれど、その時は裕真も忙しくて、判りましたと …
「タケノコ、忘れたっ」 冷凍食品もあるし、もう帰ろうかという話になった時だった。 不意に和巳が叫んだ。 「ごめん、買ってくる」 慌てて買いに走ろうとしたその腕を止めたのは、裕真だった。
せっかく再会できた僥倖を、晃一は無駄にするつもりはなかった。 その結果、休みの日や早く帰ることができる日には連絡を取って、裕真の家に向かうようになっていた。 裕真も、晃一のお伺いに、断ることはなかったから、よけいに …
啓輔の従兄弟 晃一の話 社長業というのも大変だ。 もうとっくの昔に覚悟できていたはずの事を、最近改めて痛感する。 萩原産業の若き取締役社長、萩原晃一は、疲れ果てた体を革張りのイスに沈ませてため息を零した。
怒ってる……。 一見すると無表情のいつもと変わらぬ家城純哉ではあったが、隅埜啓輔の目には、彼が内包する怒りがはっきりと映っていた。 何で? と、内心引き連りながらも考えるが、いっこうに心当たりが無い。 確か昨日 …
「あれは……辛いよね」 コンピュータールームを笹木に明け渡した啓輔たちの荷物を、家城が運んでいる最中だった。 ぽつりと呟いた啓輔の声音が、酷く暗い。 「そうだね、辛いよね」 隣を歩いていた服部もひどく強張った表情で …
「ここ、狭いからあっち行こうぜ」 「え、あっ」 鎖を解き強く引き寄せれば、純哉が体を折り曲げて呻く。体の向きが変わったことで、バイブがさらに体内の奥深くを抉ったのだろう。 紅潮した顔が切なげな表情を見せる。 それが …
それはほんの僅かなものだった。 啓輔自身、自らも香りをまとうようになってからか、他人の香りにも敏感になっていた。 だから、気が付いたのだろう。 純哉の部屋に漂う微かな香りの違和感に。 「……誰か来ていた?」 休 …
金曜日の夜。 隅埜啓輔はいつもより遅い時間に原付バイクを走らせていた。 春とは名ばかりの季節に、バイクを走らせるのは辛い。 できれば早く辿り着きたいんだけど……。 視線がちらちらと前のかごの中を窺う。そこには、 …
心地よい夢の中を漂っていた。なのに、何かのきっかけで意識がふわりと現実へと舞い戻った。 覚醒とは言えない。 けれど、ぼんやりとした意識はすぐに現実に馴染んだ。 だが視界の方が数度瞬きしても、情景に馴染めなかった。 …
何故こんなことに? 二階に上がった途端に、二人して絶句した。 どうして布団一枚出すために、押し入れの布団が全て出ているんだ? 敷き布団に掛け布団にタオルケット……はまだ良い。襖の前に山積みになっているのは毛布や替 …
車を庭に乗り入れた家城純哉は、灯りの消えた暗い窓を見つめてため息を零した。 家主である隅埜啓輔が戻ってきていないことは知っていた。その窓に人影は無いのも当たり前だと判っていた。それでも、思わず、いないのか、と捜してし …
「純哉っ!来てくれたんだっ」 家城が車から降りたとたん、エンジン音に気がついたのか、まだパジャマ姿のままの啓輔が窓から勢いよく身を乗り出してきた。 その勢いの良さに思わず目を見開けば、すぐにその姿が視界から消える。だ …
「今日は遅いんですか?」 約束の木曜日。 まだ事務所にいる啓輔に声をかける。 「今ね、開発部の滝本さんの依頼で特許マップの準備してんだ。これが面倒な作業でさあ」 肩を押さえて、こくこくと首を左右に傾ける。 確かに …