【目覚め】(2)

 父親を落とすのは簡単だった。  息せき切って店にやってきた父親に、「まずは落ち着いて」とアイスコーヒーを出せば、ひどく恐縮しながらもそれでもごくごくと飲み干した。  よほど喉が渇いていたのだろう。暑い夏の太陽の下を走っ …

【目覚め】(1)

「子羊が迷い込んできました」  脂ぎった顔に満面の笑みを浮かべ、爛々と目を輝かせながらそう言ったのは須崎(すざき)の相棒で、須崎ドラッグストアで薬剤師をやっている三坂だ。電話を介していたが、その声音だけでそんな表情が容易 …

【檻の家 -奴隷宣言】(4)

「メス豚よりも人として扱われたいのですか?」  時間にしては1分にも満たないはずだった。  けれど、敬一が言葉を発してからそれだけの間黙っていた鈴木が発したのは、とても冷ややかな声音で。 「あ……」  何を言われたのは、 …

【檻の家 -奴隷宣言】(3)

 一つ、また一つとアナルの壁を押し広げ押し込められた球体の数はもう判らない。  しかもそれだけではなくて、鈴木が奥の奥まで押し込むように己のペニスでアナルを押し開いた。  熱いそれは、敬一の熱を上げながら、粘液を滲ませる …

【檻の家 -奴隷宣言】(2)

 敬一に課せられたルールはまだあった。  休日の前の夜の食事が終われば、鈴木がもう良いと許可しない限り彼に何一つ逆らわないのもその一つ。  従順であればあるほど、その鈴木の要求が激しくなると判っていても、逆らえば与えられ …

【檻の家 -奴隷宣言】(1)

 敬一が入社した会社は小さいけれど活気のある会社だった。  外に出ることの多い営業マンの彼らの代わりに、伝票を処理し、在庫を確認し、発送のための手続きをする。  小さい故にすべき仕事は多く多岐に渡っていたけれど、数ヶ月徹 …

【檻の家 -敬一の生活】

【奴隷宣言】より前の生活ワンシーン。【奴隷宣言】の話より前に途中まで作ったのが出てきたので、ブログにアップしてみました。 「ただ今、帰りました」 「……お帰りなさい」  鈴木の帰宅に、リビングのソファーでボンヤリしていた …