【目覚め】(2)
父親を落とすのは簡単だった。 息せき切って店にやってきた父親に、「まずは落ち着いて」とアイスコーヒーを出せば、ひどく恐縮しながらもそれでもごくごくと飲み干した。 よほど喉が渇いていたのだろう。暑い夏の太陽の下を走っ …
小説現未来
父親を落とすのは簡単だった。 息せき切って店にやってきた父親に、「まずは落ち着いて」とアイスコーヒーを出せば、ひどく恐縮しながらもそれでもごくごくと飲み干した。 よほど喉が渇いていたのだろう。暑い夏の太陽の下を走っ …
「子羊が迷い込んできました」 脂ぎった顔に満面の笑みを浮かべ、爛々と目を輝かせながらそう言ったのは須崎(すざき)の相棒で、須崎ドラッグストアで薬剤師をやっている三坂だ。電話を介していたが、その声音だけでそんな表情が容易 …
「んぐっぐぅ……うぅっ……」 眠っていても苦痛は感じる。呻き、身体を捩り、なんでこんなに苦しいのかわからないままに、泣き喚いた。 だがその苦しさは容易に収まらず、泰地は何度も何度も、助けてと叫んだような気がした。 …
時期が思いっきりずれてしまいましたが、ようやく完成したお話。 「檻の家」シリーズに入れているのは、登場人物に関わりがあるから、いうだけで、敬一編の人は誰も出てきません。 いつものように無理やり、3P、奴隷化です。 十二月 …
【秘書の日常 ー専属秘書の実情編ー】 某グループ某会長の専属秘書は、自分でも知らないある秘密があった。 その力が専属秘書の能力を底上げしているとは本人も気が付かない。 このお話は会長の要望に応える専属秘書の仕事風景 …
某グループ某会長は四六時中大変忙しい。 そんな彼をフォローするために、24時間対応の専属秘書がいる。 当然、会長が息抜きしたいと願ったとき、その要望にも応えるのが秘書の仕事です。 今回は、会長の急な休みの要求に秘 …
クリスマスにアップしようとして間に合わなかったSSSで、当日の話になります。 檻の家の鈴木と敬一で、お話からさらに数年後、精神的にも調教済みだった場合ですね。 短く、サクッと書き上げて掲載しようとしているのに、だんだん長 …
──恋人の話を伺いたいんですが。 「そうですね」 と、鈴木は口角を上げて口を開いた。 「私の恋人になりたいならば、まず、恋人として充分に躾けますよ。私にふさわしい存在でなければ、側にはおけませんから。私の望み、好み、そ …
「メス豚よりも人として扱われたいのですか?」 時間にしては1分にも満たないはずだった。 けれど、敬一が言葉を発してからそれだけの間黙っていた鈴木が発したのは、とても冷ややかな声音で。 「あ……」 何を言われたのは、 …
一つ、また一つとアナルの壁を押し広げ押し込められた球体の数はもう判らない。 しかもそれだけではなくて、鈴木が奥の奥まで押し込むように己のペニスでアナルを押し開いた。 熱いそれは、敬一の熱を上げながら、粘液を滲ませる …
敬一に課せられたルールはまだあった。 休日の前の夜の食事が終われば、鈴木がもう良いと許可しない限り彼に何一つ逆らわないのもその一つ。 従順であればあるほど、その鈴木の要求が激しくなると判っていても、逆らえば与えられ …
敬一が入社した会社は小さいけれど活気のある会社だった。 外に出ることの多い営業マンの彼らの代わりに、伝票を処理し、在庫を確認し、発送のための手続きをする。 小さい故にすべき仕事は多く多岐に渡っていたけれど、数ヶ月徹 …
【奴隷宣言】より前の生活ワンシーン。【奴隷宣言】の話より前に途中まで作ったのが出てきたので、ブログにアップしてみました。 「ただ今、帰りました」 「……お帰りなさい」 鈴木の帰宅に、リビングのソファーでボンヤリしていた …
客間にふさわしく、バスルームもたいそう広かった。壁一面の窓は、外の煌めく夜景を遮らず、全てを見通すことができる。近くの別のホテルで一部が遮られているが、絶景と言えるだろう。 バスタブはジャクジーの機能を持っているが、 …
キャンドルの炎が揺らめいて、大きな窓と手元のグラスに反射する。 ゆったりとしたメロディーは、どこかで聞いたことがありそうで、けれど思い出せなかった。 使い慣れないカトラリーが、誤って皿の縁に当たって小さな音を立てる …
「丹羽の暴走」最後で、病院で三枝達が病室に現れる前、再会した彼らの会話、です。 「何でいる?」 鈴木の連絡に急ぎ駆けつけた病院で、院長である親父に、敬一の担当医だと紹介された内科医師と会った瞬間、そんな言葉が吐いて出た …
暑くて、身動いだ。 全身にざわざわとざわめくようなむず痒さが広がって、いたたまれないままに動こうとしたけれど、動けない。 圧迫感にも似た重苦しさに大きく息を吐いて。 不意にすうっと意識が浮上した。 「……ぁ……」 …
「おい、誰が休んで良いと言った?」 ドスの効いた低い声音に、疲れて微睡みの中にいた頭が一気に覚醒した。横たわっていた身体が、そのままの姿勢でびくりと震える。 慌てて目を開けた敬一の目の前に、いつの間にか丹波がいて腕組 …
飼い主の一人丹波による敬一の陵辱のはてに。 【クリスマス Ver.2010-】の前の話になります。 長く続いた梅雨が終わったはずなのに、雨天時とさして変わらぬ湿度のままに気温ばかりが上がっていく。 …
「んっ……んくっ」 押し殺した声が、狭い店内に響く。 せめて声くらい我慢したいのに、乳首から湧き起こる悦楽に、声帯が勝手に震えた。 じっとしていられなくて、身体が揺らぐ。けれど、意識し始めてから忘れることのできない …