【嶺江の教育 六ヶ月目】

 嶺江にとって、ガジェの言葉は絶対だ。  ガジェの数多の躾が、本来ならば行われるはずのないほどに淫猥なものだと気が付いていたとしても、だ。  6ヶ月間浣腸され続けてきた身体は、もう浣腸しないと排泄できない。  極太の糞便 …

【嶺江の教育 一ヶ月目】

 嶺江が暮らす部屋には二つの扉があった。その一つは外の廊下へと続いているらしいが、もう一つは、隣室のガジェの部屋へ繋がっていた。  その扉は普段は鍵がかかっている。だが、毎朝嶺江が起きる頃に開放されて行き来が可能になるの …

【嶺江の教育 初日】

 リジンの城が焼け落ちた日から二週間、リジン国第五王子 嶺江(レイエ)は、誰とも口を利いていなかった。  陣屋と呼ばれた簡易宿泊所の一室に、長兄以外の兄たちと閉じこめられた次の日、早朝にその部屋から嶺江だけが引きずり出さ …

【プロローグ】

 月が無い夜だった。  『天人が住まう城』と彼方の国でも詠われる城が、猛火の中騒々しく崩れ落ちていく。  耳をつんざく城の悲鳴。  外壁が、ばらばらと崩れ落ちる。  巨大な漆黒の塊は、見つめる海音(カイネ)も何度も足を運 …