【来訪者】 3
両手に厚手のリストバンドを嵌めるのは、痕が付くのを浩二も厭うからだ。 その上から縛られて、雅人の腕はベッドヘッド側の板に括り付けられていた。 お仕置きだからと、課せられたのは拘束。 両手どころか、足までも別々のベ …
両手に厚手のリストバンドを嵌めるのは、痕が付くのを浩二も厭うからだ。 その上から縛られて、雅人の腕はベッドヘッド側の板に括り付けられていた。 お仕置きだからと、課せられたのは拘束。 両手どころか、足までも別々のベ …
「……んで、あのバカはまだ帰っていないんだな」 舌打ち交じりの辛辣な言葉に、雅人は逆らうことなくコクコクと頷いた。 苛立たしげに下ろしていた前髪を掻き上げる悠人のうなじにはくっきりとキスマーク。仄かに匂う香りは、健一 …
明石雅人が恋人増山浩二と住む部屋は、普段あまり客など来ない。 チャイムが鳴れば、たいていそれぞれの兄たち。やはり恋人同士の二人は、いつも喧嘩ばかりで、何事かあるとこの家にトラブルのネタを運び込んでいた。 しかも、そ …
30万HIT記念 明石雅人が用事があって兄の部屋に来たのは、春にしては熱い日だった。 寒い日もあるからとファンヒーターがまだあるというのに、窓越しの日差しはジリジリと肌を焼く。 「暑いっ、エアコン入れよっ」 「窓を開 …
10万HIT記念 2002/7/5 最近 雅人さんの様子がおかしい……。 北川病院の整形外科部長である増山浩二は仮眠室のベッドで天井を眺めつつ、考え込んでいた。 今日は夜勤だったのだが、不思議と静かな夜で緊急車両 …
20,000hitキリリクrabi様のリクエストです。 浩二の雅人への想いを浩二視点で描いてみました。 一人きりの一夜の続編になりますが、これだけ読まれても問題はないと思います。 ——— …
「何てこった……」 明石雅人は自分しかいない部屋でひとりごちる。 せっかくの大晦日。 なのに増山浩二は仕事だ。 広いリビング。フローリングに部屋に不釣り合いなこたつに潜り込み、こてんと頭をこたつの上に載せる。
その日、明石雅人は暇をもてあましていた。 勤務日の変更をいきなり言われ、代わりの休みを先行して貰ったのはいいが、恋人の増山浩二は一向に連絡が取れなかった。 医者である浩二は、携帯の電源をOFFにすることはない。電波 …
最近、雅人は浩二と遊ぶことが多かった。 明石雅人は職業がホストのため、昼間寝て夜働く。週5日制だ。 雅人がホストをしている店では、雅人はNo.1だった。今時の端正な顔と面倒見のよい性格、そして身につけた接客手法は追 …