【海音 エピローグ】

 - 1 -  熱に蕩けた水飴のように、トロリと揺らぐ空色の瞳がゆったりと辺りを見渡した。けれど、その場では何にも興味を引かれなかったのか、また前方へと向かう。  その視線が一瞬でも重ねられた参列者達は、外れた拍子によう …

【海音の懇願】

 - 1 -  最後の一滴まで搾り取られ、鳴き喚く声が掠れても徹底的に性感帯を嬲られ続ける。溢れるほどのカルキスの精液が注がれ、溢れれば、また押し込められた。上の口にも注がれたカルキスの精液は、一滴たりとも零すことなど許 …

【海音(カイネ)】

 カルキスが来ない。  そのことに、心はほっと安堵している、はずなのに……。  身体が熱く、疼き続けてしようがなくて……。  いつの間にか、あの男が来てくれることを望んでしまっている。 【CREDIT】 Michael4 …

【海音 絡みあうもの】

  海音がいる古城は、かなり広い敷地を有している。  特に裏手は森になっていて、建設当時は王族専用の木洩れ日が心地よい遊歩道があった。だが、新しい城が建設されると同時に放置され、今や際限なく伸びた木々が陽光を遮っていて昼 …

【海音の熱望】

 - 1 -  カルキスの訪れは最近になって不定期になっていた。  前は一週間に一回は必ずだったが、今は二週間空くこともざらだ。  それが、辛い。  前回からすれば、すでに三週間もカルキスの訪れはなかった。  達きたい… …

【海音の弱み】

 リジンの第一王位継承者であった海音(カイネ)が、ラカンに囚われから6ヶ月。  その間、快感を与えられなかった日は一日としてない。  最初の内は、一部屋に閉じこめられて調教を受ける日々だったが、最近では城全体が海音の調教 …

【海音の願望】

 城が燃えさかる姿を、海音は忘れられない。  ガラガラと絶叫のような音を立て崩れ落ちる姿が、目に焼き付いている。  あれではもう城は瓦礫でしか残っていない。  判っていても、夢に見るのは美しかった城とその姿を映す湖。   …

【プロローグ】

 月が無い夜だった。  『天人が住まう城』と彼方の国でも詠われる城が、猛火の中騒々しく崩れ落ちていく。  耳をつんざく城の悲鳴。  外壁が、ばらばらと崩れ落ちる。  巨大な漆黒の塊は、見つめる海音(カイネ)も何度も足を運 …