欲情する己を落ち着けるようにマサラがコップに口をつけた。
目の前で、二杯分のコップをいっぱいにした風南が、疲れ果てたように膝を付いた。
紅潮した肌がしっとりと濡れるほどの汗を光らせ、肩で大きく息を吐いている。苦しげに眉間を寄せて、不規則にびくんびくんと身体を震わせていた。
「今日も美味いな」
この乳は栄養満点の朝食だ。これ二杯で腹はきちんと膨れる。時々手を加えて味を付けることもあるが、マサラはこの生の味が一番好きだった。
「よし、次だ」
風南の仕事はこれだけではない。次を促せば、風南の頬がまた硬直した。ぎくしゃくと動いた頭が、マサラを見つめる。
けれど、今度は咎められる前に風南が自ら動いた。乳首から漏斗を外し、盆の上に置く。
もう諦めているのだ。
それに、厭でもやらないと苦しむのは風南自身。
「挨拶は?」
嫌みな言葉に、風南の顔はますます歪んだ。
すでに快感で泣き濡れた瞳が、さらにまつげに涙を溜める。
「どうぞ、お納めください……ご、主人様に……進呈……いたします……」
お盆に残っていた皿を床に置き、それをまたぐように跪いて上体を床に沈め、尻を高く掲げる。
それでなくても短い服の裾から尻の狭間まで見えたが、さらに足を大きく開いた。
何もかも、マサラに丸見えだ。
慎ましやかなアナルも、そこに銜えた張り型も、根元をきつくベルトで戒められたペニスも——そして、赤く充血して潤んだ膣と花びらまで。
睾丸とアナルの間、男であればただ膨れているだけの部分にあるぽっかりと開いた肉色の膣口と周りを飾る花びらは、赤く充血しすでに溢れるほどの愛液で濡れそぼっていた。
「ふふっ……」
淫らな女性器の姿に、さすがに見慣れていたマサラの雄もびくりと反応する。
男を誘う淫らな匂いを立ち上らせる愛液は、ほんの少しの快感ですぐに溢れ出て、いつでも風南の股間を濡らしている。まして、さっきまで乳房からの快感に身もだえするほど感じていた所だ。愛液は、肉壷から溢れ出始めていた。
「だらだらと流れている。凄いな」
揶揄だと判る言葉に、風南が息を詰める。
だが、すぐに言葉を継いだ。
「私の……卵……を、どうか、お納め下さい——っ、あ、……ここで、産むことを——んっ、お許し、くださぁ……い……」
言葉が苦しげに途切れだした。
ひくひくと腰が揺れる。
赤い花びらが何度も閉じては開いた。その度に多量の愛液が噴き出し、流れ落ちる。
膣の中を卵が降り始めているのだ。乳房を揉むと、子宮が収縮して卵は降り易くなる。
そう、風南はいつだってその子宮に卵を蓄えているのだ。
「あ、あぅぅぅ……くあ、お、お許しを——っ」
がくがくと腰が揺れ始めた。
切なげに歪む顔が、涙と涎に汚れる。何かに堪えるように歪む顔と握りしめられる拳。
愛液以上にペニスからは淫液が流れ落ち、乳房は再び乳を噴き出した。
今風南は、凄まじい快感に襲われているのだ。
「……良かろう。産め」
焦らしても良いが、今日はその気にはなれなかった。
ここ数日、朝が忙しくて欲を解放していない雄が、寝具の中でいきり立っている。
焦らす代わりに、あの麗しい肉壷をたっぷりと犯したいと雄が訴えていた。
「あ、ありがと……ざ……ますっ」
許された途端に、風南が泣き笑いのような表情を浮かべ、すぐに手をついて腰を上げ、何度も息み始めた。
「うっ、んくぅ——っ、くっ」
息む度にを大腿の筋肉が震える。
尻たぶさえもわなわなと震え、膣口が濡れた花びらと共に開閉を繰り返す。
零れる愛液と淫液が混じり合い、淫臭で部屋が満たされる。
と——。
ぽこり、と膣口が膨らんだ。
閉じていた花びらが開き、今度はさらに大きく花開く。その中央に見えるのは、赤い花びらとは対照的な白い塊。
「あ、あぁぁっ——」
声が甲高く響く。
ぐぐぐっと白い塊が出てきては赤の中に沈み込む。だがそれも出っぱなしになって。
「ん、くぅぅ、あ——っ」
一際大きな喘ぎ声の後、ポンッとその塊が飛び出して。
からん、と乾いた音を立てて、皿の中に落ちた。
鶏卵より一回り大きな卵は、先ほどまで胎内にあった証拠のようにしっとりと濡れそぼり、ほかほかと湯気を立てていた。
「相変わらず見事な卵だ。そうだな、今日はキノコのオムレツにしてもらえ」
「……は、はいっ……仰せの、ままに……」
まだ尻を上げたまま大きく息を継いでいた風南が、かろうじて応じる。
そのぼんやりとした視線が捕らえたのは、風南が胎内で育て上げた卵だ。
もう何個産んだことだろう。たくさんの卵を産み、そしてそれらは全て誰かの腹の中に収まった。
風南の卵はとても美味しい、と、引く手あまたの品なのだ。
その卵を産む行為にも、風南は乾いた絶頂を幾度も迎える。
膣は卵を容易に通すほどに広がるけれど、その膣と直腸の間には前立腺が存在した。しかもその間隔は狭い。
産卵の時には張り型でアナルを塞ぎ直腸を満たさせているから、必然的に余裕は膣側にしかない。それなのに卵が膣を広げながら降りてくるのだから、挟まれた前立腺は固い卵と張り型双方にごりごりと擦られる。
始めてそれを味わった時、風南は青い瞳が零れ落ちんばかりに見開き、血を吐くような絶叫を上げ、全身を痙攣させて気を失った。
気を失ったせいで前立腺の真上で卵が止まってしまい、何度も何度も絶頂の痙攣を繰り返したのだ。、
さすがにそこまで行くとチップの制御が追いつかなくなる。慌てて、もう少し余裕を作ってやったけれど。
それでも過ぎるほどの快感だ。
ひくひくと震える濡れそぼった花びらがさらに充血し、収縮性の大きい膣口は慎ましやかに閉じてはいるがほっこりと赤く膨れている。
その膣と膣の周りを覆う花びらと風南の体内にある卵巣と輸卵管、そして卵を蓄えるための機能を果たす子宮。
鳥の遺伝子と人の遺伝子を組み合わせた女性器は、さすがに埋め込むのが大変だった。
だが、今はこうやって毎日産卵できるほどに機能している。
それどころか、毎日一個か二個は産まないとすぐに子宮がいっぱいになってひどく苦しくなるようだ。
最初の頃産卵を拒否した風南に、マサラが一週間膣に栓をしたことがあったが、その結果、5つの成熟卵と潰れて未成熟になった2つ以上の卵に満たされた腹はぷくりと膨れあがり、産みの苦しみの比では無い腹痛を起こした。白目を剥いて悶え、譫言のように許しを乞う風南を縛り付け、膣に手を突っ込んで卵を出した時、風南は激しい痛みと意識が弾ける程の絶頂に、獣のような雄叫びを繰り返した。がくがくと揺れる身体に豊かな乳房が乳を噴き出しながら激しく揺れる。中に入れた腕をきつく締め付ける感触は、腕とはいえ全身が痺れるほどの快感を味わった。
今思いだしても、ペニスがいきり立つほどの卑猥な情景だった。
またやりたいと思うが、その間膣が使えないので、なかなか行うタイミングが掴めない。それに、風南の卵は人気が高く、引く手あまたなのだ。
もっとたくさん産ませたいという話もあって、しばらくは毎日産卵させねばならないだろう。
それに、3つも溜めると子宮はかなり苦しいらしいから、風南ももう逆らわない。
それよりも産んで凄まじい快感を味わいたいと欲しているきらいすらあった。
「こい」
マサラが指でした合図に、風南はのろのろと上体を起こした。手をついて、がくがくと揺れる膝に手をついてふらりと立ち上がる。
荒い吐息と虚ろな瞳がマサラに向けられた。
風南は酷い姿だった。
綺麗に結い上げていた髪は何カ所も緩んでほつれている。服は帯が緩み前合わせが開いてしまって、身体の全面を何一つ隠すことができていなかった。
乳が垂れて濡れた乳房に赤黒く輝く乳首。腹を打つほどにペニスが反り返っている。その鈴口からだらだらと流れた淫液が、腹から太股まで流れて汚していた。さらに、太股の内側は愛液も流れている。
マサラの目的は、その愛液だらけの膣だ。
ペニスやアナルには全く興味が無い。
ペニスをベルトで戒めているのも、アナルに張り型を銜えさせているのも、膣の締め付けが良くなるからに過ぎない。
「乗れ」
寝具の掛けを剥がしながらの二度目の命令に、風南は怠い身体を叱咤するように勢いをつけてベッドへと上がってきた。
はあはあと吐息が触れるほどに激しい呼吸を零しながら、乱れた衣服のままにマサラの腰をまたぐ。
マサラが自身の雄を下衣を僅かにずらして取り出した。
他は乱れていない着衣の中、そこだけが雄々しく立ち上がり生の肉体を晒している。
マサラはその優雅な細身の身体を裏切るような巨大なペニスを持っていた。風南のペニスより二回りは大きい。先ほど産んだ卵より太く、さらにごつごつとした歪な瘤の突起がいくつもあった。
女を思う様に蹂躙して鳴かすために手ずから加工したペニスだ。
ある意味凶器だ。
たいていの女は、これを見ただけで蒼白になり逃げ腰になる。処女ならば破瓜の血だけでなく血まみれになって、貧血を起こしてぶっ倒れる。二度と男が欲しいと思わなくて、医師の治療を受けることもままあった。
少しやりすぎたな——と一時期思ったけれど。
この風南を嬲るには、まだ物足りないくらいだ。
視線が落ちた風南が、ごくりと喉を鳴らす。挿入するのも苦しいそれは、挿入してしまえば今度はそのいくつもの瘤が前立腺を押し上げて、気が狂わんばかりの快感を風南に与える。押さえようとしても勝手に出てしまう嬌声を振りまきながら、女として膣を犯されて、乳房を揉まれて、乳と愛液を噴き出して射精など許されることなく達きまくって、マサラを悦ばせなければならない。
それは、風南の中でどんなに傷つけれられても消えない男としての矜恃をズタズタにする。
狂いたいほどに恐ろしい事。
なのに、狂えないどころか、このグロテスクな雄は風南の意識を飛ばし翻弄して、歓喜の声を上げさせるのだ。
額のチップは、貴重な性奴が狂気に逃げ込むのを防ぎ、いつまでも徹底的に嬲るためにある。
『淫乱な雌鳥はペニスが大好物』
マサラや他の人達が風南に向ける言葉は、風南自身が否定できない。それほどまでに、一度でも貫かれれば疼く身体は快感を欲して風南の心を無視する。
欲して、離されるのを嫌うほどに。
それが判っているから躊躇する風南に、マサラは情けなど持たない。
「早くしろ」
風南が一時も正気を保っていられなくなるペニスは、今や遅しと自らを納める鞘を待っていた。
「ひぃ、ぎゃああああぁぁぁ——」
ゆっくりと腰を落とした風南に、マサラが勢いよく突き上げた。
痛いほどに締め付けていく熱い肉壁に、全身がぞくりと粟立った。風南の血を吐くような絶叫すら、耳に心地よい。
熱く熟れた感触は、全身を歓喜させ、マサラの性欲は最高潮まで高まっていた。
だが、簡単に解放などしない。
もっともっと。
この熱い快楽の肉壷から溢れ出る液で淫売の全身を汚すまで突き上げ、貪り尽くしてから。
それからたっぷりと注いでやる。
もう何度も犯した穴だというのに、新鮮な悦びが湧き起こる。
なんと貪欲な穴、子種を全て貪り尽くされそうだ。
だが、凄い。
愉しいぞ、こいつは。
こんなにも溺れるとは思えなかった。
他の穴などしばらくいらない。
こいつ一人で、何人もの女を相手にしている気になる。
ごつり、と己のペニスに感じる塊。
張り型に押されて飛び出た前立腺を壁越しに感じる。
ひくひくと震える腰を掴み、そこを狙って上下に揺すれば、声なき絶叫が迸った。
ぴんと張った手足、白目を剥いている両目。
ピュッビュッと噴き出す淫液が、風南の腹を汚す。
揺さぶられるたびに全身を硬直させている風南は、マサラ相手では決して許されぬ射精の代わりに、女のように達きまくる。
達くたびに嬌声を上げ、さらに締め付けて、また達って。
永遠に繰り返す絶頂。
ぐらぐらと力の入らない身体から手を離し、乳房を鷲づかみにして支える。
そのまま、握りしめるほどに強い力で揉み上げた。
「ひゃああああ————っ」
乳をたっぷりと蓄えた乳房は固い。激しい痛みを訴える悲鳴は、けれど多分に甘さが混じっていた。びゅうっと噴き出す乳が与える快感は、痛みなど簡単に凌駕する。
「あっ、あっ——があっ——んあああぁ——っ」
悲鳴と嬌声と。
風南の声音が複雑な音色を奏でる。
何もかも快感に結びつく身体は、淫売の名に相応しい。
手を離してもだらだらと流れる乳をねっとりと舐め取り、ゆっくりと乳房まで舐め上げて。
乳首をぎりっと噛みしめ、激しく吸い上げた。
「ひゃぁぁぁぁぁ——————っ!!」
仰け反って押しつけられた銜え易い乳首をさらに激しく吸い上げて、ペニスを激しく突き上げる。
美味しい味は、マサラの強壮剤だ。
幾らでも精が湧いてくる。
一段と激しくなった動きに、風南の理性は完全に崩壊した。
焦点の合わない瞳が淫猥に濡れ、幼子のようにマサラに強請り始める。
「あ、ぁぁぁんっ——あはぁぁぁ、もっとお——、もっとちょーだいぃ、太いの、ほし——ぃ——のぉ」
ぐちゅぐちゅと膣から泡だった液が流れ落ちて、風南の肌を汚した。白いそれがシーツに染みを作っても、マサラの動きは止まらない。
風南も腰を上下させ、快楽を貪っている。
閉じない口の端から涎をだらだらと流し、陶然とした表情で淫猥な言葉でマサラに乞う。
「あ、あ……っ、良い、よぉぉっ、ひあんっ、突いてぇ、もっとぉ——、チンポ、欲しいいぃ、風南に、くださぁ——、ああっ、おっぱいも揉んでぇ——んあっはあっ」
「ああ、良いぜ、淫売。どこに欲しい?」
「んあぁんっ、おま、んこ……風南のおまんこぉ」
「ん、風南……。そんな高尚な名前なのか、お前は?」
「あ、あはあっ——風南、カザナですぅ……」
「風南っていやあ、リジンの第四王子と同じ名だけどなあ」
「んあぁ、その風南に、ご主人様のおチンポ、をくださ……いっ」
「おやおや、王子様かぁ? 王子様がそんな卑猥な言葉を言うか? ここにいるのは、卵を産むだけでも達く淫乱な雌鳥かと思ったが」
「あっ——あっ……、卵も、産みます……、めん、どり……ですっ」
自分が何を言っているのか判らない風南の耳朶に、マサラは教え込むようにさらに言葉を吹き込んだ。
「淫乱な雌王子様。雌鳥ちゃん。大好きなチンポをどうしたいって? おまんこが寂しいのかい? おっぱい、もっと苛められたいのかい? さ、もっ一回強請ってみな」
ぐりっと腰を突き上げて、笑いかける。
「ひぎぃっ!」
ぴんと指で弾いた亀頭がぶるりと震えて、淫液を吐き出したけれど。
「ここがいいのか? こっちより」
突き上げる膣がぎゅっと締め付けてきて、陶然とした風南がうっとりと頷いた。
「ああっ、チンポ……欲しい、です。チンポ、まんこに。まんこ、突いて」
「誰に?」
「淫乱な雌鳥 風南に……」
「何?」
「い、淫乱な雌鳥の風南のまんこに、いっぱいチンポくださ……い。おっぱいも吸ってぇ……、苛めてぇっ!」
「ああ、良いよ。かわいい雌鳥ちゃん。また卵が産まれるようにたっぷり種付けしてやるよ、そらっ!」
「ひ、やゃぁぁぁぁっ」
悲鳴とも嬌声ともつかぬ声は、マサラの居住区全体に響き続けた。
召使い達が風南の嬌声に口角を卑猥に歪ませる。
マサラが仕事に出て行けば、淫乱な雌鳥に次の仕事をさせなければならない。
朝日が昇って一時間、これから召使いの仕事は本格的になる。
居住区付きの警備兵の世話に、商人達の接待。
膣はマサラ王子のものだけど、王子はそれ以外は興味が無いから自由にして良いと言われている。
締め付けの良いアナルは特に巨根を誇る警備兵に大人気。喉の奥深くまで銜える口淫は、暇つぶしにはちょうど良い。腰振りダンスをしながら何度でも噴き出す射精ショーも、たらたらと溢れる美味しい乳の搾乳ショーも、お客様がたいそう悦ばれる。
搾乳された乳はお客様にもお出しするが、他の王子方にも進呈しなければ。
卵はもう一個は産ませよう。キスカ王子が所望されているのだ。
乳と愛液と淫液、そして男達の精液で全身をべたべたにしていたとしても、身を清める暇など与えられない。
風南の仕事は、日が暮れるまで決して途切れる事は無い。
【了】
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