【どしゃぶり注意報】  4

 どうしたらいい……。  葉崎は、目覚めた途端、ひどい後悔に襲われていた。  理性が昨夜の行為が異常だと訴えている。  忘れたいほどの昨夜の痴態を、脳は不思議と覚えている。  躰から流れる残滓もひりひりと焼け付くような痛 …

【どしゃぶり注意報】  3

「葉崎さん、大丈夫?」  宮城は目前で突っ伏していた葉崎を揺すった。  だが、ダウンしてしまった葉崎はちょっとやそっとでは目覚めそうになかった。 「3杯で駄目になるとはねえ……」  どうしよう。  ため息をつく。  店に …

【どしゃぶり注意報】  2

 再度彼から電話があったのは、金曜日の夕方、出荷のピークの時間だった。  友人から借りれた金と平日であまり金を使用しないからそんなに困っていなかったが、それでも連絡が来たことにほっとする。 「す、すみません。お待たせいた …

【どしゃぶり注意報】  1

 ひどく雨が降っていて、視界が悪い朝だった。 「何でこんな日に寝坊するんだ、オレは」  葉崎勇一は、ワイパーを使っても見づらい視界にぶつぶつと文句を言いながら車を運転していた。山間の道を通り抜ければすぐに会社なのだが、そ …