淫魔射的セット

淫魔射的セット

旧拍手お礼 2011/05/08
【淫魔−憂 新作撮影】の後の話

 新しいイベント用小道具の試験は、綱紀配下のモノ達に頼んだ。
 今度、憂の「お客様感謝祭」に利用するイベント用のものだ。
 彼らは鬼の系列とは言え、力は綱紀よりも格段に劣り関根と大差ない。ある意味、関根の同僚とも言える彼らが、関根に嫉妬しているのは知っている。
 世渡り上手な関根にしてみれば非常に判りやすく感じる敵意を、放っといても良かったけれど。
 その解消方法など簡単なことだと、今回の手伝いを頼んだ。これが通常の手伝いなら拒絶しただろうけれど、嫉妬の原因である憂が絡んでいるとなると話は別だ。
 彼らは、関根が憂を自由にできることに妬んでいるのだから。
 だから、彼らは今嬉々として手伝っている。
 新しい道具は、お祭りに使用する射的の屋台を模していた。
 空気鉄砲でコルクの弾を景品に向かって撃ち、倒れればその景品が貰えるというあれだ。
 今回用意した射的台も、ちゃんと祭りの暖簾がかかっており、奥には階段状の台があって様々な景品が乗っている。
 ただ、通常の射的台と違うところがあった。
 まず、景品が置かれた台が、普通の屋台より遠いこと。通常は1メートル強、あっても2メートル程度のそれが、近くて2メートル、一番遠い的は3メートル以上ある。
 また、景品はどれもが拡大した写真から切り出した人の顔だった。原寸大から半分以下と様々なサイズの顔写真は、ひ弱な棒の先に付けられていて、上の方を狙えば倒れるようになっていた。
 倒した顔写真によって、何が景品になるのかは横の壁に貼られている。
 当然、遠くて小さい的ほど、客にとって良いモノが当たるようになっていた。
 そして。
 通常の射的と大きく違うのが、鉄砲の形状だったのだ。
 今、一人の鬼が手順を見ながら準備を初めていた。
「まずは、射出口にチューブを突き刺す、と……」
 絵入りの説明書は、まず間違えないだろうと、関根はテキ屋よろしく中から様子を見ていた。
 鬼の手が、目の前にある口に傍らの細い透明チューブを突き刺した。ストローよりも細いが固めのチューブを刺すのは難しい。
 がしっと本体を握った途端、
「ひっ、ぎっ」
 その頭上から、悲鳴が零れた。だが、鬼はそんなことには頓着しない。
「ちっ、入りにくい」
 慣れない者には難しいが、特別に準備した材質で先端部を作っているため、内部はあまり傷つかないはずだ。もとより、通常より広げている穴だから、こつを掴めば難しい作業ではない。
 それでも鬼はぐりぐりとチューブを突き刺しながら揺すっていた。
「い、痛っ、やめっ、ぎっ」
 動かす度に、悲痛な呻きが零れてくる。
「関根〜、これ、難しいぜ」
「ああ、そうみたいだな。でもまあ、本番はそうんな事をやり慣れている連中ばっかだから、大丈夫だろう」
 誰か係の人間にやらせるのも手だが……。まあ、したい人間にはさせれば良いだろう。そういうのをやり尽くしている者にしてみれば、そう難しい作業ではないし、係がするのであれば、もっと外径の太いのを使うのも手だ。
 客は、苦痛の声の方を楽しむだろうから。
 鬼達も、文句を言いつつもニヤニヤと下卑た笑みを浮かべて、わざとひどく動かしているのが判る。
 ゆっくりと苦しむ姿を堪能しつつ、そのチューブがようやく印のところまで入った。
「次は、チューブが抜けないようにしっかりと持って」
「いいっ! ぎっ」
「こっちのポンプを三回程度奥まで押す」
 足下にある足踏み式のポンプは大きい。それを鬼の足が一気に押し込んだ。力のいるそのポンプを続けて三回、一息の間に踏み込めたのは、鬼だからだろう。通常の客ならば、もう少し時間はかかるだろうけれど。
「が、ぁぁぁぁっ!!」
 響き渡る悲鳴に、ガタガタと射的台が揺れる音が混じる。
 押したポンプは勢いそのままに空気を送り、チューブを介して白い液体を中に送り込んだ。
「あ、ぁぁぁ、あぁぁぁっ!」
 押したのは一気だが、悲鳴は長い。
 ポンプが送った空気分の体積は、タンクの中の液体を押し出すけれど、受け容れるチューブが細いからなかなか全てが送られないのだ。
 だから、非力の客がゆっくりと押しても、問題はなかった。どちらにせよ、空気は送られ液体は注入されるのだから。
 透明なチューブの中を通り抜ける液体は粘性があって、そのせいで小さな泡がいくつも混ざり、流れる様を見せつける。送りこむ量は300cc。粘性が高いから入るのに約2〜3分はかかる内容液によっては非常に泡立ち安いモノもあるから、泡立てば泡立つほど、実際の容量より嵩を増やしてくれるはずだ。。
 よりいっそうガタガタと射的台は揺れるけれど、丈夫に作ったそれが壊れる心配はしていなかった。
「ひ、ひぐっ……ぐっ……」
 粘度も主成分も全く違う液体を送り込まれた鉄砲もどきが苦痛の声を上げ、チューブを抜こうと蠢くが、それは鬼がしっかりと押さえていた。
「ブザーが鳴るのを待つ」
 全ての液体が送られれば、準備完了のブザーが鳴る。
 長いようでも、天井から吊された身体が苦痛に悶える様をじっくりと楽しめる時間だと思えば短いくらいだろう。
「それから、チューブを外して」
 再び、ぐいぐいとこねくり回しながらチューブを抜けば、ヒイヒイと喘ぐ声にボタボタと汗が鬼の頭に落ちてきていた。
「で、狙う」
 カウンターの上に乗っていた台座がくるりと回され、射出口が景品の方を向く。
「ひっ、……止めて……許して……くだ、い……」
 鉄砲が喋るのは止めさせた方が良いだろうか?
 けれど、この懇願を聞くのが楽しいという客もいるし。
 関根は、泣き言を繰り返す鉄砲役の憂を見つめた。
 両手は後ろ手に括られ、乳首を繰り出すように縄で拘束された身体は、屋台の暖簾部から下ろされた鎖によって繋がれている。その長さは、通常より低いカウンターの上で膝立ちになるよう調整され、股間は大きく開かされて下の台座に固定されていた。二つの乳首にはきついクリップが付けられて、下へと強く引っ張られている。そのために乳首は真っ赤に腫れ、伸ばされ変形していた。
 その引っ張る紐の先はペニスの亀頭部に取り付けたリングだ。その紐に支えられて、ペニスは常に前へと向けられていた。根元には射精防止の拘束具がしっかりと止められている。
 その鈴口がパクパクと喘いでいた。
 あのチューブはカテーテルで、そこを入れた鈴口が少し赤く腫れていた。あの液体が少し零れたせいだろう。
 膀胱に入った300ccの粘性を持つ液体は、本来ならば、膀胱に蓄えられてもすぐに出したい量ではない。だが、この液体は痒みや刺激を与える成分が混ぜられていた。そのせいで、憂は体内の内臓に走る違和感と熱に早く出したくて堪らなくなる仕組みとなっていた。
「じゃ、やりますか」
 鬼が嬉々として景品の方に向けた憂の背後に回る。
 その突き出す下腹部の衣服は緩められていて、そこからすでに先端を濡らした肉棒が隆々とそびえていた。
「や、やめて……おねが……もう──っ、ぁぁぁっ」
 がくんと憂の身体が大きく揺れた。
 ぶちゅぅっと吸引するような音が艶めかしく響く。
 鬼の腰の高さと憂のアナルの高さは同一だ。滑る淫魔のアナルは、大好物のペニスを喜び勇んで受け容れ、奥深くへと誘い込む。
 奥まで入ってしまえば、後は一気だ。
 尋常ならざる速度で鬼が激しく奥を穿つ。
 鬼の性欲は強い。待っている鬼達も、ぎらぎらとした目つきで犯される憂を見ている。
 試したいだけ試してくれ、と言っているから、3人を一巡すればまたやるだろう。
「ぎっ、あっ、ひっ、ぃ……くっ」
 激しい抽挿を受けながら、憂の全身が真っ赤に染まっていた。全身を濡らす汗は、決して冷や汗なんかではないことは関根はよく知っていた。
 身体を揺すられる度にペニスが踊り、乳首が引っ張られている。その痛みは相当なものだろうけれど、性器でしかない内部を抉られる刺激はそれを凌駕する。実際、その勃起は治まることはなかった。
 何より、一刻でも早く膀胱の中身を出したいのだろうけれど、関根より客の精液を受け、客が良いというまでは我慢するように言われている。
 それを破れば、今回のお試し中の場合は性欲の有り余った鬼達に、客達の場合は客全てに昼夜を問わず連続で貸し出すと言われれば、守るしかないだろう。
 鬼達が、そして高額の金でDVDを買い漁る客達が、どんな行為を強要するかは、もうすでに知っているのだから。
「あっ、ああっ、イイっ、そこぉっ」
 ガツガツとアナルを抉られて、憂の声が甘いものが混じる。きつく目を閉じて、眦に快感からの涙を浮かべながら、頭を振りたくる。じっとしていられないのか、くねくねと蠢く身体は、淫らなダンスに興じているようだ。ヒイヒイと泣きながら、突き出すペニスの先端から、たらりと粘液が流れ出していた。ぽたぽたっと糸を引いて振りまかれるそれは、膀胱に送り込んだ液体が零れたのもあるだろけれど、滲み出始めた先走りの液も混じっているのは間違いない。
 実際、部屋の中に漂う淫靡な匂いは、憂のアナルからわき出る媚薬以外にもその振りまかれた液からも発しているのだから。
 生き物の雄を狂わす淫魔のフェロモンは、少量でも十分効果がある。
 耐性の付いていない鬼を、淫欲に狂わせることなど簡単だ。
「うっ、くっ、あっ……くあ、あっ」
 鬼達のペニスを匂いでも育ててしまい、みっちりと埋め尽くされた肉筒の壁を激しく擦られて。昇天しそうな快感に、脳髄が疼き弾けて飛びそうだ。そのまま射精したい欲求はひどく強い。だが、射精防止の拘束具は憂の生理的動作を封じ込め、睾丸から尿道に向かう射精管を塞いでいるから、射精することはできない。
 ただ、鬼が射精するのを待つことしかできないのだ。
「い、良いぞっ、すっげぇ穴だ、さすが淫魔だっ」
 興奮する鬼の動きが速くなり、がんがんと突き上げる力が強くなった。その反動で憂の腰が揺れ、鈴口が弧を描いて上を向く。
「ひぁ、あぁぁ、イイっ、そこぉぉっ、あ、早っくっ、ううっ」
 射精はできなくても、憂の敏感な身体はドライで達きまくる。腰が揺らめくのは、ペニスが動く先に突いて欲しいところを持っていこうとしているのだ。快楽を貪欲に欲し始めた憂の身体は本人の意識など無視して、淫らに喘ぎ、求め、さらなる高みへと昇ろうとする。
「あ、だめっ、ぅっ」
 だが、今の憂は、純粋に快楽に浸ることなどできなかった。
 何しろ、関根からの命令がある。勝手に膀胱の中身を噴き出す訳にはいかないのだ。だから、オーガズムの衝撃に全身を痙攣させながらも、必死になって唇を噛み締めて意識を保っている。
「ひゃひゃっ、どうだ俺のマラはっ、すげぇだろうがっ」
 興奮した鬼の瞳が赤く染まっていた。本性を現したその鬼の指の爪が長く伸び、その手が憂のペニスを摘み上げた。鋭い爪が表皮に食い込み、傷つける。
「ひっ、いっ」
 薄く滲む血の色とその臭いが、鬼の興奮を呼び起こし、周りの鬼もその狂気を露わにしていって。
 抽挿が激しくなる。周りの鬼達が己の陰茎を取り出して、扱き始めた。
 待てないのだ。
 順番に使えると判っていても、
 だが、今やっている鬼にしても淫魔の極上の穴を使ってそうそう保つものでもない。
「お、おぉぉぉぉぉっ」
「あうっ、ううぅ」
 雄叫びと共に熱い汚濁がたっぷりと体内に注がれる。
 熱くて大量で、勢いの良い噴出に触れた肉壁が激しく収縮する。
 その締め付けを堪能しながら、もっと激しく突き上げて。
「よぉぉし、達けぇぇぇぇっ」
 ぐんっと激しく突き上げるのと、その命令は同時だった。


「いああぁぁぁぁぁ──────っ」
 それは、催眠状態で植え付けられた条件反射だと、憂は知らない。
 鬼が下した命令を脳が認識した途端、尿道は決壊し、膀胱は激しく収縮して中に蓄えていた粘液を放出した。
 それは、痛みを覚えるほどの激しいものであったけれど、憂は粘性の高い粘液が尿道を擦る刺激に、射精以上の快感を味わった。
 鬼のペニスを肉筒に銜え込んだまま、中空に視線を向け、茫然自失の体で噴出を続ける。
 入れるのに時間がかかった粘液は、出すだけなら1分もかからない。
 それでも射精よりは長いそれに、憂はよがり狂い、体内のペニスをきつくきつく締め付けた。
「す、げぇ、何だよ、この締め付けは……。中がぐにうにとうねっていやがる。なんか、吸い込まれそうだ」 硬直した身体とは裏腹に、肉筒は鬼の精に悦び、一滴たりとも逃さないと収縮しているのだ。
 さらに。
 敏感な粘膜を冒した液体に、尿道は激しい痒みをひき起こしていた。垂れた液体は肉棒までをも汚し、会陰まで辿って、ぽたりと台座に落ちていく。
「あっ、あっ、痒いっ、いっ」
 痒いペニスを擦りつけたくて、無意識のうちに腰をふりたくり、それがさらに鬼のペニスを嬲り勃起をうながして。
「お、おいっ、また」
「ちょお、待てや。一回ずつで交替やっていっとるだろうがっ」
「だってよ、こいつん中……すげぇ、これが淫魔か……」
「だからよけろっ」
 仲間に無理に交替させられ、チュポンとペニスが抜け落ちる。
 その刺激に、憂がまたびくびくと痙攣して、けれど、痒みが勝るのか再び腰を振り始めた。
「掻いて、痒いっ、おねがいっ」
「痒み成分を多くしたヤツだったようだね」
 どんな液体が入るのかは、誰も判らない。
 金と入れ替えに手に入れたタンクをポンプ横のノズルに突き刺すのだが、そのタンクには何も書かれていないからだ。
「でも、この程度ならまだ中程度かな。もっと痒くなるヤツだったら、今頃鈴口が真っ赤に腫れ上がって、簡単には吹き出せなくなっているだろうから」
 酸性の強いヤツなら痛くて堪らないだろうし、小さな粒をたくさんいれたヤツなら、その刺激はもっと激しいだろう。
 運任せのこれも楽しめると判って、関根はにこりと微笑み、噴出した先を確認した。
「残念、一番下のここだけだね、倒れたのは」
 粘性の高い液体は、以外にもあまり飛ばないようで、一番近いところばかりが倒れるようだ。
 その小さな写真は、父親のものだった。
 お試し期間の末等の景品は、憂の口だけ奉仕 一時間チケットだ。二等ならアナル奉仕一時間。一等なら全身での奉仕二時間。そして、特等の一番遠い母親の原寸大顔写真であれば、一晩自由に使えるチケットとなる。
 ただし、何回やっても良いが貰えるのは一番良い一つだけという制限はしている。
 もっともいずれはコツを掴んで誰かが手に入れるであろう特等の景品は、それはそれでその光景をビデオに撮るのだから問題ない。
 それよりも、数が多い客達用の景品に、そんなチケットを出せばいつまで経っても順番が来ないと文句を言われるだろうから。
 さて、どんなモノが良いだろうか……と関根は、思案して。
「末等と二等は、せいぜいが淫具とか……だろうなあ。一等くらいから憂の奉仕チケット……だが、人数制限がいるし。で、特等は……」
 視線先で次なる液体を入れられてヒイヒイと泣き喚く憂の尻に、再びずぽりとグロテスクなペニスが突き刺さった。
 途端に始まる抽挿に、憂が嬌声とともに踊り始める。
「……俺だったら、憂とデートとしたいな」
 ふと思いついた事を口にして。
 ニヤリとその口元を綻ばせた。
「ふふっ、オーソドックスだが……意外といけるかもな」
 憂を一日外に連れ出すことができる、それが景品。
 どこに連れて行こうと自由。その間、憂に何をさせようとも自由。
 ただし、外だ。
 車の中であっても、電車や飛行機の中であっても良いが、必ず外。しかも、個室はダメだ。必ず人目に触れる場所へ連れ出すことが条件だ。
 ただし、うち三時間は、中でも良いことにしよう。
 それが一日のうちのいつでも良い。
 三時間あれば、どんな遅漏でも遊べるだろうし。
「憂は外だとよけいに興奮するからな」
 きっと素晴らしい反応を見せてくれるだろうから。
 そういうのが大好きでテクを持った客が取ってくれれば良いのだけど。
 思いついた案をさっそく綱紀に教えようと、屋台から出て行く。もっとも、綱紀がこの案を却下しないだろうことは、容易に想像できていた。
 背後では二回目の射的が終わり、次の鬼へと変わろうとしているところで。
「おい、しばらく離れるが、壊すなよ」
「もちろんっ。そんな壊すなんてもったいない」
 壊さずに、長く楽しむつもりが満々の鬼達に手を挙げて、関根はその場を後にした。

【了】