【皇太子殿下の優雅な休憩】1

【皇太子殿下の優雅な休憩】1

【皇太子殿下の優雅な休憩】
   【公爵様の優雅な遊戯】のスピンオフで、皇太子×白薔薇の君
 奴隷、淫具、破瓜、拘束


※なれそめ

 美しいというよりは可愛い、豪華絢爛な大輪の薔薇よりは、可憐な小さな薔薇の花のようだと、この奴隷を初めて見たとき私が抱いた印象はそれだ。砂色の髪は肩下まであり、軽く結わえている。明るい表情の中で、特徴的な煉瓦色の瞳が人の目を引きつける。
 あの色合いは、あの男爵家のものだと誰もが気付く色の組み合わせだ。
 そのときは奴隷ではなかったが、あのとき確かに奴隷にするとおもしろそうだと思ったことを思い出す。
 あれから三年は経ち、成長して青年の仲間入りをした彼は、ある宴に親子で参加しており、その大人びた顔立ちを見せてくれた。だが、やはりあの頃の印象は拭い切れていない。娘共からは白薔薇の君などと称されているが、なるほど、言い得て妙というところか。青薔薇の君と呼ばれた彼の兄は、確か空色の騎士服のマントがあまりにも似合っていたというところからつけられたはずだが、白薔薇は彼の可憐さそのものからだろう。
 兄である男爵家嫡男のほうは公爵殿が魅入っておられたが、やはり私の好みは白薔薇の君。
 成長しても私より小さい――まあこれは、大抵のものがそうなのだが、可愛い存在に、私は思わず「欲しい」と呟いた始末。
 あれは確か公爵殿と共にいたときだったか。
 それから一年以上経って、新しい奴隷だと私の元に引きずり出されたときの、あのときの歓喜は過去最高だったと今でも思う。あれからずっと精神の高揚はいまだに衰えておらぬほどだ。
 そう、この奴隷は、大切に可能な限り長く使ってやろう、と思うほどに。
 何より彼は無垢であって、その全てを私の手で染め上げることができたという喜びが、さらに拍車をかける。
 とにかく私は、この奴隷に関しては、できるだけ優しくしようと気をつけている日々。
 何しろ私は少々激昂しやすい性格なので、それで何度奴隷に折檻しすぎて壊してしまったことか。
 だが今は侍従に教えを請うて、壊さない限度というものをしっかりと覚えたところ。
 奴隷は愚かで逆らうものだ、と言われて、確かにと頷き、躾や罰は限界ぎりぎりを見極めることができるほど主として格が上で、だからこそ奴隷が従いやすいとか。
 確かに我が父や公爵殿などは、その辺りがたいそううまい。
 だからこそ、奴隷印の痕も生々しく腫らし、怯えて泣き喚く奴隷は少々うるさいが、それでもできるだけ優しくしてやろうと、処女地の破瓜は慎重に行ってやったほど。
 だがそれでも、あれは最高の出来事だった。
 ああ、今思い出してもあの瞬間は忘れられない。
 初めては記念すべきものだからと、私のそびえ立つ逸物に自ら尻を落とさせてやったあのとき。小さく堅い蕾が、あれの拳ほどもある私のモノをぷつりと咥え込んだあの瞬間。
 耳につんざく歓喜の声を上げた後、我が腰に尻を落とした後は白目を剥いたまま動けなくなっていたが、その身体はずっと小刻みに痙攣しており、私のモノを大切に包み込んでいた。
 奴隷の身体を支えていた侍従共が、その肩に置いていた手を外し、拍手をして祝いの言葉を述べており、私もそのきつい締め付けに感無量のままに頷いた。奴隷は感無量故かそのまましばらく動かなかったが、私が腰を揺らした途端、ますますきつく締め付けながら啼き始めた。
 私のモノを相当気に入ってくれたらしい。
 可愛い奴隷の可憐な陰茎は、その間ずっと随喜の涙のように迸り続けていたのだから。
 少し高めの声も、やはり小鳥のさえずりのように聞き心地が良く、どこまで甲高く啼けるのかいつも試してみたくなるほど。
「声を出すことを許すぞ、存分に啼くがよい」
 背後から抱え込みながら顎をつかんで固定して、耳朶を舐めながら囁けば、愛らしい声が木々にこだまする。
 だが狭い穴は、私のモノには少々きつすぎるのが難点か。
「きついな、もう少し緩めてみろ」
 何度もそう命令するが、奴隷のくせにいやいやと首を振りながら拒絶するのはどうしたものか。
 背後から抱え上げて突き刺してやるだけで気をやるような淫乱で、深く穿ってやると力なく伸びた両脚をびくびくと痙攣させ、私の腕を爪が立つほどにつかむ。痛いからやめよと言ってもやまぬので、しょうがないと乳首をひねってやった。
「ひぎぃぃっ、ち、ちぎれ――っ、ぎぃぃっ」
 失礼な、きちんと加減はしておるわ。この辺りまでは大丈夫だと、きちんと侍従から習っておる故に。
 つまみ、ひねり、つぶし。
 伸ばしてみれば結構よく伸びるので、もう少しいきそうか。
「い、痛ぁぁっ、ああっ、やめっ、やめてぇぇぇっ!」
 ん? ああ、これ以上は無理か。なるほど、ここまでは伸びるということか。
 あとは。
「そういえば、先日準備を命じたあれは?」
 侍従に問えば、差し出された黄金製の小さな飾り。ぶら下がるのは私の紋章が透かし彫りされたもの。
 抱え込んだ身体の前にそれを示し。
「私の専用奴隷の証をやろう。光栄に思え」
 指先でつまんだ細く小さな針を伸ばしきった乳首の根元に一気に刺す。
「えっ……ぎゃぁぁぁぁぁっ!!!!」
 涙が似合う顔が一瞬呆けたように目を開き、次の瞬間、少々耳が痛くなるほどの絶叫を上げた。
「おお、おおっ、良い締め付けよ」
 私の陰茎全体が締め付けられ、絞り上げられる。たまらず込み上げる衝動に、一日ため込んでいた体液を放出する。
「ああ……」
 この至福のとき。
 しかも、いつもより断然こいつの身体は良い。
「やはりおまえはこれを授かるに値するな」
 これを着けた奴隷を、間違って使う者などおらぬ。私の逆鱗であるという印であるのだ。
「もう一つ」
 右が済めば左。
「い、いやっ、やめ、やめてっ、あぁっ」
 喜びにいてもたってもいられないのか、暴れる奴隷の身体を左手で抱え込み、足でその細い身体を挟み込み、狙い違わぬように刺し貫く。
「――っ!!!!」
 愛おしい奴隷に、私の印が付くのはたいそう好ましいことだ。
 再び拍手と言葉で祝いを紡ぐ侍従共に、私は金貨をめぐんでやった。

※一ヶ月後

 私の奴隷への愛は変わらない。
 あれから一カ月ばかり経ってはいるが、忙しい皇太子業務の合間にできるだけ顔を見せにきている。
 ただやはり時間が連続して取れないことが原因か、我が奴隷の躾はどうにも進みが遅い。
 命令には従うが、それが遅くて私を苛つかせることもある。
 侍従には、気を長く寛容に接してほしいと言われているが、いかんせん生来の短気な部分が出てしまうのだ。それが爆発してしまうと我を忘れてしまうことがあるので、確かに注意が必要。あれを壊したいわけではないのは確かなのだ。
 その件を公爵殿に相談したならば、彼の奴隷の調教を見させてもらうことになった。
 奴隷は、春の宴で見かけたときは痩せて不健康な感じであったが、どうやら公爵殿に大切にされて元のような筋肉を取り戻し、騎士然とした逞しくも毅然とした姿に戻っていた。それが公爵の手技に触れた途端甘く蕩けて、これがあの淑女達を虜にしていた青薔薇の君かと目を疑うほどに、卑猥な身体を晒して公爵に狂わされていたのだ。あの冷酷な公爵殿が甘く蕩けるような笑みを見せているのは私も驚いたが、だが同時に些細な失敗は即座に厳しい罰を与え、無意味な謝罪は許さず心身共に反省するまで容赦はしない。
 なるほど、私は少々手ぬるいのかもしれぬ。
 愛でるところは愛で、厳しくするべきときは厳しく。
 さて、どのようにすれば良いのか、私はそれからしばらく執務の間にも考えているが、やはりなかなか難しいものだ。
 しかし、父から受け継いだ仕事は重要で、適当なことをしていては終わりは見えない。
 今は集中して、と、とりあえずの山を越えるまで頑張っていたのだが。


 どうにか本日はめどが付きそうだと安堵した矢先、辣腕振り故に私を含め周辺の者どもに能面悪鬼と恐れられている公爵殿――今は宰相と呼ぶべきか――彼が上機嫌で私の元まで書類の山を持ってきたのだ。いつもは配下の者だけが運んでくる山だが、宰相がわざわざ付いてくるのは非常に珍しい。
 これは何かやらかしてしまったかと内心では焦ったが、背後で山を抱えて控えている者に視線をやった途端に気がついた。
「何をしてるのですかね、宰相殿は」
「新しい部下に仕事を教えているだけでございますよ」
 宰相があごをしゃくるだけで、奴隷兼部下の口元がきゅっと引き締まった。
 砂色の髪が揺れるほどに身体を揺らしながらぎこちなく歩を進め、私の机にその山を置く。それだけでなく、額に汗を浮かべ、頬は上気して赤く、吐く息はどこか艶めかしい。近づいたときに香った隠微な匂いに、不自然に揺れる腰。書類から離れた手は震え、すぐにきつく握りしめられて、絶え入るように全身を震わせていた。
 奴隷は通常このような公の場に出せないものだが、この彼は、『領地と爵位を皇家へ返却し、その際に世話になった公爵に仕えることになった』と、世間一般には伝えられている。
 奴隷印もうなじにあるために、誰も彼が奴隷であると思わないだろう。
 だが。
 宰相の視線が彼にまとわりつく。それだけで、彼は大きく喘ぎ、喉を鳴らして縋る視線を宰相に向けた。腰がうずうずとうごめき、明らかに欲を孕んだ瞳を見れば、どれだけ発情しているか、我が奴隷も似たような反応を示すからよく分かる。
「ずいぶんと淫乱に育っているようだな」
「淫乱すぎて服を着ているのも辛いようではありますな」
 宰相の声音が低くなる。
「だが、仕事中の発情など許した覚えはありませぬ」
 途端に彼の身体がびくりと跳ねて表情が強張り、視線を落とす。
「それだけではないだろう?」
「そうですね、発情を促す薬を塗った淫具を尻に嵌めたまま、誰にも気付かれずに仕事を一時間こなしたら奴隷から解放すると約束しておりまして」
「ほお」
 それはずいぶんと甘い条件だと思わず声を上げたが、この状況を見る限りそのような条件でもこなしきれていないことは一目で分かる。
 どうやらずいぶんと淫乱な質らしい。
「普段は公爵家の屋敷で飼っているのか?」
「それがこれの仕事であります故に。ただときどきはこうやって人の目にさらしませんと、成長はいたしませんので」
 なんの成長だと揶揄するのはたやすいが、それよりも私の頭の中に占めるのは、自由に外に連れ出せない私の可愛い奴隷のこと。奴隷印も露わなあの奴隷は外に出せば大問題になってしまう。なるほど、うなじにとはいい案だったと今さらながら惜しくは思ったが。
 だが、やはり私の奴隷は目立つところにつけるからこそ楽しめる。
「行きますよ」
 宰相と共に退出しようとした彼が、身体をひねった途端に艶めかしい声を上げ、壁に縋るように手を突いた。全身ががくがくと痙攣し、天井を見上げたその瞳は赤く虚ろ。
 ため息をこぼす宰相であったが、能面悪鬼はどこへ行ったのかと思うほどに、その態度は明らかに上機嫌だ。どこからともなく取り出した乗馬鞭が翻り、いまだ壁際で崩れている彼の背や肩を容赦なく叩く。
「あ、あぁっ、お、お許しを、痛ぃっ……くぅっ、ぁぁっ」
 喉から迸るのは甘い声ばかりで、どうやら痛みもいいらしい。眉根を寄せて涙を流す彼の視線は、男を捕らえんとしているのか非常に艶めかしいものだ。淫乱というより、娼婦というか淫魔というか。助けてくれと媚びるような視線があざとく、これは罰を与えて正解か。
 だが、防音が効いている部屋とはいえ甘い悲鳴が外に漏れたら、私の評判に関わること。
 すぐさま退出を命ずると、申し訳なさそうな謝罪とは裏腹に、宰相は喜々として彼を引きずりながら出ていった。
「だがどうやって戻るつもりだ?」
 腰が立っていない奴隷を連れてと、ふと浮かんだ疑問は、しばらくして入ってきた召使いの話で解消した。
『宰相閣下が、気分が悪くなった部下を両腕に抱えて運びそのまま彼を家へと送っていった、とのことで、笑っている宰相閣下の姿に天変地異でも起こるのではと言われております』
「……そうか」
 これは煽られてしまったかと、私は後宮へと思いを馳せた。私の可愛い奴隷があそこで待っているというのに、私は何をしているのだろうか。
「これだけを昼までに終わらせば、午後は休みにできるか?」
 私の補佐をする有能な部下に問いかければ、わずかに逡巡した彼は頷いた。
「二時間ほどであれば夕方の会議に間に合いますでしょうか。しかしながら、そのために根を詰められることなどなされないように」
 満足いく言葉に私も頷く。もとより遊びのために無理をするなど愚か者がすることであり、私が本気になればこの程度の量は造作もないことなのだから。


 専用奴隷は後宮の私の館の一室で飼うことにしているのだが、昼間は庭先で遊ばせている。もちろんただ遊ばせるだけでなく、奴隷としての教育も欠かさず行っている。
 そこへと寄ってみれば、ひろびろとした庭先で椅子に座った状態で四肢を拘束された奴隷が、尻を突き出した格好で侍従により尻穴に淫具を差し込まれるところであった。
 見れば先日のモノよりは太いモノで、そろそろ指定した限度のものか。
 あの締め付け感を失ってはたまらぬので、淫具の最大サイズは指定している。まあ一般男性よりは大きいが、私のモノよりははるかに小さいそれをミシミシと身体の奥へと銜え込み、奴隷はあへあへと顔を歪ませて、動けぬ身体を揺らしていた。
「久しいな、白薔薇」
 奴隷には名前などないが、たまに他の奴隷で遊ぶこともあるので、専用のこれはそう呼んでいる。もっともその名を呼ぶこともそうないが。
「あ……あぁ……ご主人、さま……っ、ひぐっ、くるっ……も、もう、許し、てぇ」
「そのような小さなモノでは淫乱な身体には辛かったろう。だがしばし待て。私はもう少し仕事をせねばならぬ」
「ひ、ひゃあぁぁっ、痛っ、そこ、まだぁぁぁ、痛いのぉ、ひぐぅっ」
 飾りの固定具ごと乳首をつまんでやれば、心地良い声が遠くまで響く。
「痛ぁ、あぁ、お、ゆるしを……手を、手をっ」
 自国の皇太子に対してねだるなど不敬でしかないが、今日の私は、罰を後回しにしてやるほどに機嫌が良い。
「手? ああ、こちらのほうが良いか」
「ひぐぅっ」
 腹の上で糸巻き肉のように革帯の隙間から膨れ上がった陰茎をつかんでやれば、舌を出してぶざまに喘ぐ。
「そのような声を聞きたいわけではない。はよう、啼け」
 すでに濡れそぼりぬめる股間を揉みしだきながら、尻に入れた淫具を膝で押し上げてやる。
「ひ、ひゃぁっ、あっ、ひゃっ、そ、こ、はっ、ぐ、ひゅ、いぎ――っ」
 数度押し上げるだけで、私の手のひらが熱く白く濡れていく。
 同時に、絶頂のたびに浮かび上がる我が奴隷印。
 頬を彩る鮮やかな薄桃色は、発現するたびに色濃くなり、鮮やかな朱を晒す。
 一度朱に染まれば一昼夜はそのままで、奴隷がどれだけ満足したか良い指標となる代物だ。私は数ある奴隷印の中でもこの印が好きなのでいつもこの印をいれさせるが、おかげで、この奴隷印は私のモノと言われており、他にこの奴隷印がある奴隷は私のお下がりだと周知されてしまっている。それはそれで人気らしく、奴隷監督署の貸与予約は宴への貸出用としていつもいっぱいらしい。
 まああれらはとにかく手のつけられないほどに淫乱であったから、遊ぶ奴隷としては良いのだろうが。
「これで漏らすか。締め付けが足りぬのか」
 試しに淫具をぐりぐりとさらに動かしてみると。
「や、まだ、まだ、押さないでぇっ、イッてりゅぅっ、ひあぁっ、あがあっ、イくぅ、まちゃ、でちゃりゅっ」
 ぐりぐりと淫具で抉り、乳首を引っ張り、陰茎を揉みしだくだけで、またイく淫乱な奴隷。射精自体はわずかだが、何度も空イキしては、まだ欲しがる。
 若いというだけでなく、この奴隷はやはり淫乱な質なのだろう。
 このような淫乱なれば、私に飼われたということは幸いだったろう。
 しばらくそうやって遊んでいると、侍従が新しい革帯を持ってきた。
 先日公爵殿よりいただいた新しい革帯は、五連がつながり、確実に全体を締め付ける優れものとのことだ。
「粗相の多い奴隷にはうってつけとのことよ。公爵殿の奴隷はこれをしてから、ずいぶんと利きわけが良くなったらしいぞ」
「あ、ああ……お許しを……お許しくださいませ……」
 可愛らしく哀願してくるが、奴隷の躾は厳しくすることにしたのだ。
「外すのは、私が許可したときだけだ。我慢を覚えろ」
「ひぐっ、そんな……、出したい、まだ、少ししか……、ひぐ、締まるぅ……ああっ」
 まあ、液だまりもできないほどの粗相ではあるが、粗相は粗相。 
 しっかりと締め付けてやれば、押し出されるように先端にぶくりと雫が溢れ出ていた。それを指ですくい、奴隷の口の中にいれる。
「んっ」
「……」
 舌を絡めてぺちゃぺちゃと音を立てて舐める姿は、目眩がするほどに愛らしい。
 下腹部を直撃するとはこういうことかと、私は侍従を呼んだ。
「先にこれと遊ぶことにした」
「御意」
 即座に椅子から外される身体。太く長い淫具が勢いよく抜き出され、間抜けな音と共に、奴隷の嬌声が辺り一面に響き渡る。
 椅子にもたれかかるように喘ぐ奴隷は、おあつらえ向きに尻がこちらに向いている。
 私は即座にズボンの前を緩めると、誘っている穴を一気に貫いた。
「びきぃぃぃぃ――っ!!」
 やはりこの穴は、一気に貫くのが一番いい。
 奴隷もそうなのだろう、歓喜に暴れる身体を椅子の座面に押さえつけ、小さな尻をつかみ、腰を落ち着ける。
 ぶつんと先端が奥の門を通り抜け、すっぽりと全部が収まったのはすぐだった。
「ほお……」
 身体の奥から込み上げる悦楽。
 なんとも言えぬ快感に、声が勝手に漏れる。
 私の長大なモノを全て咥えられるとは、本当にこの奴隷は私のためにあるようなもの。
 背後から手を回し、力を失った身体を抱き寄せれば、頭を私の胸に預け、安堵したように弛緩する。
 うつろな瞳から流れる涙を舐めとり、可愛らしい形の耳たぶにかみ痕を残した。
 腹に手をやれば、そこにある私の存在を感じ、なんとも言えぬ多幸感に身体を振るわせる。
 さらにその下、先ほどの革帯はしっかりと役目を果たし、一滴も零していない。その後ろで重たげな陰囊が可愛く揺れていた。
 弛緩しているが、形の良い爪先がもがくように緑を乱す。奴隷の後孔はみっちりと埋め尽くしてはいるが、押し込んだ拍子に溢れた香油や体液が、その足を汚し、地面まで落ちていく。
「おまえも好きな背面座位でしばし遊んでやろう」
 正直に言えば、私も大好きな体位の一つ。
 背面騎乗位から座位に至り、奴隷の全身を包み込みながら腰を突き上げてやれば、奴隷が善い声で啼き続けてくれる。なかなかに体力がいる行為であり、父たる皇王などは、その格好はもう無理だと苦笑しておられたが。
 だがその数日前に、ずいぶんと長くその格好で楽しまれている姿を見ているので、どの口が言うと思わず苦笑を浮かべた。
 うなじをかみながら乳首をいじり、突き上げてやれば、奴隷の陰茎が激しく暴れ回るが、腹や足を叩く音がまた良いのだ。
 ただ庭先では寝具の弾性が利用できないので、上下運動はそれほどでもないのだが、それでも奴隷は十分に喜んでいる。
 また背面からだと、愛らしい奴隷の姿を皆にさらしやすい。背面立位は特にそうだ。
 厭らしく膨れ上がった乳首も、勃起して肉を盛り上げている陰茎も、上気した肌、私がつけた様々な痕、何よりくっきりと浮かび上がる奴隷印、それら全てをつぶさに見てもらえる。
 ああそうだ。
 私は貫いたまま立ち上がった。
「ひぐっ、あうっ」
「歩け」
 腰を突き出せば、押されてよろよろと歩き出す奴隷。
 今にも崩れ落ちそうな身体を支え、向かったのは程よい高さに枝がある木。
 そこは後宮の共有の庭に面しており、昼の今、召使いや侍従、この区域に住む者達が行き来している。外の街よりははるかに少ないが、まあ私のような存在が後腐れなく遊べる場所ではあるので、仕方がない。
 噂では裏町のとある娼館では、性交を見世物にしているところがあると聞く。ぜひ行ってみたいものだが、なかなかその機会がないのが残念だ。
 ようやく辿り着いたとき、奴隷はこの距離でゼイゼイと肩を揺らしており、これは少し体力をつけさせたほうがいいかと思案はしたが。
「枝につかまれ」
 そうすれば倒れないだろうと枝につかまらせれば、前よりは安定して、より深くを抉れた。同時に視界が広がり、辺りの景色がよく目に入る。
 今は昼餉の後ということで片付けなどをしているのか、お仕着せを着た召使い達があちこちにいる。
「ほら、啼け」
「んぐ、ああ――っ」
 ちょっと突いてやればいい声が響き、召使い達の視線が一斉に集まった。
「ほら、皆におまえの愛らしい姿をたっぷりと見せるのだ」
「え、あ、いやっ、そんなぁぁっ」
「はは、締まるな。やはりおまえは見られたほうが感じる淫乱なのだ」
「ひぐ、おっき、ああっ、また大きくぅぅっ」
 私自身も、奴隷の痴態に興奮したせいか、逸物が大きくなったようだ。
「おお、いいぞ、いい」
「ひぐっ、深いっ、ああっ!」
「そうだ、しっかり奥まで咥えて、尻穴だけでイけ。淫乱な奴隷は、もう二度と男の証でイくことは禁じる。そうだ、メスのように中でイキまくれっ」
「い、いやっ、それだけは、それだぁぁぁ、だめぇ、あ、あちゅひぅ、あ、ああっ、イくぅ、いや、中、だめぇ、イぐ、イ、ひゃぁぁ――っ!」
 そのほうが好きなくせに、わざと抗い、ねだるのだから質が悪い淫乱よ。
 だがその姿が愛らしいのも確か。
 がくがくと激しく痙攣し、口角から舌を垂らした奴隷は、白目をむいて絶頂する。その身体を休むことなく穿てば連続絶頂へと簡単に陥り、そのたびに襲われる締め付けは私に妙なる快感をもたらし、身震いしながら奴隷の中に射精する。
「褒美だ、しっかりと飲め」
「ひあ、なかぁ、いっぱい、たくさ、ん……あああ、待ってぇ、まだぁ」
 注げば注ぐほど多幸感が強くなる。
 これは過去どんな奴隷でも味わったことはない。この奴隷を犯すことによって、私はいつも強い幸せを感じるのだ。すばらしいモノを手に入れた喜び、私はこれが欲しかったのだと、幼子のように喜んで、その幸いに歓喜する。
 背後から抱きしめれば、大きく息を吐き汗ばむ身体から立ちこめる奴隷の匂いすら、心地良く感じる。
 これは私のモノ、私だけのモノ。
 自身の中にあらかじめ指定されていたモノがようやく手に入ったのだと、本能が喜んでいる。
 すっかり吐き出してしまった私の身体が震え、だがすぐに込み上げてきた欲に動き出す。一度は鎮まったはずの身体が再び熱をはらみ、妙なる快感の渦へと身を放り出す。
 こんなものではまだ足らない。
 別の奴隷を相手にしたときとは違う、欲を解消するのではなく、もっとすばらしい欲を探すために奴隷の身体にのめり込んでいく。
「ひぁぁぁ――、らめぇぇ、まらぁ、いい、よすぎれぇ……あ、ああ、おきゅう、おきゅがぁぁっ」
 私のモノを奥深くまで受け入れて、奴隷はイキ狂いながら善がり続けていた。