【姫初め】

【姫初め】

 ゆく年くる年の番組を見ながら、シイコの全身を舐めしゃぶって、焦らしに焦らした挙げ句に年の変わる零時の時報とともに突っ込んで。
 勢い良く前立腺を突き上げてやったら、時報の余韻が鳴り止む前に、見事なトコロテン噴射を見せてくれた。
 そんな可愛い奴隷のシイコをたっぷりと堪能しつつ、俺も最高の姫初めを行えて大満足と言ったところ。
 今は、さすがにちょっと休憩してて、暇つぶしに何気なく問い掛けてみた返事が。
「お年玉? 今年までは貰えるみたいだけど」
 さも当然とばかりに答えるシイコが、ちょっとばかり羨ましく思うのは、さすがに大人気ないかもしれないけれど。それでも、趣味にけっこう金がかかるから、つい。
「分けろ」
 と、言いかけた言葉を飲みこんだのは、シイコが続けた言葉のせいだった。
「でも、俺が貰うの親父からだけだから、5千円だけなんですよね」
「え?」
 昨今の子供は、万単位でもらうんじゃねえのか?
 この時期のニュースでよく話題になるお年玉の総額とかけ離れた金額に驚く。と、同時に。
「親父だけ?」
 シイコが「テル」以外の呼び方をする違和感もあったけれど、だけ、と言うことにも驚く。
「ん、俺ん所、爺さんが生きてっ頃でも、くれるの爺さんと親父だけだったし、小学校ん時に死んでからは親父だけ。親戚付き合いってのが無くて」
 そういや離婚してるから、それで無くても少ないの判るが。
「それって、何で? テルには兄妹とかいねえのか?」
「あ? いなかったよ。小さい頃は、友達が羨ましかったけどさ。まあ、親父も仕事と家事と俺を育てるだけで大変で、貰えるだけで十分だったし。なんせ贅沢できない暮らしだったから」
 どうやら、けっこう孤独っぽい状況だったようだけど、本人にとってはそれが普通なんで、今更の話らしい。ケロッとして、こっちが不審そうにしていることの方を気にしてる。
 今年でもう最後か? とぼやくシイコは4月からは大学生。金のかかる学費を気にして選んだ学校は、優秀学生は学費免除がある大学。頭の良さが判る大学へ推薦入試で合格した時に、4人で輪姦パーティーをして、一晩中祝った。そんな時シイコは、テルをガツガツと貪って虐めてばかりだったから。
「なあ、お前にとって親父ってどういう存在?」
 最近ちょっと気になってたことを聞いてみる。
 テルを犯して悦ぶシイコを見ている限りでは、とても親と思っているように見えないけど。家計を気にしたり、家事をしたり。セックスが絡まなかったら、けっこう優しいところを見せたりもしてる。
「親父? 頑張ってるよなあ。仕事もさ、学歴ないからなかなか上に上がらなくて大変みたい。でもさ、何か行事がある時はできるだけ来てくれたから、小学校の時には、もうそれだけで嬉しくて。それに、外見が若くて格好良いってみんな言うからさ、俺の自慢だったんだ」
 嬉しそうに、楽しそうに、そして誇らしげに。
 俺なんか親父なんてうざったいだけだったけど、シイコにとっては大切な存在なんだっていうことが、ひしひしと伝わって来た。
 まあ聞かなくても、普段のシイコは、親父を気遣うことのできる優しさを持っていることは感じてた。
 そこに、確かな愛情なんてのも感じてしまい、ちょっとばかりムカついたりして。
「ひやっ!」
 滑らかな臀部の狭間に指を這わせれば、可愛い声を上げて身を捩る。
「その親父の尻が大好きなヤツのセリフとも思えんが?」
「あ…ぁん」
 簡単に指を飲み込むアナルが、濡れた音をたてた。
「ん! あっ! やあぁ」
たっぷりと注いだザーメンをまとわりつかせ、音が立つほどにかき混ぜれば、面白いように身を捩りながら、嬉しそうに鳴きまくってる。
「この前もテルのケツマンコをタップリとオモチャで抉り回して、悶絶地獄を味合わせたじゃあねえか」
 グチャグチャの穴は、俺の調教の賜と言うよりは、天生の素質ってヤツだ。シイコの尻はさっき犯ったことを除いても、ちょっとの刺激でグチャグチャのズルズルと音を立て、旨そうに何でも喰らいつく。
「あぁッーー、だってぇ、テルってスッゴい色っぽいし、あくう、なんか、なんかぁっ……苛めたくなるんだ、ぁあ」
 まあ、それは言えるよな。
 シイコも店長もテルの泣く寸前で堪えているような表情が、一番クルって言ってるし。
「親父を犯して、自分のザーメン飲まして、開発しまくって、大した息子だな」 
「だって、だって、よがってるテルって、奴隷にしか見えないん、から……、ああ、テルって呼んでる時は、奴隷扱いで良いんだって。だってぇ、テルなんだから」
 はあ?
「てえことは、テルって呼ぶ時は奴隷扱いってことか?」
「ん、親父は奴隷じゃないよ。けど、テルは奴隷だから、躾なきゃダメだろ」
 そう言って、俺を見る瞳に見えるのは、確かに俺と同じ色だ。
「そんなのも……有りか?」
 どうやらシイコは、テルと呼ぶ時は奴隷扱いすると、完全に区別しているようだった。まあ、何ちゅう理論だと思わないでもないが、それでも、こっちも楽しいから良いけどな。
 けれど、テルはそんなこと考えられないだろうからなあ、シイコに犯されると、マジ辛そうで──また、こっちの嗜虐心を煽ってくれるわけで。
 全く、良い奴隷達だよなあ、こいつら。この2人を手に入れてからと言うのも、人生が楽しくて、たまんねー。
 ケツマンコに指挿れられて、おんなじような嬌声を上げるところは、テルとシイコは血の繋がりがあるなって思うけど。
 犯している最中の声を聞いてるだけで、俺達のチンポがギンギンにたぎって来るぐらいだし。それに、腰をグネグネ躍らせて誘う様も2人揃って最高に愉しいし。
 けど、シイコは屋外プレイも大好きなM気質の奴隷であると同時に、奴隷を苛めるのが大好きっていう、S気質なところもあって。
 まあ、かなりお仲間に近い奴隷ってことだ。しかも、けっこう使い勝手の良い便利な奴隷だったりする。
 だが、今頃店長に犯しまくられてるだろうテルは、あれは完全に奴隷でしかない。
「今頃、テルはどうしてっかなあ?」
「え、あふぅ、……テルねえ、テンチョが初詣連れてくって言ってたぁああ」
「初詣ぇ? あの店長がぁ」
 その辺の土地神様の行事参加要請に、いっつも文句タラタラの不信心なあいつが?
「絵馬にさ、テル、ん、もっとエロくなる、んあぁ、書いてぇ奉納するんだってぇ」
「はあ、絵馬ねえ」
 いや、テルは結構エロいとは思うが……。つうか、神頼みに走るなんてらしくねえ。
 と、思ってたら。
「ぁ、ね、絵馬の文字、ね、テルが、書いたんだよお、も、すっげーエロな内容でえ、あっ、くふ」
 淫具で犯されながら、達きたいなら、それを書けって。
 淫汁まみれの手で書いたそれは、18禁ポルノ小説なんか目じゃ無いほどに卑猥な言葉のオンパレードらしい。
 全く、店長も鬼畜だよなあ。シイコと違って、テルは衆人プレイが苦手だっていうのに。きっと、イヤらしい格好もさせてんだろうなあ。
「ねえ、俺、も、初詣、行きた、あうう」
 何を想像してんのか、丸判りの表情で強請るシイコ可愛いけれど。
 ま、その前に。
「あ、ね、もっとぉ、奥までぇ──」
 可愛いお強請りを繰り返して、指を銜えこんだケツマンコをひくつかせるシイコに、俺のチンポはギンギンにいきり立っている。
 まったく、ド淫乱にもほどがあるってもんだ。
 3本の指を激しく抜き差しして、ザーメンまみれのケツマンコを思いっきり掻き回してやれば、ヒイヒイ鳴いて全身で卑猥なダンスを躍りまくる。
「いやあっもっとぉ、もっとぉ太いのがイイっ!」
 指なんかじゃ物足りないと強請られて、我慢する理由もなかった。
「い、イイいっ!!」
 ブチュウっと吸い込まれてるような、と感じたのは間違いないと思う。一気に奥深くまで導かれたチンポは、そのまま暴発しそうなほどに絞られる。
「こ、の、ド淫乱がっ!!」
 悪態を吐いて、その体を抱き締めて、肩や腕に噛みついて、わがままな奴隷を罰したけれど。
「あ、はあ、イイよお、ふとおぉぉい、いっぱぁい」
 淫乱な奴隷は悦ぶばかりだ。
「ね、もっとちょうだい、シイコの中、ザーメンでいっぱぁいにしてぇ」
 セックス中毒っていうよりは、ザーメン中毒ってほうがお似合いなシイコの腹ん中を目一杯掻き回して、突き上げて。
「ひ、イイイっ!! ああっ、イイッ!! スッゴぉ」
「ほらほら、もっと上手く強請れよ、欲しがれよ。上手くできたら、たぁぷりザーメン注いだまんま、初詣に連れってやるぜ」
 途端に、快感に呆けていた瞳に焦点が合う。
「連れてってくれる?」
 ご主人様の言質を疑う奴隷にはお仕置きが必要だな。
 内心思いついたお仕置きは、けれど、淫乱なシイコにはお仕置きにならないかもしれないけど。
「ああ、服とこの前買ってやったロングコートは着て良いけどな。けど、下着は無しで、ザーメン垂れ流しだ」
 ズボンの前からチンポを突き出したまんま、歩けよ。
「ひぁぁっ!!」
 耳朶に噛み付きながら囁いた途端に、シイコの体がビクビクと痙攣した。
 同時に俺のチンポが思いっきり絞られて、今度は我慢できなかった。
 くそ、と毒づきながら、顔が緩んでしまう。
「想像しただけで空達きしたのか?」
 シイコのザーメンは零れていない。
「おい、何を想像した?」
 問わなくても容易に想像はついていたけれど。
 朦朧としたシイコの答えは、俺の可愛い奴隷に相応しいもので。
 俺は、褒美とばかりにケツマンコを使いまくってやった。



「臭うなあ、イカくせい臭いがプンプンする」
 背後の男が友人らしき相手に言った言葉に、
シイコの肩が大きく震える。
 真っ赤に染まった顔は寒さのせいにも見えるけれど。ずっと俯き加減で、きつくコートの裾を押さえているのは、足を伝い落ちる液体が気になるせいだ。
 モジモジとさっきからあまり進まぬ人混み中で、靴下どころか靴にもいくつかの染みができている。
「誰かずっとバイブ音、鳴らしてるよな」
「っ!」
 その重宝人であるが故の悲鳴は、かろうじて飲み込まれたけれど。
 腰と股間に通した革紐で落ちないようにした小ぶりのパールローターは、敏感な入り口からちょっと奥まで、元気に暴れているだろう。
 初詣に行きたいからと、こっちが要求した通り、イヤらしく強請りまくったシイコを、請われるままに犯してやった。
 ご主人様の立派なチンポでいっぱい犯して、マンコ抉って、ザーメン飲みたい、いっぱいかけて……。と、強請る通りに、たっぷり淫乱奴隷のケツマンコを堪能し、中にたっぷり注いでやったその直後、約束通りに初詣に連れてきてやったところだ。
 周りには、同じような性癖の知り合いで固めて、思う様に言葉責めをするように頼んでいるのは内緒だけど。
「どうした? 調子悪いなら、帰るか?」
 俯いた顔を覗き込んで提案してみたら、シイコが潤んだ瞳を向けてきて、首を横に振る。
 欲情してんのが丸判りの表情で、俺の腕にしがみついてきて。
「あ……」
 ブルリと震えて押しつけてきた下腹は、はっきりと勃起していた。
「なんだ、イきたいだけか?」
 まあ、普通なら、どこかに行きたいのだと認識するような物言いで問い掛けてやれば。
「ん、イきたい。ね、イって良いよね?」
 可愛くコクリと頷かれて、強請るように見つめられて。欲情して、うるうると潤んだ瞳に見つめられたたら、頷かずにはいられない奴がどれほどいるだろうか?
 実際、さすがの俺も堪らず息を飲んだ。
 周りの喧騒も、一瞬止んだと思ったのは、絶対気のせいじゃねえ。
 少なくとも俺の知り合いは、人混みの中、迷惑なことに立ちすくんでいる上に、前屈みになっている奴だっていた。
 俺も、来る前に散々達ってなかったら、ヤバかったかもしれないが。
「ねえ、ダメかな?」
 更に強請られて、乗り越えたハズの俺の方がヤバくなる。ペアで来てた知り合いが、早々にリタイアしていくのを睨みつつ、ご主人様らしく堂々と言い放った。
「良いぜ。けど、帰るまではそのまんまだからな」
 途端に、シイコが小さく息を飲んで、しがみついてた指の力が痛いほどに増す。
 小刻みに震えてるのが、いつもより少し長い。
「おい、大丈夫か」
 いつもより激しい状態に、さすがに気になって問い掛けると、シイコの目は完全にイってるのが判るほどに虚ろで、涎すら垂れそうで。
「……」
 しばし、その表情を見つめてたけれど。
 次の瞬間、俺はシイコを抱えるように掴んで、ちょうど見つけた脇道へと入った。
 けどな、初詣は今まさにピーク。不幸なことに、どこもかしこも人だらけで、シイコを犯せる場所なんかこれっぽっちもねえっ!
 しかも、あっちからもこっちからも、薬局に来てくれる爺さん婆さん連中が声をかけてくる。つうか、夜中だっていうのに、皆元気だ。薬なんていらねえんじゃねえか!
 捕まっては飲んでいけというのを、何とか断って抜けていく。幸いにも、グッタリしたシイコが具合悪そうに見えて、皆すぐに放してくれたけど。
 知り合いがいたらシイコが興奮するかも、と近場の神社を選んだのが、俺には徒になっちまった……。
 こっから家までの十分ほど。それが数十分くらいに感じられて。
「帰ったら覚えてろよ!」
 毒づく俺に、シイコが心底嬉しそうに笑い返す。それがまた、俺の股間を直撃して。
「全く、最高の奴隷だよ、お前は!!」
 ドアが閉まるか閉まらないかで怒鳴った俺の言葉は、シイコの口内消えてった。


 やっぱ正月三が日は、家の中で過ごすのが一番だってことだな。


【了】