BL/ML鬼畜小説
【風南の仕事 搾乳編】

【風南の仕事 搾乳編】



 白い身体が淫らに悶えていた。
「ぐ、ぅ……いた……ぃ……、出したぁ…………、搾って……、搾りたい……乳……」
 目の前の空間からガシャガシャと金属の音がとすすり泣きが響く。
「乳、搾、ります……から、お願い……熱い……寒い……うっくぅ……」
 一晩放置された身体は、股間からも胸からも口からもいろいろな体液を流していた。
「おお臭いこと。おねしょしていますわ」
 女中頭のミレウスが口元を覆って嗤う。
 手の空いた者を集めたマサラが、カザナのところにやってきた時には、もう昼が過ぎようとしている時刻だった。
 四肢を縛られたままだったカザナは仰向けに寝転がったまま、失禁し、涙をボロボロと流して、胸を張り詰めさせていた。
 痛みと熱に苦しめられたカザナは、ずっと泣いて許しを乞うている。
 縋るように見上げてきたカザナに、マサラがほくそ笑んだ。
 仰向けだというのに、その胸には形を崩していない巨大な半球がのっていた。
 触らなくてもどれだけ張り詰めているのか判るそれを、マサラの指が食い込むほどに鷲掴みにする。
「ひっ、ぃぃぃ──」
 鎖が鳴り響いた。
 身体が跳ね、寝具が揺れ、黄色い汚液があちこちに跳ねる。
「カザナ、お前は自ら搾るのを拒絶したくせに、搾ってくれと頼むのか? そのために、昨日は何人の手を患わせた? 皆忙しいのだ、性奴であるお前の世話などいつまでもしていられない」
 冷たい言葉は、痛みに打ち震えるカザナにもはっきり聞こえたようだ。
 唇が僅かに開き、わなわなと震える。
 何か言いたげなそれは、けれど結局痛みを堪えるように食い縛られた。
 だが、続いた言葉に、声無き悲鳴がこぼれる。
「詫びとして、皆に頼んで、お前の汚い尻の穴が腫れ上がるまで犯してもらえ」
 力強い言葉が、拒絶を許さぬ強さで畳み掛けられた。
 嫌だと、無言の首振りは、マサラの指がきつく乳房を掴んで止まった。
「お前の乳は、尻の穴に何かが入っている時だけ搾ることを許そう」
 それ以外、搾ることは許さない。
 暗に言われた言葉に、蒼白になったのはカザナだけだ。
「それが嫌なら……そうだな、あまりにだらだらと垂れ流されては汚れるばかりだ。医療用の接着剤で全ての乳腺を塞いでしまおう」
「そうなると乳はもう作られませんか?」
 ムラナの問いにマサラの返事は否だった。
「不要になった乳は体内に吸収されるが、生成は続く。なにしろこの雌牛には乳を生成させる女性ホルモンが一生出るようになっている」
「つまりは常時この状態と言う訳ですか?」
「塞いでも作られるからな、今よりもっと酷くなる。もったいないが仕方ないだろう。主の命を聞かぬ性奴の罰としては生ぬるいかもしれぬが……」
 視線が冷たくカザナを見据える。
 カザナの全身が蒼白になり、がくがくとおこりのように震えていた。
「ああ、恐れながら……」
 傍らに控えていたネリが嗜虐の色の濃い笑みを浮かべる。
「俺、握力向上の訓練にゴム球を握るってのをやっているんで、その代わりにそいつの胸貸してもらえませんかね」
 無骨な指がカザナの目の前で屈伸する。
「ひぃっ」
 それがもたらした痛みを思い出したのか、カザナが悲鳴を上げてボロボロと涙を零し出した。
「ネリ、お前しょっちゅうそのゴム球つぶしちまってるだろ?」
「だから代わりが欲しいのさ。こいつの胸ならいくら力をいれてもかまわねぇだろうから」
 嘯く言葉に苦笑が広がる。
 その時だった。
「……お、犯して、くだ……」
 小さな声だった。
「ん、何か聞こえたか?」
「さあ?」
 ニヤニヤと嗤う人々に向けて、カザナが屈辱に顔を歪めていた。その唇が動く。
「わ、たしを……犯してく……さい……」
「ん? 我が儘な雌牛……いや、乳を出せねぇんじゃ牛じゃねえから──雌豚が何か言ってるぜ」
「ああ、聞こえないね」
 口々に騒ぎ立てられ、カザナのささやかな声音は紛れて届かない。
 しかも、マサラが非情な宣告を下す。
「すぐ接着剤をもってこさせよ」
「はい」
 ムルナが電話に手を伸ばす。
「ま、待てっ! 私を犯して、犯してくださいっ、皆で私をっ」
 悲痛な声が部屋一杯に響いた。
「だから……ふ、塞がないで、くれ……」
 涙ながらの懇願だったが、マサラの首は横に振られた。
「それが人にものを頼む言葉か? しかも何をして欲しいかはっきりと判らぬ。きちんと全て言葉にせよ」
「あ、あ……。わ、私の、尻の……あ、穴を、犯して……ください」
「雌豚の──だろ?」
 ネリがすかさず突っ込んで。
「め、雌豚の……尻を……」
「雌豚カザナの──だ。でねぇと他の雌豚の穴に突っ込むぜ」
「あ、やっ、……め、雌豚のカザナの……犯して。尻の穴を……犯してください、腫れるまで……真っ赤になるまで……、お願いしますっ!」
 絶望が、カザナの顔に浮かんでいた。


「ほら言えよ。まだまだ腫れてねえぜ」
 ずぷりと白濁まみれのペニスが出て行った。
 始まる前は慎ましく閉ざしていたアナルは、すでに真っ赤に腫れてひくひくと震えていた。
 もうその場にいた全員のペニスを二回以上は銜えている。
 今まで陰具しか受け入れたことの無かったアナルは、度重なる蹂躙でひりひりと痛みを訴えるほどに傷んでいた。なにしろペニスを持たないミレウスが装備した陰具すら受け入れたのだ。それは二つの棒が捩れて絡まったようなひどく歪なもので、やたらにアナルの壁を苛めるものだった。
 だが、誰も腫れているとは言わない。
 カザナから見えないアナルを指さし、まだまだなんとも無いと揶揄する。
「……あ、ぁ、お、お願い、します」
 口の端からも白濁を垂らし、汚れた尻を振っているカザナは、淫猥な笑みを口元にのせていた。
「雌豚のカザナの尻をいっぱぁい、犯してぇ、くださ……。ああ、いっぱい、奥まで突いてぇ……、オッパイももっと搾って……」
 一巡したころから、カザナの理性は崩壊していた。
 性奴のチップが無ければこのまま狂ってしまうだろう状態だ。
「ネリ、お前の巨根くらいれないと満足しないみたいだぞ」
 アナルだけでなく、口をも犯して精を吐き出したネリのそれは、まだ臨戦態勢を保っている。
「へへ、こいつの尻、吸い付いて揉み上げてきますぜ」
「ひやぁぁぁ」
 背後から一気に奥まで差し込んで、両の乳房を鷲掴みにした。そのまま揉み上げれば、ぴゅうぴゅうと勢いよく乳が吹き出した。
「あああん、んあぁ、イいっ、もっと揉んでっ」
「まじ、気持ち良さそうだな」
「上からも下からも射精しているようなもんだろ。すげえだろうな」
 広間にはあちこちにたくさんの液溜まりができていた。
 白いねっとりとしたものもあれば、多量の乳白色のものもある。
 それらすべてカザナが出したものだ。
「ひああああっ」
 一際甲高い声を上げて、カザナが達った。
 びちゃびちゃと流れ落ちる乳の中に、ぽたりと薄くなった精液が落ちていく。
「マサラ様、これでは罰になりません」
 ムルナの言葉に、マサラも大儀そうに頷いた。
 確かに本人が喜び強請ることをしても、躾にはならない。
 この輪姦も見ているだけではもう飽きた。
 これからカザナの世話をさせる召使い達に奉仕させるつもりでいたから、マサラ自身はずっと見ているだけだったのだ。
 片手に持った絞りたての乳が入ったグラスを口に運びながら、しばし考え込む。
「そうだな……今日はこれで終わりにしよう。何もかも空になっているようだから……ああ、ムルナ」
「はい」
「だらだらと垂れ流し過ぎて鬱陶しい。陰嚢の根元に枷をつけて、管理しろ」
「かしこまりました」
「それから、明日の早朝カザナとともに私の部屋までくるように」
「はい……」
 意図を感じる声音に、ムルナが視線で問う。
「ふふ、乳が出始めたら産卵が始まる。明日は出るぞ」
「それでは、準備いたしましょう」
 頷くその耳に、次を乞う淫らな言葉が届いていた。


 あれだけ嫌がったカザナも、二ヶ月も経った今では乳を搾る姿も様になり始めた。
「さあ、搾りなさい」
 ムルナの言葉に、カザナは「はい」と小さく返して、乳房を取り出した。
 べったりと乳とそれ以外の体液で汚れた乳房。
 それを両手で抱えて、テーブルの上のコップに近づく。
 がに股になり腰をかがめて高さを整える。
 その股間でふるふると震えるペニス。
 陰嚢には、昨夜から出していない精液がたっぷりと溜まっているのだろう。ずいぶんと重そうだ。
 それに加えて朝一から王子に与えられた快感に、そこは滾るほどになっているはず。だが、王子は決してペニスの戒めを外すことは無い。
 なぜなら、その戒めを外す鍵は、ムルナが持っているのだ。
「んあぁ……」
 指が動くたびに、ぴゅうっと乳が噴き出す。
 きゅっと軽く揉むだけで、まるで水鉄砲のように噴き出す乳が、コップの中に満たされていく。
 時折グラスから外れ、盆に零れた液溜りを大きくした。
「ひぃ、んあああ」
 搾乳に快感しか覚えなくなった身体は、また発情しているようだ。
 噴き出す乳がグラスから溢れ出しても気付かず、嬉しそうに乳房を揉んでいた。中腰のままの腰がガクガクと踊っている。
「カザナ」
「は、ぁ、い……」
 呼びかければ、快楽に溺れた虚ろな返事が返ってきた。
 それににやりと笑いかけ。 
「いつまで遊んでいるんです?」
 一気にアナルの張り型を引き抜いた。
「あぁぁぁぁ────っ」
 耳に心地よい悲鳴に、うっとりと微笑む。
 いつ聞いても、身体の心を揺さぶり、心を熱くする。
 心の奥深くに有る二度と開けたくない記憶の塊を小さくしてくれるようだ。
 心がとても軽くなる。

 悲鳴が声を失い吐息だけになっても、カザナの身体は鉄の杭が貫いたように硬直していた。
 がに股で中腰のまま、手は乳房を掴み、空を仰いで白目を剥いている。
 嵩高の張り型に前立腺を抉られ、一気に高みを駆け上がったのだ。
 だが、こんな程度では、この淫乱雌豚の身体は満足しない。一滴の精液すら出せないペニスが、ぱくぱくと喘いでいるのが良い証拠だ。
「もう乳は要りません」
 マサラの命令は撤回されていない。
 アナルに何も銜えていない状態で、乳は搾れない。
 先細りの陰具を手の中で転がし、今日の客を思い浮かべる。
「珍しい雌牛鳥となられた風南様にぜひご挨拶したいと、公爵様がお見えになります。公爵様は先々代国王に連なるお方。ご幼少のみぎりに当時のリジンの王に公衆の面前で侮蔑の言葉を浴びせられたとか。そのような粗相はこちらでは許されません。心しておくように」
 その言葉に快感に潤んでいた瞳が不安げに細められた。
 このままアナルに陰具を入れなければ、出せない乳房は公爵が来られる頃にはかちかちに張り詰めているだろう。
 それにネリより体格の良い公爵は、長大な女泣かせの逸物だと下世話な噂が通っている。その立派なモノで奥まで切り開いてもらうのも良い。
 そのためにここ数日、カザナのアナルには先細りの道具しかいれていなかった。
 いっそ破瓜の痛みを毎回味わえると良いのに。
 すっかりどこもかしこでも達くようになって、ペニスの戒めなど罰にも何もならないではないか。実際、その戒めを緩めることは滅多にない。
 性奴を悦ばせることなど論外だと考える空色の瞳のムルナは、マサラのように甘くは無い。
 この雌豚をこらしめる何か良い罰はないものか、と、考えるのが、最近のムルナの楽しみの一つだった。

【了】