【風南の仕事 接待編SS】

【風南の仕事 接待編SS】

風南の乳首は、本当はもっと大きいのですが、今のところこのサイズが限界でした。

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「カザナ」
 珍しく昼間に風南の前に現れたマサラは、ラカン風の発音で風南を呼びつけた。
 もう耳に慣れてしまったその発音に、風南はおとなしく従う。
 風南ではなく、カザナとして。
 ラカン国の奴隷に身を堕とした存在として、感情を麻痺させて従うことを、心よりも早く身体が覚えた。
 言われるがままに衣装を整え、大広間に入る。
「大事な友人だからね。粗相の無いように」
 恰幅の良い壮年に近い男が二人。
 客の様子とマサラの言葉に、自分が為すべき事を理解する。
 その場にひざまずき、頭を下げて風南は身体を覆っていたマントを開いた。もとより薄絹のそれは、身体を隠してはいなかったけれど。
「おお、これは素晴らしい」
「なんともまあ、見事なものだ」
 下に着ていた薄い絹の衣は、西国の召使いの服を模したもの。
 だが風南の大きな胸は剥き出しになり、ペニスが裾を持ち上げていて、身に纏っているとは言い難い。
 何より、薄い透明感のある素材のせいで、風南の身体を締め付ける黒革の拘束具がはっきりと見える。素肌を晒すより淫らな造形を醸し出す。
「これが、原初の直系の王子ねぇ。なんと淫靡な姿をしていることだ」
「──っ」
 くすくすと喉の奥で嗤われながら落とされた言葉に、意識して抑えていた感情にさざ波が起きた。男達の視線が肌を焼き、次の動きを躊躇わせる。
 だが、その僅かな躊躇いに気づいたマサラが、風南をさらに追いつめる。
「カザナ、どうした? お前の大好きなチンポを味わせて頂けるんだぞ。いらないのか?」
 問いかけの言葉であったけれど、それはマサラの口から出れば命令でしかない。
「早くしろ」
 急かされて、風南は膝で男達ににじり寄った。
 なのに、風南が近づくと男達が下がっていく。
「おやおや、欲しくないのかな?」
「早く来てくれないとあげられないねぇ」
「カザナ?」
 嘲笑の中、響くマサラの声音に全身が総毛だった。身に染みついた躾は、風南の心に焦りを生む。
 慌てて、這うように進むが、男達はなおも風南から逃げていった。
「あ……ん」
 無理な姿勢が、身体の中心に埋め込まれた張り型を締め付ける。乳を蓄え張り詰めた乳房が揺れるたびに、鈍痛と快感が沸き起こる。
思わず零れた喘ぎ声は、すぐに男達に気づかれた。
「ふむ、なんとまあ。今、とても厭らしい声が聞こえたような……」
「そんなにも男のチンポが欲しいのかねえ」
「男のくせに、男のものが欲しいって? 王子様の言葉とは思えないね」
「だが、ずいぶんと必死じゃないか。さすがに、そんな厭らしいおっぱいを持っているだけある」
 交わされる言葉に、思わず否定しそうになった。だが、寸前でぐっと奥歯を噛み締める。拒絶の言葉は、何一つ許されていない。
代わりに、風南の口から出たのは。
「チ……チンポ、ください……」
 心にもない懇願の言葉だった。
「みなさまの……チンポ……味あわせてくださいませ……」
 頬を、涙が流れる。
 悔しい──と心が悲鳴を上げているのだ。
 どんなに諦めてしまおうと思っても、そんな風南を嘲笑うように皆が思い出させる。
 王子であった、男であった自分を。
 それでも、言わなければ、もっと酷い目に遭うから。
「ください、チンポ……」
 じりじりとにじり寄り、男の腰に手をかける。
大きく開いた口から舌を出し、下衣の中へと潜り込ませる。
出してもらえるまで待っていられないとばかりに。
「おやおや、そんなにも好きなのか」
 口と歯と舌だけで男のペニスを取り出して、音を立てて舐めた。
「美味そうだな」
「好きなのかい?」
 問われて頷く。
「はい……大好きです」
 そんな風南に、マサラは冷たく言い放った。
「だったら、もっと美味しそうに頂きなさい」
 びくりと身体が震え、慌てたように舌の動きが激しくなった。
 ぴちゃぴちゃ、ちゅぱちゅぱ
「赤ん坊が大好きなおっぱいに吸い付いているようだ」
「ふふ、カザナ王子はおっぱいを吸って貰う方が好きなのですよ、な、カザナ」
「は、はい……、どうぞ、カザナ…の、い、厭らしい乳首からお飲みください。あ、お乳を……」
「ほお、だが、王子、あなたはいらないのですか?」
 もう一人の男が膨れあがった乳首を摘みながら、カザナの頬を舐め上げた。
「ああ、胸よりも男のチンポに吸い付く方が良いのですね。こんなに涎まみれにして」
「あ、はい……私はチンポが好きです」
 繰り返される言葉は、暗示となって風南に染みついていく。
「あ、ああっ」
 乳首を強く吸われ、溜まりに溜まった乳を吸飲される快感に、意識が弾けそうになった。
 仰け反り、男の口に胸を押しつけて喘ぐ。
「ああ、美味い」
「おい、もういらないのか? もっと味わいなさい」
 離れた口を追ってペニスがぐいっと押し込まれた。
「お二人とも、どうかゆっくりと楽しんでくれ」
 離れるマサラに、ドアの傍らで控えていたムルナが一礼する。
「1時間ほど前に、緑岩の媚薬を尿道からたっぷり注ぎ込みました」
「そうか」
 緑岩の媚薬は、遅効性と持続性を持っている男性用の媚薬だ。
あと少しすれば、堪えきれないほどの疼きと射精感に、腰をふりたくるようになるだろう。
 だが、ちらりと視線を走らせた風南のペニスには、きついほどの拘束がされている。
「今日の接待はぜひとも成功させいたものよ」
 貴重な薬用の材料を高くふっかけてくる薬問屋の店主達。
 綺麗な男をいたぶるのが大好きという、その嗜虐性を見抜いたマサラが、この接待を思いついたのは必然だ。
 原初の直系の王子という、至極の餌は、少しもったいない気がする。
 だが。
「今日は、王子としてたっぷり可愛がってもらえ」
 最近、奴隷として諦めきった風情が気になっていた。 王子としての誇りを忘れてしまわれると、面白みが半減する。
 こうやって、たまには王子と呼んでやるのも面白いかもしれないな。
 屈辱に歪みながらも、快感に瞳を澱ませている風南の姿に、マサラのペニスが反応しかけてしまう。
「女以外いらぬ……と思っていたが……。なかなかどうして、恥辱にまみれた男というのも案外良いモノかもしれぬな」
 知らず笑みを浮かべるマサラに、ムルナが微笑みながら小さく頷いた。

【了】

【CREDIT】
Victoria4 Male(DAZ)
Amiel Hair(DAZ)
The Ballroom(DAZ)
etc.
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