ガムテープ
幹人(みきと)が風呂に入って出てくると、梱包用のガムテープが、ベッドの上に転がっていた。 そう言えば、昼間にホームセンターに行っていた竜城(たつき)が、寝室に篭もってずっと何かをしているようだった。
幹人(みきと)が風呂に入って出てくると、梱包用のガムテープが、ベッドの上に転がっていた。 そう言えば、昼間にホームセンターに行っていた竜城(たつき)が、寝室に篭もってずっと何かをしているようだった。
コンビニの棚にあるいろんな種類のおにぎり。 それを眺めながら、幹人は眉間にシワを寄せて真剣に悩んでいた。 『なんでもいいから買ってこい』 と、竜城から渡された千円札二枚は財布の中にしっかりとある。 金なんていい、 …
その日、飯島幹人(いいじまみきと)は暇だった。 暇だと言っても一日家にいるわけではない。金曜日だから、ちゃんと仕事をしてきている。ただ退社後のデートがドタキャンされて、何もかもやる気を失ってしまったというだけだ。
『電話して タツ』 そんなメールが幹人の携帯に入ったのは、連日連夜の残業で思考能力が低下している時だった。 労働基準監督署のお達しを遵守しようとしてくれる会社のお陰で、幹人はサービス残業というものは経験したことがない …
大学を卒業して一年程立った頃、仲の良かったメンバーが集まって同窓会が開かれた。それに、幹人も友人達と参加していた。 久しぶりの友人達との再会に、酒も料理も話も進む。 しかも、企画した幹事の手腕は見事なもので。 「最 …