【託された想い】10
紫紺さまが言うなら、毎日性交しなくても大丈夫というのは本当だろう。 不思議なほどに紫紺の言葉は信じられる。紫紺がお腹の卵の親だからだろうか、きっとそうだろうとアイルは思うのだが、それでも時に不安が押し寄せる。だがそん …
紫紺さまが言うなら、毎日性交しなくても大丈夫というのは本当だろう。 不思議なほどに紫紺の言葉は信じられる。紫紺がお腹の卵の親だからだろうか、きっとそうだろうとアイルは思うのだが、それでも時に不安が押し寄せる。だがそん …
以前8まで公開していた「託された想い」の続きで、出産まで2章分です。Hシーンとか無いです。 甘々な紫紺様です。 医務室で二週間、その後館に戻らされてからずっと、アイルは安静を厳命されて寝具の上にいた。 もっとも両脚共 …
城の中は広いが、知られてはならぬ者を監禁する場所は限られている。 何しろいたるところに警備兵や召使い達がいて、王族の居住区に近いほどに親衛隊や騎士団の護衛までもが控えている。執務室付近も貴族達の護衛がいるし、下男がい …
二日前に相談を受けた、商団長曰くやっかいな揉め事は、けれど紫紺の手腕にかかれば数度の交渉でたやすく処理できて、こんな簡単な問題を早々に処理できなかった商団長に厳罰を与える。 そのまま馬の踵を返して館に帰還したのは、出 …
卵を腹に抱いてから三ヶ月と少し。 抱卵部屋と言う名のアイルの部屋で毎夜紫紺の相手をする日々は、最初の頃のように早々に意識を失うことは無くなった。けれど、その分長く、激しくなったのではないかと思うほどに、紫紺との行為は …
子宮内に入った卵は数日かけて馴染んでいく。それがどういうことか、聞いたときには判らなかったけれど。 「……気持ち……わる……」 卵を入れられた次の日から、食べ物の匂いを嗅ぐどころか、目にしただけで吐き気が込み上げて、 …
無様な同胞の姿は、企てた以上にアイルを縛ってくれたようだ。 もともと船の中でも柔順だったけれど、今では身を投げ出すことを厭わなくなった。と言っても、決して楽に受け入れたわけではないところが楽しませてくれる。 今朝方 …
第二王子、しかも王位継承の最優先候補とされる紫紺は王城の敷地の一角に専用の館を持っている。 その館に急遽しつらえられた抱卵部屋では、アイルの苦しげな呻き声が響いていた。それに被さるように紫紺の叱咤の声が鋭くかけられる …
準備は侍従に任せ、積み込み作業の監視という一仕事を終えた紫紺はゆっくりと風呂に浸かった。 湯面が少し揺れているのは、先ほど船が出航したからだろう。 内湾部の波は静かだが、これからしばらく荒れた海域を通ることになる。 …
託された想い ファンタジー 甘め (一区切りはつけていますが、続く、と思います) 竜から進化した竜人族と、耳の長い獣から進化した耳長族のお話。 卵生と胎生の交わり、托卵、強制性交 試用版ePUBデータ / 試用版Kind …