あけましておめでとうございます。
今年も昨年と同様にまったりとした更新になるかと思いますが、たまに立ち寄った時に楽しんでいただけるように頑張ります。
よろしくお願いします。
そんな螺館の最初のお話は、SSSになってしまいましたが、鬼の館から100年後の鬼の宴の風景です。
といっても、直後だろうが100年後だろうがやってることは一緒な連中ですが。
正月早々アレ(陵辱)な話ですので、お気をつけください。
年越しの頃から始まった鬼達の宴は正月三が日の間続く。
最初は上位の鬼達ばかりのそれは初日の出の頃まで続き、徐々に次位の鬼達が加わり、入れ替わる。
二日目ともなると下位の鬼達も加わって、収拾がつかなくなるのが毎年のことだ。
そんな宴に余興用だと憂と十人の若い淫魔が連れてこられたのは、まだ夜明け前の頃。
憂以外の若い淫魔達は、この日が淫魔としての初めてのお務めで、すぐさま上位の鬼達の元に差し出された。
女も男もいる彼らは、鬼達によりこの世に生まれ、人の中で成長させられ、定められた収穫の時に集められて。
初めての時を、何も知らずに受けさせられるのだ。
昔からずっと、人の負の感情をたいそう好む鬼達を喜ばせるためだけに、彼らのデビューは鬼達のために最高の場を整えられて行われる。
そんな場に連れてこられた彼らは、初めての鬼達の強い鬼気に怯え、何も判らなくても感じる恐怖に腰もたたない。
まして、彼らの目の前にいるのは上位の鬼達で、鬼ですら萎縮してしまう連中だ。
そんな連中を前にして彼らに逃げるすべなどなく、その剛直の洗礼を甘んじて受けるしかない。
それからしばらく、無垢な身体を力ある鬼達の剛直に引き裂かれた淫魔達の悲鳴と苦痛の絶叫を肴に宴は進んだけれど。
そんな悲痛が、甘く濡れた、熱の籠もったものになるのもすぐだ。
喘ぎ、強請り、逞しい身体に溺れ、淫蕩に狂う。
繰り返された近親相姦の果てに生まれた淫魔達が、性欲のみに支配されるのも早い。
そんな風に新たな淫魔達ができあがる頃、若き彼らが陵辱されるのを聞かされていた憂が、下座の壁の前に四肢を四隅に引っ張られた大の字の姿で固定された。
悲痛な中に、犯される彼らにすら欲情していた憂の身体は、すでに熟れていて。そんなところも揶揄されながら、鬼達が襲いかかる。
それからずっと、憂ができることと言えば、嬌声を上げながら宴会を楽しむ鬼達の求めるままに己の身体で楽しんでもらうだけだ。
嫌がれば、乳首が延びるほどに錘が追加され揺すられて。
拒絶すれば、尿道を竹串で蹂躙されて。
淫魔らしくその身を鬼達に喜んで捧げ、厭らしく誘ってよろこばせるのだ、と、若い淫魔達の模範になれ、と脅される。
そんなことが二度三度繰り返されて、それでも快楽に喘ぐ浅ましい身体に意識すら引きずられて、憂は鳴き喘ぎながら懇願していた。
「どうか、もっと遊んで。どうかっ、この、厭らしい淫魔の身体で、皆様のっ、望む、ままにっ」
右の乳首に伊勢エビの頭を何匹も垂らし、左の乳首に大きな鯛頭を飾って。
ペニスに祝扇を括り付けられ、尿道に祝い箸を一膳差し込まれて。
卑猥に腰を振りながら、鬼達を誘う。
「うまいだろう?」
口の端から溢れるのは、ずっと口内に注がれ続けている、鬼達曰く、淫魔用の特製の屠蘇だ。
白い濁り酒に濃厚な精液をブレンドしたそれは、酷く獣臭い。
その生臭いそれを、咽せることすら許されず次へ次へと注がれ、憂の腹はもういっぱいだ。
けれど。
「あ、ぅ……ご、ち、そ……さまで、す。……もっと、あうっ、ぅ。……と…くださ、い」
飲んだら礼を言え。
欲しがれもっと、厭らしく誘え。
繰り返し繰り返し。
鬼に促された言葉に意識が引きずられ、与えられる極上の快感に理性が溺れていく。
「ああ、どおうかぁ、憂の肉穴も、おつかいぃくださぁ、い……」
享楽に満ちた宴の席で、響いていた悲惨な声がいつしか甘いお強請りへと変わっていく。
「ほぉらぁ、ご馳走をやろうっl、たっぷりと喰らえやっ!!」
ズボッと肉の穴を広げながら奥まで貫かれた途端、憂の背筋に電流のような疼きが走り、堪らずに声無き悲鳴を上げ上半身をガクガクと痙攣させた。
押し入ったそれはひどい圧迫感付きで腹の奥まで重く届く。
一際逞しい身体の鬼の逸物は、その大きさに合わせて酷く図太く長大だ。憂の華奢な身体など引き裂いてしまいそうなそれに、憂の顔が淫猥にとろける。
「う、あ、おぉきぃ、ぃ……」
背後から立ったままで貫かれ、天井を仰いで喘ぐ憂には、己の下肢の間にあるそれを見ることは叶わない。けれど、その熱く生々しい肉の感触を浮いた血管の形まで脳裏に浮かべ、味わってしまうのが憂達淫魔の性だ。
ギリギリと裂かれそうなほどに広げられた股間を貫くそれは、激しい痛みをももたらすけれど。
淫魔の伸縮自在で粘液まみれの肉穴は、己を限界まで薄く引き延ばし、体内の肉を押し広げて、濡れた音を立てて熱塊を歓喜の声とともに受け入れる。
そこにある快楽の泉は、さっきから押し潰され掻き回されていて。
「あ、ひ、ぃっ──っ、アアゥっ!!」
歪に張った丈夫なエラが抽挿する度に、憂の全身を快感の渦が駆け巡り、感覚のすべてを支配し、籠絡した。
暴れまくる快楽に翻弄された憂の伸びた指が、縋りつくものを捜してさ迷うけれど、両手首の枷に付いた鎖が左右にピンと張られていて、掴むどころか、腕を動かすことも叶わない。
ただ与えられる刺激によがり、身を捩ってその激しさに泣き喚いて。
人の倫理に縋る意識が消え果てるのはすぐだ。
体内を抉る何本ものペニスの存在が憂を狂わせて、若い己の遠い子孫の惨劇を目にしても麻痺したように心は動かなくなって、ただ快楽を喰らうだけの生き物として鬼達の饗宴を盛り立てる。
そんな上級淫魔である憂の強烈な媚臭は、鬼も、若い淫魔達すら狂わせる最高級の媚薬でしかない。
与えられた刺激は、飲まされた精液は、憂の身体は淫らに茹だたせ、鬼達の性欲を上げる匂いを振りまいて。
その結果、淫魔達の身体をより楽しもうとする底無しの性欲を持つ鬼達を元気にさせるのだ。
「飲ませてぇ、みなさまのぉ、おいしいチンポォ、お汁、飲ませてぇ」
彼らを喜ばせる極上の性処理道具の淫らな誘いに、鬼達はたまらず殺到する。
それこそ、鬼達の新年の宴に相応しい余興の糧として。
四肢を投げ出し、ただ揺すられるだけの若い淫魔達とは違う、熟れた淫魔の身体はまた別物だ、と、齢100を過ぎた淫魔の人気は未だ衰えず。
「狂、憐、躙(りん)、濁(だく)、早ようせぬかっ」
初日の出を拝む頃、まだまだ騒ぎ足りないと、上位の鬼達の計らいで連れてこられた憂と同じ上級淫魔達が、若い淫魔達の惨状に蒼白のまま、鬼に引きずり倒された。
一日目が過ぎた頃、下位の鬼達が混じりだした凄惨な饗宴の場で。
「そこの役立たずに伸びているのを吊せ。その牝穴をこの腕でかわいがりながら、鞭をやろう。気など失っている場合では無いというのを教え込ませねば」
青年淫魔が逆さに吊られ、彼の腕より太い腕を咥えて、甘さの混じった嬌声を上げる。
若い淫魔達が二人引きずり起こされ、その尻穴に大きな瘤のある注連縄の頭をつっこまれて、犬のように舌を出して這い蹲り、新たな刺激に歓声を上げて。
「二匹の穴を繋げろっ、綱引きだっ。抜けた方はこの一升瓶で栓をして、我らに奉仕をしてもらおうぞ」
「ほれほれ、貴様等の祖どもも腹一杯くろうて喜んどるだろう? 一度鬼の精を喰らうと、人間のものなぞ不味いらしいからなぁ、貴様等も今のうちにたっぷり味わえよ」
この三が日の宴が済んだ直後から四六時中働かされることになるクラブや店で、彼らに与えられる餌の精液は、今日のような上位の鬼のような極上品では有り得ない。
最初に味わったそれが良いものだと、それ以下では物足りなくなるのが淫魔の性だ。
不味いとたくさん欲しがるようになって、彼らはいつも餓えさせられ、極上品のそれを──最初に味わった精液が欲しくて、褒美だとちらつかされるそれを目指すようになって。
そうやって働かされていって、ほとんどの淫魔は使い捨てられるけれど、ごく一部の淫魔は憂達のように上級淫魔となって生き残る。
人の理性と倫理を失わなかった彼らは、だからこそ鬼達に重宝されて、大切に生き続けてさせられて。
淫魔となったその時の外観と心のままに、鬼達の利益のためにその身を捧げさせられるのだった。
【了】