【The Gift from the Creater-3】前編

【The Gift from the Creater-3】前編

 8月13日から8月15日までの間に開かれたサマー・ミッドナイト・イベントに毎日参加したミニゲームの全クリア達成によるクリア合計得点ランキング入賞特典で得た賞品を手にして、隆治はにんまりと口元を緩めながらその手の中の感触を味わった。
 賞品は何種類か合って、その中から隆治が選んだのはアイテム作成権だ。
 ゲームバランスを崩さない限り自由に独自のアイテムを作成できる権利で、通常は特殊で強力な武器を作るようだが、隆治は自らがデザインした衣装を作成することにした。
 細かな設計内容を運営側に送り、二日後にはゲーム内のポストで受け取ったそれを、嬉々としてミサトに渡す。
「い、や……です……、これ……」
 過去、レベルが上がる度に何らかの特典が得られるが、その中で一回、従者の性格を変更する権利を得た。
 初期設定では全く逆らえないように設定したけれど、何度も遊んでいる内に、それだけでは面白くないと気が付いたからだ。主人の言うことに盲目的に従う奴隷では、遊びにも限界がある。
 もともと嗜虐製の高い隆治にしてみれば、物足りなくなってしまったのだ。
 その性格矯正オプションで、性格設定を少しだけ変更してからは、さらに面白さが倍増したといっても過言では無いだろう。
 主人に対する服従心と羞恥心は非常に高いままに、嫌なことには表情や言動に拒絶や嫌悪を浮かばせるようにしたのだ。
「ゆ、許して、くだ——あうっ」
 逃げようとしても、もともと力は弱い。男ではあっても、か細い腕では騎士である隆治の腕力に敵うはずも無い。暴れるミサトを難なく押さえつけ、その僅かな衣を剥ぎ取る。
「いひっ、ひああぁっ、あぁ」
 まして、どこもかしこも敏感な身体は、押さえつけられただけでも快感を生み出すのだから、従わせるのも簡単だった。 
 一瞬恐怖に青ざめた皮膚が、あっという間に紅潮して。
 逃げた罰として、乳首のピアスを捻り上げれば、悲鳴とも嬌声ともつかぬ声を上げて身悶えた。暴れた下肢から覗いたペニスは瞬く間に勃起していて、その鈴口がひくひくと物欲しそうに喘いでいるのが見える。
 その様をじっくりと堪能できるで乳首で遊んでから手を離せば、おずおずと怯えて濡れた瞳とは裏腹に、ミサトの赤い唇から零れる吐息はひたすら熱くなっていた。
「着けろ、着けねぇならそのまんま広場の噴水に括り付けてやろうか?」
「ひっ」
 手が離れた拍子に、それでも地面を掻いて逃れようとした手がひくりと止まる。怯えが色濃い表情が、おずおずと隆治を振り返り、ゆっくりと首を横に振った。
 噴水に括り付けて、誰の命令でも聞かざるをえない設定にして放置すればどうなるか、ミサトは何度も経験して良く知っているのだ。
 ミサトは、このゲーム内で設定されたプログラミング上の従者ではあるけれど、姿形と芳香で男を誘い、その声や痴態で男の欲を煽り、プレーヤーもNPC(ノン・プレーヤー・キャラ)もミサトを見れば犯さずにはいられない、というほどに淫らな対質を持っていた。本来NPCは運営側の決められた
通りの動きをするものだが、従者の性質設定の際に、「NPCキャラ一目でも欲情する」と一言付け加えたら、本当にその通りになったのだ。
 もともと、世間一般の常識や倫理観などが通用しない、何ら制限など無いこのゲーム内で、従者に対するレイプは遊び感覚で行われているから、それも有りなのだろう。
 そんな世界で、身動きできずに公共の場に晒されるということは、自由に遊んで下さいと、プレーヤーが許可しているということの現れだ。
 そうなれば、ミサトは隆治が許可を取り消すまで、たとえ隆治がゲームから出ていてもそのまま陵辱を受け続けることになるのだった。
 そんな恐怖をちらつかされて、さらに主人への逆らいきれぬ服従心に突き動かされてしまえば、ミサトは隆治の命令を実行するしかなかった。



 無駄な抗いの果てに、自ら朱色に縁取られた黒皮の衣装を身に付けていくミサトの様子は、通行人の目を引いた。
 ポストがあったのは街道の中継点でもある街の中心地で、人通りが多い場所だ。
 石畳みの荒れた道の真ん中で、押し倒されて弄られたミサトは服を奪われてしまえば、擦り傷だらけなのに、見る者の目を奪う妖艶な身体を隠す術はない。
 ミサトは、勃起した身体を衆目に晒して羞恥に全身を染めながら、震える唇から嗚咽を漏らした。
 それだけでも、押し倒したいほどに扇情的だ。
「早くしろ」
 クツクツと喉の奥で嗤いながら片隅にあった木箱を持ってきて腰掛けて、じっくりとその様子を窺う。
 褐色の肌に朱色が映える。
 衣装と言っても、身体を隠す部分はほとんど無い。三センチほどの幅の平たい革帯で作られたそれは、両肩からサスペンダーのように伸びた革帯がそのまま股間を通り、背後から肩へとまた戻るだけだ。ただ、一番細い腰に、その二本の革帯を互いに引っ張るようにして帯が一周しているだけ。真横から見れば、かろうじて帯の断面が見えるかもしれないが、ほとんど身に付けているようなものは見えない。後は、それについた特殊な装飾品が目立つぐらいだろう。
「あっ、うっ」
 衣装を身につけようとしたミサトの身体がぶるり震え、堪えきれない喘ぎ声が断続的に響く。
 衣装のアナルにあたる内側には、太くて長い、隆々としたペニス型の張り型が反り返っていて、それが今、ミサトのアナルにぬぷりと突き刺さったのだ。
 いつでも異物を迎え入れられる柔軟なアナルは、解すことなど不要だ。
 ズプ、ヌプッと凸凹したシルエットのそれが、ミサトが震える手で革帯を引き上げる度に這入っていく。
「は、あっ……ぁぁぁ」
 中腰になった足がくがくと震えていた。
 声を上げる度に、背だけが激しく仰け反って、伸びた喉から熱い吐息が悩ましげに零れる。
「兄ちゃん、がんばれよお」
「旨そうに銜えて、ははっ、すっげぇ」
 周りからかけられる卑猥な応援も耳に入っているのかどうか。
 嫌々と言うように髪が宙に舞うけれど、蕩けた表情で天を仰ぐミサトにその言葉への嫌悪感はない。
 性器でしかないアナルは、人間のそれよりはるかに敏感な……それこそペニスの亀頭部並みの性感帯で、そこへ異物を銜えるだけで連続絶頂を味わえるほどなのだ。
「うっ、くうっ、あひぃ、い……」
 ずる、するっと入り込む張り型が尻から溢れた粘液に濡れててらてらと光っている。
 イヤらしい形状がミサトの可憐な尻の中に消えていくにつれ、冷やかしの声もいつの間にか消えていて、代わりにごくっと息を飲む音がやたらに響く。
 いつもなら喧噪も激しいこの場所で、この静けさは異様なのだけど。
「あ、はあぁぁ、あはぃぃぃ」
 代わりに響く、艶めかしい喘ぎ声とその痴態を目にしてしまえば、それも道理だと誰もが思い、そして、誰もが立ち去らない。
 ようやくある程度入り込んだ途端、がくりとミサトの膝が崩れた。
 地面に膝と片手をつき、はあはあと荒い息を吐くミサトの瞳はすでに焦点が合っていない。その股間ではペニスが反り返り、たらりたらりと粘液が垂れ流して、その快感のすさまじさを伝えていたけれど。
 何度も前立腺を嬲られないと射精できない身体は、その程度では射精などできないのだ。
「早く着ろ」
 それでも十分放心状態のミサトに、隆治が冷たい言葉をかける。
 それは、どんな気付け薬よりも効果的にミサトの心を現実に取り戻した。隆治の命令は絶対なのだから。
「は、い……」
 のろのろと立ち上がり、がくがくと震える膝に力を入れて。
 華奢な身体に似合わぬペニスを、股間の金属製のリングに差し込んだ。さらに、リングで分岐している細い革紐には数個の半分に割れた金環がついていて、それもペニスに嵌めて。
「ひっ、き、つ……」
 カチ、カチッと金環通しを合わせれば、ペニスの根元から先まで五連の金環がみっちりとペニスに食い込んだ。
 射精を妨げるものではない。もとより、そんなことをしなくても、ミサトは非常に激しい遅漏なのだから。
 それは単なる装飾品だが、身体に似合わぬ卑猥で大きなペニスを飾る目立つ金環は思わず目を引くものがあった。しかも革紐でリングに繋がるせいで、それはいつだってピンと前方に突き出すようになっているのだ。
 ミサトには何をどこに着けるか教えているので、その手の動きに惑いは無い。
 だが、その手は躊躇いがちで、紅潮して欲情に潤んではいるもののその下唇はきつく噛み締められいてた。
 その手が、ちょうど胸の位置にあたるリングを掴む。
 乳首近くのその金属製の小さなリングについている金具を乳首のピアスに取り付けることによ、りこの衣装は固定されるのだ。カチリと一度止めてしまえば、それは隆治の持つ鍵でしか外れない。
「ん、くっ」
 引っ張られて堪らずに前屈みになるミサトに、隆治はニヤリと口角を上げた。
 ミサトが顔を顰めながら、慌てて乳首の負担を減らそうと前屈みのまま肩帯をかけたけれど。そうなれば、今度は尻穴を塞ぐ革帯が引っ張られ、浮いていたそこがぐりっと沈み込んだ。
「あ……あっ」
 ぴくんと不自然な姿勢のまま、身体が硬直している。
 革帯の長さは全体的に短めに設定してあった。背を伸ばせばペニスのリングと乳首の間の帯が短いせいで、乳首が強く下に引っ張られる。前屈みになれば、やはりペニスの根元が起点になっていて、肩や背に沿って引っ張られた革帯によってアナルの張り型が強く押し込まれる寸法だ。
 乳首とペニス、その三点で固定された衣服としての設定であり、衣服として重ね着はできない。
 着られるとしたらその上に羽織るマントくらいだ。
 ある意味裸よりイヤらしい姿を晒し、黒い髪に剥き出しの肌をくすぐられただけで艶めかしい吐息を零すミサトに、後ろを向くように指示すると、その表を朱に染めながら背を向けた。
「ふふっ、ちゃんと銜えているな」
「は……い……」
 形の良い尻タブの張り型がある部分がぎりっと狭間に食い込んでいる。
 そして、そこにはさらにもう一つ、内側にあったのと同様のペニスの張り型が反り返っていた。
 真横から見ると、ペニス以外でやたらに存在感のあるモノがそれだ。
 尻尾のように外に飛び出たそれは、実は内側と繋がり、革帯はそこでリング状になっていて、多少の遊びがあるだけで、張り型は決して抜けないようにはそのリングに固定されていた。
 さらに腰ベルトをきつめに締めて、乳首と同じように鍵をかければ、簡単には外れないのだ。
「良いぞ、これもだ」
「はい、ご主人様」
 こちらを向きながらふわりと纏うのは、重さなど感じられないほどに薄く軽い白のオーガンジーのマント。
 襟元の飾り紐で止めても、前の合わせ部はほとんどなく、前を手で持たない限りミサトの姿は丸見えだった。
 それに気付いたのか、ミサトが表情を曇らせ、羞恥に悶えつつ下を向いた。
 その姿に周りのプレイヤー達の不躾な視線が向けられる。そのうちの何人かは、いや、全員があからさまに股間を勃起させていた。


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