【癒しの休暇】

【癒しの休暇】





【蛇足なその後のワンシーン 是無編】

「馬車の清掃が終われば部屋に戻ってよい」
 特別に奥宮まで入った馬車は、中庭にそのまま放置された。
 是羅より躾と称して施された言葉に、シオンは重い身体を動かしながら従う。
 その瞳は虚ろで焦点は合っておらず、動きはたいそう緩慢だ。それこそあの人形よりも遅い。
 だが意識はなくとも、刻みつけられた是羅への怖れが身体を動かした。床に広がる大量の汚れを指先にひっかけたぞうきんで拭く。
 だが四肢もまともに動かぬ身体は這うしかなく、シオンが動けば汚れは広がっていくだけで、悪循環だった。
 結局シオンは、深夜に仕事を終えた是無が迎えにくるまで、尽きぬ汚れ落としを闇雲に続けていただけだった。
「まったくシオンは一人でも風呂に入れないのだから困りものだな。兄上様や次兄様がぼやかれるのもよくわかるが、俺がいつでも洗ってあげよう。ん、シオンは変わらず軽いな」
 是無は馬車から引きずり下ろしたシオンを片手に抱え上げる。その腕にはすでに多量の乾燥薬草と採れたての獣の一部が入った布袋がぶら下がっているが、意にも介さない。
「そういえば先ほど兄上様からいいただいたお土産の精製を急ぎたいな。粘性物質は保有しているが、桜花草の花粉量は……うーん、次兄様の本に記載の量は少なく感じたが、シオンは淫乱だしあれでは足りないような気がするな。だったら倍か、いや三倍とか……。睾丸の粉末もそれにみあった量がいいだろうか……。できあがればきっとシオンが喜ぶだろうな、その姿が目に浮かぶ。早く作ろう」
 意識を飛ばしたシオンを抱えながら風呂へと入る是無は、腫れ上がった肉穴の奥の汚れを自身の魔羅でかき出し初めて。
 気が付けばその行為にすっかり溺れて、風呂の洗い場でシオンを抱きながら朝を迎えていたのだった。
 


【蛇足なその後のワンシーン 是蒼編】

「シオーンっ、何、何バテてんの? あっ是無が世話を焼きすぎたでしょ、ああ、声ガッラガラで何言ってんのかわかんない。あっそうだ、ねえねえ、からくり人形、どうだった? 試作品だからあんまりシャキシャキ動かないし、単調な動きしかできなかったけど、今度はもっと改造して気持ち良くなるようにするから欠点を教えて、あっ、そうだ、止めるときは灯りがないところに連れていけばいいんだけど、わかったかな? それか灯りを消しちゃえばいいだけ。あっ、昼間はどこでも明るいから止まんないけどねえ、まあ延々責め立てられるのってシオンは好きだからいいよね、あははは。それで他に気になるところは? あの人形、きっとシオンも気に入ると思ってたんだ、使ってくれて嬉しいなあ、楽しめたでしょっ、今度は三体目を作るつもり、そうだな乳首を延々と舐めるやつとか、尿道を犯すやつとか、どんなのがいい? シオンのタメなら全部作ろうか、あっ、お礼は? えっ、お礼言わないのかよ、何、俺がせっかくシオンのために作ってやったというのに、お礼はないって、ああ、わかった、躾がなってないからなシオンは、だったら躾のなってないシオンには躾ができるやつがいいか。だったら今度は虐めるやつ作ってやるよ、そうだな、極太の二輪差しとかどう? それかぐるぐると勢いよく回転するやつとか、ああ、性感帯全部責めるやつとかもいいねえ、俺、シオンのいいところ全部知っているし、なんならもっと敏感に身体改造してもいいかもな、もう二度と服も着れないやつ、本当、俺がこれだけ頑張ってんのに、お礼も言わないなんてねえ、あっ兄上様ぁ、シオンが俺がしてあげたこと、お礼言わないんだよおっ、しっかり躾けてよ。やった、兄上様が躾けてくれるって良かったね、シオン。あっ、後でその声が出ないやつ、薬を是無に預けとくからしっかり飲んで治しなよ、ばいばーいっ」




【蛇足なその後のワンシーン 剛無王編】

「シオン、ようやく会えたか。何しろ執務が忙しくなかなか会いに来れぬし。ん? 何をそのようなうずくまっているのだ?」
「ぁ゛……」
「なんとも声が出ておらぬが。おおそうか、そなたのことだ、厭らしく喘ぎ続けたせいかの。後程、是無に薬を持たせてやろう、是蒼の薬はよく効く故に。ああ、だが万が一是無自身が精製したと言いよったら使うのはやめておいたほうがいいかの。あいつも知識は十分にあるのだが、何しろ雑なのだ、そのせいでやたらに効果が強く出たり、効かなかったりと、なんとも危険な薬しかできぬのだ。ん、ああ、その可愛い口を見てたら滾ってきおった、早速余の魔羅を慰めておくれ。本来なら尻にたっぷり注ぎたいところだが、栓を外してからか。まずは口で良いぞ」
「んっ!」
「おい、これ、抜くな。しっかり咥えておれ。この前、是羅が休みを取った時に肩代わりをした故に、今度は余と共に。ふむ、南の港街に海に面した館がある、そこに連れていってやろう」
「んんっ」
「これ、そのように首を振ると早くイッてしまうではないか。広い雄大な海を見ながらそなたが腹一杯珠を孕むまで注ぐのも一興。ん、ほら、もっと喉の奥で咥えんか……おお、是羅」
「父王様にはご機嫌麗しく。シオンが何か粗相でもしましたか?」
「ふむ遊んでやっているだけよ。ところで今度シオンと休みを満喫する故、そなたが余の代わりをせよ」
「はあ、謹んでご辞退申し上げます」
「何を申す、そなたはこの前余に仕事を押しつけて休暇を取っていたではないか」
「あれはもともと父王様の仕事でお返ししただけですよ。おや、シオンは父王様の魔羅を本当に美味しそうに咥えているな。シオン、栓を抜け」
「こら、シオン、口から離すなと言っておろうが。まだ躾が甘いのではないか」
「確かに、もっと締め付けるんだ、まったく淫乱ですぐに自分の快楽ばかりを追うのだから始末に負えない。父王様、今度海辺の別荘に、シオンを連れていって躾けてきたいとおもいますが」
「おい、それは余が先に提案したことだ」
「……しかし父王様が休みを取る代わりは務まる者はおりません故に、やはり私が」
「だーかーらー、そなたが休め。なあシオン、余と共に行きたいだろう?」
「いいえ、シオンは私と共に行きたいです、……シオン、そうだろ?……なぜすぐに返事をしない? ああ、躾をしないと答えられないということか。そうだな、今度の躾は尻にたっぷりの媚薬を入れて太い淫具で一晩中放置してやろう」
「私の躾のほうがシオンは気に入っておるわ。乳首に重い飾りをつけて、尿道をかき混ぜる棒とつないで、尻振り踊りでイクまで踊ろさせてやるわ」
「んー、んー」
「「シオン、すぐにどっちがいいか言えっ!!」」
「シオン、口から出して良いとは言っておらぬ」
「シオン、早く言わないのならば、順番にその身に与えるしかないようだ」
「そうするか、よし今宵は余からだ」
「ならは明日は私が」
「おお、泣くほど嬉しいか、ふむ、シオンは素直で良い子ではあるが」
「躾すら喜ぶ淫乱には苦労をするが」


「「鬼躯国の第四王子としてはまだ躾が必要だな」」


【了】