お忙しい陛下はそれから半日後に政務へと戻られた。
私は疲弊困憊して寝台に倒れ伏していたが、是蒼様が持ってこられた丸薬を飲むと不思議なほどに体力が回復した。
「鬼躯国王家秘伝の滋養強壮剤。一日数粒で体力は回復するし、多少の病なら消し去ってくれる。もう何度も飲んだから知っているかと思ったよ」
あっさりと言われても、自分で飲んだ記憶がない。
それよりも、体力が回復すると相変わらず下腹部の重苦しさが気になった。少なくとも記憶が残っている中では、結局私は射精をしていない。
「ああそれはね、今度教えてあげるよ。それより、今日はシオンのためにいろいろ揃えた道具や衣服があるからねえ、それを来てもらうよ」
「服がもらえるのですか」
服という言葉に、思わず全裸の身体を掻き抱いた。
是羅様や陛下に抱かれている間はきにならなかったが、そうでないときはさすがにこの格好が気になったのだ。
「服は是無が着せてくれるよ。俺はこれ」
じゃーんと口で音まねをしながら出してきたそれは網目模様の筒だった。それが大小二つ。
「それは……?」
「貞操帯」
「え……」
思わず問い返したが、是蒼様はにっこりと頷いただけ。そのまま寝台の上に座っていた私の身体を押し倒し、足を広げさせる。
「ひあっ!」
「うわー、ぱっくり」
激しく倒れたせいで、後孔まで丸見えになっていた。慌てて足を閉じようとするが、是蒼様が間に入っていて閉じられない。
「まあ、兄上様も父王様もでかいからね、しょうがないって言えばしょうがないか。でも俺がちゃんと施術したから、休めばちゃんと元の締まりに戻るよ」
そんなことを嬉々として言われたが、それに反論するより先に是蒼様の手が私の陰茎に触れた。
「ひぐっ」
ああ、やっぱりものすごく感じる。それだけで全身がガクガクと痙攣するほどだ。だけど、それでも射精はしない。
しかもその陰茎に是蒼様がその貞操帯を取り付けてしまわれたのだ。
勃起した陰茎に食い込むほどの網目模様の筒状。その周りにもう一層荒い編み目の筒。その間はクッションの効果がある留め具が入っていて、外の刺激は中まで伝わらない。
「排泄も洗浄もできるよ。どうやるかは是無に伝えてるからね」
呆然と自身の姿を見ている間に、是蒼様は手を振り去って行く。そのすばやさは声をかける間も無かった。
是無様により湯殿に連れて行かれ、全身くまなく洗われた。自分でしたいと言っても聞いてもらえず、身体の中まで洗われた後、届かない奥まできれいにすると言われて彼の陰茎を受け入れた。
大きな体格に抱き締められて、激しい抽挿は是羅様や陛下よりも激しいほど。
抽挿のたびに空イキするのは変わらず、だが今度は貞操帯のせいで勃起すらもきついほど。ましてや溜まりに溜まっているはずの精液を出すこともできない。
優しい是無様なら許してもらえるかと泣いて懇願したのだが、申し訳なさそうに謝られただけ。外すのは是羅様の許可がいるという。
それに射精できない苦しさにゆっくりしてと願っても、若い是無様の勢いは決して止まらず、何度も意識が爆ぜるほどの快楽に襲われて、それだけで疲れ果てて動けないほどだった。
たっぷりと中へ出された後は零してはいけないと栓もされてしまう。それもただの栓じゃなかった。歩けばゴリゴリと中が抉られ、声が絶えきれないほどの快感に襲われる。抜いてと懇願しても許されない。
身動げば快感になって返ってくる栓を入れ続けるのは感じすぎて嫌だったけれど。
「我が王家の子種はそれを受容できる力のある身体の中で数ヶ月を経て珠になります。おなごであれば子宮にですが、男であれば排泄の管の一部に珠造りの部屋ができるとのことです。次兄様が確認されたところ、シオンはその部屋ができているとのこと。ですので、子種を零さないようにこの栓は入れっぱなしとさせていただきます」
私が飲まされていた滋養強壮の丸薬がそれだと、王家秘伝の貴重な薬になるのだと聞かされては、私が否を唱えることなどできなかった。
それに服も。
準備されていた服の卑猥なこと。
袷が少なく、襟ぐりが広く、腰紐で止めてもすぐに緩んで前が開く。丈は短く裾は足の付け根辺り。しかも下着もズボンもないから、少しでもはだければ貞操帯に包まれた陰茎が飛び出し、前は剥き出しになる。前屈みになれば尻は丸出しだ。
そんな格好で私は奥宮内を移動する。
少ないとはいえ召使い達や近衛の視線はいつも私を舐めるようで、その視線のいやらしさを隠しもしない。こっそり訴えても、私が厭らしく見せているからだと叱責されてしまった。
そんなつもりはなくても、許してもらえない。
仕方なく譲歩して、視線は無視して急いで歩こうとするのだけど。
「シオン、兄上様が待っているから急がないと」
是無様が優しく諭してくれるけれど、足がもう動かない。一歩踏み出すたびに奥を抉られ、膝が崩れそうになっているのだ。仕方ないと尻を叩かれても、それでも感じすぎて膝力が入らず動けないのだ。
でも是羅様に怒られるのは怖い。特に時間が守れないと厳しい仕置きが待っている。
先日は庭に全裸で立たされ、奥宮に響き渡るほどの大声で遅れた理由何度も口にした。
「私は、お尻に入れたお漏らし防止の太い栓に感じまくって歩けなくなり、人も行き交う廊下で魔羅を床に擦り付けて淫らに振る舞ったあげく食事の時間に遅れました。そんな浅ましいシオンは、もう二度とそのような振る舞いはいたしません、お許しください」と。
事実であるから拒絶はできず、本当に隅々まで聞こえないと是羅様は許してくれず。
何十回も叫んで、声が出なくなるまで謝罪をしてようやく許された。
そのとき感じた羞恥はもはや思い出したくないほどで、それを思い出して必死になって歩き続けた。
ずっと射精できなかった私がようやく射精できたのは、奥宮に住まう王家の方が全員揃った夜だった。私がここに来てから一ヶ月が経ったときだろうか。
私の尻にずっぽりと入った陛下の太い陰茎。
右の乳首には是蒼様が強く吸い付きなめ回し、左の乳首には是無様が乳輪ごとに食らいつき、チュウチュウと音が立てるほどに吸っている。そして、久方ぶりに外された貞操帯の中にあった陰茎を是羅様が口に含んだ途端、私は狂ったような嬌声を上げて射精していた。
是蒼様による四点責めの指南でようやく射精できた喜びは何にも代えがたいほどにすばらしいものだった。
それは過去どんな交合でも味わえなかった射精衝動で、そのまま意識を失ったほどだ。
これこそが至福、これこそが真の絶頂。
思考は全て多幸感に覆い尽くされ、ほかの何も考えられなくなる。
痙攣し身体はいつまでも止まらず、そんな中でも陛下の抽挿も是羅様達の愛撫も止まらないから、私は一体何回イったのかわからない。
本当に良かった、この奥宮に入れて。
是羅様達の弟になれて、陛下に可愛がってもらえて。
そんなことばかりが頭の中を浮かんでは離れない。
「本当に良い子を得ることができ、余は嬉しいぞ」
陛下のお言葉に歓喜の涙が溢れる。
「シオン、いい子でいればこうやって皆でいつまでも可愛がってやろう。そのときにはここも可愛がってやろう」
口の中に含んだ陰茎を嬲られながらの是羅様の言葉がとても嬉しい。
「また新しい玩具を思いついたんだ。まだまだ実験段階だからすぐじゃないけど、絶対に作りたいと思っているのがお尻の骨の先端に取り付ける尻尾なんだ。長くしてね、皆がつい握っちゃいたくなるように動かせるやつ。もちろん神経もつないで、毛の一本に触れても触られてるって感じるようなやつ。シオンも楽しいと思うよ」
是蒼様に言われて期待に胸が膨らむ。
「最近肌艶に良く嗅いだ者を虜にする香りを持つ香油が手に入りましたので、湯浴み後にはマッサージを追加しましょう。全身に塗り込めているといずれ香油がなくても香りが続き、今よりさらに美しく見えるとのことですよ」
是無様から香油の香りを試すように嗅がされて、ずくりと身体が熱く疼く。
きゅうっと陛下のモノを締め付ければ、中に多量の子種が満ちていく。
「今度は我が」
是羅様に引き寄せられ、ずるずると抜ける感触に嬌声を発し、宙を彷徨う手が是無様に取られた。体温は低いのに、触れてくる肉塊はひどく熱い。
引きちぎらんばかりに乳首を吸い上げられながら、今度は是羅様に突き上げられて、歓喜の悲鳴を上げる私の口に先ほどまで体内に入っていた陛下の魔羅が突き入れられた。
呼気を塞ぐほどに喉の奥まで入れられて、窒息する苦しさに喘ぎながら全身で弾ける快感に唸り続ける。施術により太い陰茎を喉の奥まで受け入れることはできるが、息ができない苦しさはいつでもある。だが最近はその苦しさにも感じてしまう。
太い魔羅がずるりと口から抜け落ちて、勢いのある子種が私の顔へと飛んできた。口角にたらりと流れてきたそれを、舌を出して舐めとって。
「嬉しい……あぁ、すごっ、ああ、幸せ……」
味わいながら思わず呟けば、陛下がさもありなんとばかりに頷かれた。
「別宮の者達すら味わう幸いな暮らしを、我らがシオンに与えないはずはないだろう。今もあの宮で響くは歓喜の歌声ばかり。我らが王家に迎え入れたシオンには、この先も永遠に最高級の喜びを与え続けることを誓おうぞ」
「「「是」」」
陛下が高らかに宣言され、三人の王子達が声を揃えて応える。
その身を縛る言葉を、私はもう数え切れない空イキの中で聞いていた。
【了】