アベック鬼ごっこ 4

アベック鬼ごっこ 4

「あなたのそれは随分と自分勝手なものなんですよ」
 相変わらず家城が、冷淡とも言える態度で梅木に詰め寄る。
 それはわざと梅木を怒らそうとしているように啓輔には見えた。
 梅木の両手が躰の横で色が白くなるほど固く握りしめられ、僅かに震えている。
「それとも、あなたにとって、服部さんに構ったのは遊びだったんですか?今日ここにきたのもお気に入りおもちゃでも取り返そうという気持ちなんですか?」
 その言葉に服部がひくりと引きつったのが見えた。と、同時に梅木がその拳を繰り出していた。
「あっ!」
 啓輔がそれと気づいたときには、梅木の拳は家城の顔面で手によって遮られていた。
「き、さま?っ!」
 ぎりぎりと音がしそうな程食いしばられた歯の隙間から漏れる言葉の剣呑さに、啓輔は知らず後ずさっていた。
 それを涼しい顔をして受ける家城ですら空恐ろしいと感じてしまう。
「何を怒っているんです?言われたことが真実だったから、ですか?」
「違うっ!」
 静と動。
 この二つがせめぎ合ったらどちらが勝つんだろう。
 だが、どう考えても主導権はずっと家城が握っている。すでに梅木が踊らされいると思うのは間違いではないだろう。
 家城の口元にすうっと笑みが浮かんだ。
 それは梅木を挑発するものだと、はたから見ている者には判った。
「何がどう違うんです?では、あなたは一体どうしたいんです?」
 それに梅木が乗った。
 怒りでこめかみ辺りがひくついている。その怒りの炎すら吹き出していそうな眼は家城以外眼中にないようだ。
「俺は、誠とのこと遊びなんて思っていない。そりゃ、最初は勢いだった。気がついたら組み伏せていて、もう後戻りなんてきかなかった。だけどな、俺はずっと誠のこと好きだったんだ。最初逢ったときからずっと気になっていた。あいつが……あんな理不尽な異動で、開発部から離れる事になったとき、俺は気付いたんだ」
 梅木がぎゅっと一度瞼を固く瞑り、そしてかっと見開いた。その視線の先にいるのは家城。だが、家城はそれを真っ向から平然と受け止めていた。
「誠を絶対手放したくないっ!ってな。あいつは……入ってきたときからどこか引っ込み思案で、人見知りがあって、言われるがままの、どっか頼りなげ奴だった。だけど、仕事をさせてみれば、ちゃんとできるんだ。もっと自信を持てばいいのにって想うくらいにな。そういうことに気付いて……気付いたから、俺はずっとあいつを見ていた。だから誠を助けたいと思ったし、あんなことだってできたんだ!嫌いな奴なんか、俺は放っておく。俺は、誠が好きだから、だから、あんなことしたっ!」
「…う…めき……さん……」
 茫然とした小さな声がそれでも梅木の言葉の狭間を狙うように響いた。
 あ……
 小さな叫び声が啓輔の耳に聞こえたような気がした。
 梅木の怒りの赤に染まった顔から、すうっと音を立てて血の気がひいていく。
 おずおずとその手を自分の口元に持っていった。
 驚愕に見開かれた目が、家城を見、そして声を上げた服部に視線を移す。
 勢いに任せて自分の真の想いを吐露してしまった事に梅木はようやく気がついたのだ。
 それをじっと見ている服部の目から涙が流れ落ちてる。
「俺は……」
「今でも好きなんでしょう?なのに自分の思いばかりぶつけて、彼の思いは受け入れてあげられないんですか?それは、独りよがりです。それでは、どちらも不幸です」
「俺は、言うつもりなんてなかったのに……」
 さっきまでの勢いが梅木から消えていた。
 ぎゅっと握られた拳が、ふるふると震えている。
「梅木さん……」
 服部が立ち上がって梅木に声をかけた。
 涙で濡れた頬をぐいっと腕で拭き取り、服部はにっこりと笑い、そして言った。
「僕ね、後悔なんかしていない。確かに最初は嫌だったけれど、それでも途中からは、梅木さんだったらいいやって思っていたんだ。僕も最初から梅木さんには惹かれていた。すごいバリバリと仕事をこなしていて、誰にも物怖じすることなくぶつかっていける人だから。僕には無い物をいっぱい持っていて……それで憧れていた。それに僕が開発から情報管理に移ることになった時、ただ一人反対してくれたって事も知っていたから。だから、梅木さんに初めて抱かれたときショックじゃなかった……って言ったら嘘になるけど、梅木さん以外の人だったらたぶんあんなことされたら、自分を取り戻すなんて出来なかった。もっと落ち込んで、今の僕はもういなかって思う。梅木さんだから……。僕梅木さんだからあんなことできたんだって思う。受け入れることができたんだって思う。別に隅埜君達を見て煽られたからじゃないよ。確かにきっかけはあったかも知れない。でもきっかけはそれだけじゃなかった。梅木さんに告白する前に後一人、相談に乗ってくれた人がいたから……その人が、後悔だけはしないようにって言ってくれたから……だから、言うことにした。もう一人でじめじめ悩んで、落ち込みたくなかった。それに……もう、ずっと言いたかった。」
「誠……」
「この前言ったこと、冗談や思いつきなんかじゃない。煽られたからでもない。僕、もう一回考えたから……間違いないよ。僕は梅木さんが好きだ。それこそ……今ここで抱き締めて貰いたい。この場で押し倒されたっていいって位に……だから……僕……」
 どんどんと声が小さく、そしてその顔は羞恥のためだろう、真っ赤になっていく。
「いいのか……」
 ぽつりと梅木の口から漏れた言葉に、服部がはっと梅木を見つめる。
「俺……お前のこと、拒絶しようとしていた癖に、でもお前が家城さん達と一緒にいるのを見て、こうやって乗り込んでくるくらいに……独占欲が強いんだ。……俺、お前が他人と話をするのも嫌だって思えるくらい嫉妬して、無茶苦茶にするかも知れないけど……それでも、いいのか?」
「……今更……だよ。だいたい今だってあれだけ部屋に来てはわあわあ騒いで、仕事は放ったらかしにするわ、こっちの仕事の邪魔ばっかりするわで、いい加減迷惑はしっぱなしだよ。だけど、それでも梅木さんが来るの楽しみにしているんだ。それにプライベートまで加わっても、それは僕にとって負担にはならないよ。梅木さんがずっと僕のことを見てくれるのなら……梅木さんが僕の事を好きだと言ってくれるのなら……なら僕はどんな無茶でも受け入れられる」
 くすっと服部が笑っている。
 それを見た啓輔は服部の強さを感じた。だからだろうか?梅木の方が弱く感じる。
 何でだろう……。
 朝会社で見たときは、ひどく弱々しげだったのに……。
 ぼうっと二人を見ていた啓輔は、ぐっと腕を惹かれて我に返った。
「さて、けりはついたようですよ。いつまでもぼーっとしないで下さい。バカみたいですよ」
 ぐさっ
 そんな擬音がまさにぴったりと来た啓輔は、ムッとして家城を睨み付けた。
「俺のこと完全に無視して話進めたのはそっちだろうが」
「そうですか?にしては、にやけた顔で見ていましたよね。服部さんの方もちらちらと窺っていたし。隠そうとしても、判りましたよ」
 へっ?
 笑っているように見えたと言うのなら、それは自分が部外者であることに安堵した時のことだ。
「べ、別に、服部さんのことで笑ってた訳じゃねーよ。俺は服部さんの味方だから、だいじょーぶかなあって心配だっだたけ」
「ふ?ん。では服部さんの想いが通じて良かったですね」
「ああ……って、何であんた、そんなに冷たい目してんだよ。怒ってるみたいじゃねーか」
 ぞくりと全身が総毛立つ。覗き込むように窺う家城の視線からふいっと目を逸らした。
「そうですね。言い出したあなたが何もせずににやにやしているのには、少し腹が立ちましたけどね」
「だからっ!そんな事する暇なかったろ。だいたい俺なんかが口を出したら、家城さんの作戦なんか失敗してたかも知れないぞ」
「ああ、それはそうですね」
 って!簡単に肯定するなあっ!
「おい。俺達、帰るからな」
 何か言い返そうと虚しく口をぱくぱくさせていた啓輔。その二人の間に梅木の低い声が割り込んできた。 
 はっとしてそちらを見ると、服部の腕を梅木が掴んでいた。
「今日はまあ、感謝する。何だかんだ言っても、誠のためにしてくれたんだってことは判るからな。ただし、今後一切誠に手を出すなよ。そん時は、容赦しないからな」
「あなたが、啓輔に手を出さなければ私も何もしませんよ」
 それに口の端だけを微かに上げた家城が応酬する。
「いい加減、お前らも変なカップルだが。どっちが攻めだ?」
 は?
 とんでもない質問を聞いたような気が。
 啓輔が目を白黒させて立ち竦んでいると、家城が何でもないように口を開いた。
「それは当然……」
「うわあああっ」
 家城の言う言葉を察した啓輔は、咄嗟に大声を出して、家城を機制した。じろっと家城を目で制すると梅木を睨み付ける。
「俺達のことなんかどーでもいいだろうが。とっとと帰ったら。服部さんが困っているじゃないか」
「ふん。言われんでも」
 それ以上つっこむつもりはないのか、梅木はさっさと部屋を出ていこうとした。引っ張られるようについていく服部が慌てて、家城に向かってぺこりとお辞儀をする。
「おい、行くぞ」
 その腕を梅木が再度引っ張る。
「もう、梅木さん。お礼ぐらい言わせてよ」
「こんな奴らに礼なんか必要ない」
 きっぱり言い切った梅木に服部はむうっと眉間にしわを寄せつつも抗うことなくついていった。


 随分と嬉しそうな服部の笑顔が印象的だった。
 二人が出ていくと、一気に静けさが部屋の中を漂う。
 さっきまで啓輔に突っかかっていた家城も二人の様子に予想外に毒気が抜かれたのか、無言のままキッチンへと向かった。
「何か、呆気なかったな」
 呆気無かったけど……疲れた。時間にしてみれば僅かな間だった。時計の長針はそんなに動いた形跡がない。
 啓輔はソファにぐったりと躰を投げ出した。
「もともと二人とも好きあっていたんですからね。それを梅木さんが余計な気を回しすぎて、うまくいっていなかっただけです。梅木さんの方をつついてしまえば、後はどうとでもなりますよ。服部さんがその気なんですからね」
 すっと差し出されたビールの缶を受け取る。
「今日は未成年、なんて言わないんだ」
 くすりと笑うと家城もその口元を歪めた。
「たまには、ね。疲れたんでしょう?」
「う?ん、まあね」
 確かに酷く疲れている。
 精神的な部分が多いとは思うけど……特に今日は……。
「だってさあ、服部さんのことも一応俺なりにいろいろ考えたんだぜ。まあ、今日は出る間も無かったし。それはそれでラッキーなんて思ったけどさ。でもそれ以上に今日滝本さんや竹井さん達にもいろいろと言われたんだぜ。金曜日の件……」
 ちらっと家城を窺うと、涼しい顔でビールに口を付けている。
「家城さん、荒れてたんだって?どうにかしてくれって何でか俺に言うんだよね、みんな」
「そうですか。それは災難でしたね」
「……」
 も、こうなるとため息しか漏れない。
 ああ、もう……。
 啓輔はぐいっとビールを飲むと、気分を変えて、先程思ったことを家城に言ってみた。
 服部の方が強いと感じた事だ。
「それは、服部さんが一度挫折しているからですよ。どん底から這い上がってきた服部さんと、最初から目を背けていた梅木さんとでは、それは強さが違います。啓輔は服部さんが弱々しそうに感じることもあるでしょうが、彼は以外に強い一面を持っていますよ」
「そうなんだ……」
「啓輔だってそうでしょう?」
「え?」
 いきなり振られて驚いて家城を見ると、そこにある真剣な目に見入ってしまった。
「啓輔は手ひどい挫折を繰り返してきているから、今は少々の事では動じませんよね。何かあっても結構立ち直りが早いし……」
「そう……?」
 そうなんだろうか?
 自分ではそんな事、思っても見なかったが……。
「啓輔は強いです。いつだって私を翻弄して掻き回してくれて……いつだって私はあなたを追いかけている気になってしまう」
「は、あ?」
 何だそれ?
 家城の言っている意味が半分も分からなくて呆然と見遣ると、家城がことんと缶をテーブルの上に置いた。
 ソファに手をつき、啓輔の上にのしかかってくる。
「あ、ちょっと!」
 顔と顔が10CMも離れていないところで、家城が囁いた。
「あの時……あの車の中で啓輔の方が仕掛けてこなかったら、こんな関係にはまだなっていなかったかも知れませんよね。私には踏み出せなかった事を、あなたはいつだって簡単に踏み出してくれる。私はいつもそれに従うだけです。いつだって……」
「家城、さん……」
 ど、どうなっているんだ、これは?
 思わずソファの背もたれにぐっと躰を沈み込ませる。
 い、いや……これは、そのそういうシチュエーションで、気にすることはないんだよな?
 だが、目前の家城が思い詰めたような顔をしているのが気にかかる。
「な、どうしたんだよ?何、考えてんだ?」
「今日、休憩時間の時に、何で竹井君を追いかけていたんです?」
 ぎくっ?んっ!!
 見てたのか、こいつは!
 あの状態で!
「休憩を誰と一緒に取ろうと、私は気にしません。だけと、あの時はちょっと普通ではなかったですよね。竹井君もあなたも」
 うっわぁぁぁぁ!
 ちょっと待てっ!
「あ、あれは、竹井さんが安佐さんと喧嘩状態になっちゃって、で、なんでか泣きそうだったんだよ。そんで追いかけたって言うか。ていうより、何で俺が責められなきゃいけないんだよ。元はといえば、家城さんが金曜日にみんなにあたるからだろーが」
 手を伸ばして家城の肩を押し戻す。
「元はと言えばって……そのおおもとは、あなたの方でしょうが?」
「うっ」
 それを言われると元も子もないのだが……。
 啓輔は上目遣いに家城を窺っていた。
「なんだよおっ!家城さんだって服部さんとあんなに親しくしちゃってさ、俺、信じろって言われてたから我慢したけど、あれ見た途端叫びそうになったんだぞ。あんなの、あんなのっ、俺、どんな想いで見てたか!しかも竹井さん達には責められるし!!」
「そう言えば……そうですね」
 意外にすんなり認められ、啓輔はそれはそれで口ごもってしまう。
 あれも仕返しかって聞きたかったが、そんな事をいうと墓穴を掘りそうな気がして言うことが出来ない。
「で、それが?」
 それが……って……言われるとどうしようもないんだけど……。
 至近距離にある家城の顔。
 僅かに離れていても伝わってくる体温。
 ちょっとだけ入っているアルコールの影響もあるのか、啓輔の躰は熱を持ったように火照っていた。
 それに気づくと、今度は違うところがぴくりと反応する。
 ああ、俺って、お手軽……。
 なんだか、またこれで有耶無耶になるんだろうなあ。
 ふっと浮かんだ考えに苦笑しつつも、駄目もとで聞いてみる。
「なあ、今日は俺にやらせてよ」
 途端に家城がはっと躰を起こそうとした。
 それを咄嗟のところで捕まえた。
 逃げられないようにぐいっとその襟元を捕まえて引き寄せる。
「滝本さん達の愚痴、俺が引き受けたんだからさあ……少しはご褒美貰ってもいいと思うんだけどな。いいだろ?」
 耳元に口を寄せ、息を吹き込むように囁くとため息にも似た吐息が聞こえる。
 すうっと赤くなっていく家城の首筋を観察しながら、啓輔はそっと家城を抱き寄せた。
「明日は仕事ありますから」
 強ばった躰を抱き締めていると、そんな言葉が耳に入った。
「も、駄目。止まんねーよ」
 欲情して掠れている自分の声をそのまま家城にぶつける。
 びくりと素直に震える躰を愛おしげに抱き締めた。
 くうっ!堪んねーよ。
 どうしてこんなにこいつってば可愛いんだよおっ!金曜みたいに強気なときはあんなに憎たらしい癖に!
 その温もりが気持ちいい。
 啓輔の腕の中で、家城がふっと息を吐いた。その途端に家城の強張っていた躰が柔らかくなり、その手が啓輔の背にまわされる。
 これって……させてくれるってこと?
 いつだって言葉で翻弄して、俺にやらせてくれねーくせに。
 ちらりと家城の横顔を窺うと、瞼を固く閉じて啓輔の肩に埋めるようにしている。
「家城さん……って、純哉って呼んだ方がいいかな。こーゆー場合?」
 くっと喉を鳴らすと、家城の朱に染まった範囲がすうっと広がった。
「なあ、淳哉……俺、すっごく欲しい……もうずっとさせてくれてないじゃん。俺だってたまには……したい。な、頼むよ……」
 その耳朶を甘噛みしながら、熱のこもった息とともに囁く。背にまわした手をゆっくりとまさぐるように上下させ、背筋のラインをシャツ越しに激すると、家城が堪えられないように吐息を漏らした。
「ふっ」
 微かな震えをその手の中に感じながら、啓輔は懇願していた。
「俺は……淳哉としたい。淳哉を感じさせたい。淳哉の中に……入りたい……」
 家城の躰をさらに引き寄せると、明らかに固く張りつめたモノを躰の上に感じた。
「淳哉……」
「んっ!」
 それにそっと手を添えた途端、家城が強く手を突っ張った。逃れようとするせいで露わになった顔は何かに堪えるかのように歪み、そして火を噴きそうな程に赤い。
 だが、啓輔は決して家城にまわした手を離さなかった。
「逃がさない」
 にやりと笑いながら声をかけると、見開いた目が啓輔を見据える。
「どうして……そんなに……」
「だってしたいものはしたいの。家城さんだって、したいから俺とするんだろ?そりゃ、家城さんにされるの、嫌じゃねーけど……でもやっぱり凄くしたくなる時ってあるんだ。今がその時」
 きっぱりと言い切ると、大きなため息が家城の口から漏れた。そして、その赤い唇が開く。
「啓輔の好きなようにしてください」
 掠れた声だった。
「純哉っ!」
 乱暴にきつく家城を抱き締めると、噛みつくように口付けた。
 今のこの機会を逃したくはなかった。
 両腕を家城の頭に回し、さらに強く深く口付けると、家城の柔らかい唇を貪るように味わう。唇から伝う少し苦いビールの味が酷く美味しいと感じてしまう。
 家城の唇がすっと緩んだ。それを逃さず、するりと舌を差し込む。
 それを家城の柔らかな舌が招き入れた。
 絡め取ろうとして絡め取られる。
 上顎の内側を撫で上げられ、ぞくぞくとした疼きが背筋を走る。掻き抱く両の手に余計に力が入った。
 もう、止まらない。 
 家城を抱いたまま姿勢を入れ替えると、ぱさっと乾いた音がして家城の躰がソファに沈み込んだ。一瞬だけ、驚いたように目を見開いた家城だったが、啓輔が再び口付けるとまた目を閉じて受け入れる。
 熱い……。
 シャツの裾から手を入れると触れた躰がしっとりと汗ばんでいた。
「ふっ」
 つつっと動かした手に家城が身動ぎ、鼻にかかった声が漏れた。堪らないとばかり顔を背けたせいで露わになった首筋に誘われるように吸い付くと、熱を持った躰から家城の匂いが立ち上り、啓輔はさらに煽られた。
 吸い付くたびにびくりと反応する躰。
 家城の手が時折焦れったさそうに動く。
 無意識の内に啓輔の躰をまさぐろうとしては、それに気付いて止めているっといった感じだ。
 どうやら、家城は本気で啓輔にさせてくれる気になっているらしい。
 家城がぴくりと仰け反ったその喉元に吸い付き、尖らした舌で首筋をつつきながら移動する。
 啓輔の行為は昔女相手にしたときの経験を除けると、全て家城が施した行為を繰り返しているだけに過ぎない。まだまだ自分から仕掛ける経験の少ない啓輔の動きはほとんどが本能の赴くままだ。
 だが、それでも家城が反応してくれる。
「……っ……あ……」
 押し殺した声が喉から漏れ、何かに堪えるように唇を震わせ、顔をしかめる。
「ここ、いい?」
 わざと強く吸い付いてから声をかけると、家城はふるふると首を振った。だが、眉を寄せた切なそうな表情は、家城が感じている事を如実に現している。
「嘘つき……」
 啓輔が揶揄を込めて言うと、家城は赤くなったその顔を逸らせた。
 感じていないはずはない。
 家城は肌への愛撫に酷く敏感なのだから。
 嘘をついたお返しとばかり、知っている性感帯に舌を這わせる。
「…んくっ………ああっ……」
 その顔……。
 喘ぎ声を漏らすその顔が啓輔を煽る。
 抱かれている時に見せる愉悦に堪える切なそうな顔が啓輔は好きだった。
 その顔が、抱いているときには特にたくさん見ることができる。
 啓輔の手が直接胸に触れると、家城の手が啓輔を押しのけるように動き、より一層きつくしかめられた顔が羞恥に彩られ、啓輔から逃れるように背けられる。その横顔へ誘われるように唇を押しつけると、それら答えるように家城が自らの唇を押しあててきた。
 押しのけようとしていた手が、啓輔の背に回されシャツを掴む。
「……んっ……」
 鼻にかかった声はどちらのものか判らない。
 家城とのキスはそれだけで、頭の芯を痺れさせるから。


 溺れる。
 家城の足を抱え、まだきつい家城の中を突き進みながら、ふっと思い浮かんだことはその事だった。
 抱かれることは嫌いではない。最近ではそれに慣らされてしまったことは否めない。
 だが、それでも無性に家城を抱きたくなる。それは、抱いたときでないと見せてくれない表情をもっと見たいから。他人が知らない家城の表情。
 抱かれる側は啓輔の時だけだと言っていたから、その表情を知っているのは啓輔だけだと言うことになる。
 だからこそ、抱きたいと思うし、何よりも堪らない。
 家城の躰の中に自身を沈めたときのこの愉悦。
 溺れる。それがほんとにしっくりくるくらいに、啓輔は家城がいいと思ってしまう。
 欲しくて欲しくて堪らなくなる。
 締め付けられ痛いぐらいに感じながら、それでもぐいっと突き進むと、家城の喉が声にならない悲鳴を上げた。
 必死で堪えているその姿が何よりも愛おしい。
 愛おしくて離したくなくて……だけど苦しませたくないから、啓輔はそっと家城自身を柔らかく握り込んだ。
 ゆるゆると扱くと、きつく食いしばられていた歯が緩み、甘い声が漏れる。
 そのタイミングを計って、一気に奥まで貫いた。
「ああっ!」
 中を突き上げられた衝撃が、家城に声を上げさせる。
 反動でぎゅっと中を締め上げられ、啓輔の方も息を飲んでそれに堪えた。
「じ、純哉……緩めて…よ……」
 痛みに襲われ口走った言葉が届いたのか、家城が大きく息を吐くと、締め付けが緩んだ。
 うっすらと開かれたその眦には涙が浮かんでいる。
「…け……いすけ……」
 家城の中が馴染むのを待ちながら、息を整えていると家城がすうっと手を伸ばした。それはまるで誘っているようで、啓輔は起こしていた半身を家城の上に覆い被せる。
「何?」
 耳元で囁くと、家城は真っ赤に染めた顔を背ける。
「……っ」
 その口が何かを言葉を呟いたのだが、あまりにも微かで聞こえない。
 何だろう……。
 その顔を覗き込むと、固く閉じられた瞼が微かに震えていた。
「何?」
 再度問いかけると、その瞼が微かに開けられる。その視線がどこか虚ろで、焦点が合っていない。それに気付いてさらに覗き込もうとした途端、家城の中で啓輔のモノが動いた。
「んっ!」
「純哉?」
 再び閉じられた瞼。だが、その替わりのように濡れていた唇が開かれる。
「も……う…ご……いい…」
 はあっと熱い吐息が最後に漏れた。
 え……これは……。
 啓輔は一瞬見開いた目でまじまじと家城を見遣る。だが、頭が理解するより早く、躰が反応した。
 先ほどよりさらに固く体積を増した啓輔のモノが深く家城を抉る。
「うう……っ!」
 求められた。
 家城の方から……それが何よりも啓輔を昂ぶらせ、躰がより一層家城を求める。
 入れられる経験の少ない家城のためにたっぷりと使ったゼリーが溢れて湿った音を立てる。
「…くふ……はあ…………ああ…っ!」
 互いの躰の間に挟まれた家城のモノが固く興っている。
 それが挟まれ擦られて余計家城を高めているようだ。啓輔自身、家城にさんざんやられた体勢だから、家城がどんなふうに感じているのか判っていた。だから、より一層よくなるように姿勢を変えながら突き上げる。
「す、ごい……中……あつ……いからっ!」
 動きながら喋ると息が上がる。それでも何か喋らずにはいられなかった。
 絡みつくような家城の躰の中は待ち望んでいたそのものだったから、その刺激に啓輔自身そうもちそうになかった。
 だけど、その前に何としてでも家城を達かせたい。
 啓輔は家城のモノを掴み込むと、一気に扱きあげた。
 先走りの液でしとどに濡れていたせいで、手が滑らかに動く。
「ああっ……はあっ………だ、めっ」
 切羽詰まった声と共に手が抗うように動くが、啓輔はそれを無視すると一気に家城を突き上げた。
「ああっ!」
 家城の喉から嬌声が上がる。
 迸ったモノが啓輔の手と互いの腹を汚した。
 途端にきゅっと家城の体内で締め付けられた啓輔自身も堪える暇もなく、一気に解放させられた。 

「あんたって……ほんと……可愛い……」
 荒い息のせいで途切れる言葉。だけど、言いたかった。
 そのせいで怒ったように顔をしかめられても、それが照れ隠しのせいだと判るからもっと見ていたいと思う。
 啓輔は家城の頬に口付けると、一向に萎えそうにないモノで再度家城を突き上げた。
「あっ!」
 油断していたのだろう。大きく目を見開き、驚いたように啓輔を見つめる家城に啓輔は口の端をあげて応えた。
「俺、足んねーもん」
「でも……仕事が……」
「だって、これを逃すと次いつやらせてくれるかわかんねーだろ。だから、俺、もっとやりたい」
「やりたいって……若いですねえ……」
 呆れたようにため息と共に漏らした言葉を肯定の意味にとった啓輔はにんまりと相好を崩した。
「あんたって、そんな年寄り臭いこと言うなよな。こんな……可愛いのにさ」
 つつつっと家城の頬に手を這わすと、ふいっと顔を背けてしまった。
「何、怒ってんだよ」
「別に」
 だが、その短い言葉が掠れて上擦っているのだから、啓輔にしてみれば崩れた顔が戻らない。
「やっぱ、かわいーや」
 そう言うと、啓輔は再び動き始めた。

 結局、何回やったか判らない。
 何度も突き上げられ、疲れ果てた家城が意識を飛ばすまで啓輔は自分を止めることができなかった。
 朝になっても動こうとしない家城を覗き込むと、じろりと睨み返された。
 ひえぇっ!
 声にならない悲鳴を必死で飲みこむ。
「あの……朝なんだけど……」
 窺うように声をかけると、返ってきたのはきつい視線だけだった。
 やっばー、怒ってるう!
 無理はさせたと思うから、このまま寝かせてやりたいと思う。というより、どんなに仕事へ行きたくても、本人は動くこともできないのだろうが……。
 だが困ったことに、啓輔は会社への通勤手段が無かったのだ。
 ここは、家城のマンションで、しかも自分のバイクは工場に置いてきたまんまだ。
 休むか……。
 だけど……新入社員の啓輔には有給休暇は10日もない。両親が亡くなったドタバタで平日に休む必要性を身に染みて感じているから、できれば大事に使いたいから行けるときには行きたい。
 はあ……。
 完璧に忘れていたから、自業自得なんだが……。
「今、何時です?」
 俯いてどうしようと考えていたときに、突然家城に問いかけられた。その声が掠れている。
「え、あ、今……6時……だけど」
「携帯取ってください」
 手を差しのばされて、慌てて取ってくる。それを手渡すと家城は、ピピッと携帯を操作してどこかに電話をかけた。
 こんな朝早くどこに?
 啓輔は茫然とそれを見ていた。
 数度の咳払いの後、家城がふっとその顔を引き締めた。
「あ、おはようございます」
 誰だろう?
 啓輔がじっと見ていると家城がふっと口の端を上げた。
「ちょっと、私は今日休みますので……いえ、風邪のようなんです。で、隅埜君が昨日泊まったんですよ。彼を会社まで連れて行って貰えませんか?」
 げげっ
 啓輔は茫然と家城を見つめる。
 俺が泊まったことを平然と言えるような人って?
 いや、まあ、友人として泊まったんだったら、何も勘ぐられることはないと思うんだけど……。
「あ、ああ、ありがとうございます。じゃあ、6時半に。はい、それでは」
 携帯を切ると、家城が啓輔に視線を移した。
「あ、あの……」
「滝本さんが送ってくれますから、6時半に下の駐車場出入り口で待っていてください」
「た、滝本さんっ!?」
 あまりのことに声が裏返った。
 それって、お泊まりの理由がもろバレの相手ではないだろうか?
「どうしたんです?早く用意しないと間に合いませんよ。朝食は適当に食べてくださいね」
 冷たく突き放され、啓輔はがっくりと肩を落とした。
 嫌だなあ……。
 はあああ。

「おはようございます」
 顔を合わせられなくて、近づく気配に適当に頭を下げる。
「おはよう」
「おはよう」
 二人分の声がした。
 はっと顔を向けると、苦笑いを浮かべる滝本の背後にもう一人僅かな笑みをその口元に湛えた男が立っていた。
 なんか……ジャ○ーズみたいだ……。
 テレビで見るいわゆる格好良い系のタレント達の顔がふっと頭の中を過ぎる。
 そんな彼らと比べて遜色ない彼は、啓輔が見惚れているのに気がついたのかくすっと笑いながら首を傾げた。
 あ、やば。
 慌ててむりやり剥がした視線を滝本に向ける。
「彼は、営業の笹木だよ。昨日夜こちらについてね、泊まったんだ。同期でね、こっちに来ると私のうちに泊まるんだ」
「はじめまして、よろしく」
「あ、こちらこそ」
 ぺこりと頭を下げる。
 ああ、同期なんだ……って?
「じゃあ、家城さんも?」
「そう。金曜日もこっちに来てたから、一緒に飲んだんだけどね」
 笹木がこくりと頷いた。
 げー……。
 家城さん、嵌めた訳じゃないだろうな?
 今頃ベッドでダウンしている家城を疑ってみるが、乗せて貰わないと出勤できないのだからどうしようもない。
「車、こっちだよ」
「はい。お願いします」
 諦めるしかなかった。

「家城君、風邪だって?大丈夫?」
 笹木が助手席で、啓輔が後部座席に座っていた。その笹木が半ば振り返るようにして聞いてくる。
「あ、たぶん……」
 風邪……というか何というか。
「そう?」
 何故かくすくすと笑い出す笹木。
 何なんだ、この人は?
 どうもさっきから随分と楽しそうだ。
 啓輔の一挙一動を窺っているような気配がある。
 なんだかいたたまれない。
 しかし狭い空間だから逃げようがないから、とにかく外を見続けていた。
 信号待ちで車が停まった途端に、どこかでため息が聞こえた。
 ふとそちらに視線を移すと、滝本ががっくりと頭を垂れている。
「何だよ、優司。やっぱ、怠いんだろう?」
「ばっ、秀也っ!!」
 へっ?
 慌てたように笹木の頭をこづく滝本の髪を、笹木が笑いながら「お前こそ」と言いながらくしゃりと掴んだ。その滝本の反応に目を見開くと同時に、滝本がはっと自分の口元を塞いだ。
 二人が名前で呼び合うほど仲がいいんだと思いつつ、だがその滝本の反応に驚きを隠せない。何となれば、その一瞬で滝本の顔が朱に染まったのだから。
「だから、俺が運転するって言ったのに。腰、辛いんだろ?」
 だが、笹木の方はそんな滝本を煽るように言葉を続ける。
「だからっ!」
 滝本の視線がちらりと窺うように啓輔へと向けられた。
 聞かれたくない事柄なのだろうが、狭い車内で喋られたら嫌でも耳に入ってくる。啓輔は首を竦めてその視線から逃れた。
 えっと、まさかなあ……。
 腰が怠い……という言葉に、昨夜の行為を思い出してしまうのは……そういう状態を身に染みて知ってしまっているからで。
 もしかしなくても……。
 ちらりと前を窺うと、笹木と視線が合った。
 くすっと確信に満ちた笑みを返されては、啓輔もうっと言葉を失うしかない。
「そういう関係なんだよ。俺達はね。だから君たちとのことも判るんだよね」
「はあ……」
 そういう関係って……そういう関係なんだよなあ……。
 そういう関係って言うのを考えると昨夜の行為をさらに思い出し、啓輔の顔がかあっと熱くなった。
 少なくとも滝本は啓輔が家城とそういう関係なのを知っている。だが、これではこの笹木って人にもばれているって事だ。
「秀也……」
 もうどうでもいいから……。そんなニュアンスのため息が滝本から漏れる。
「ふふん。この位していいだろう?金曜日の家城君の荒れ模様は君のせいなんだから」
 ……。
 そっか……あの時、この人もいたんだ。だからか、さっきから、どう見ても俺で遊んでいるような気配を感じるのは。
「まあ、あの家城君を御するのは並大抵ではないだろうから、君ばっかりを責めても仕方がないとは思うけどね。でも家城君は君しか見えていないから。だから、君も家城君を大事にしてよ。結構困った性格だけど、あれで可愛いところもあるし」
「え?」
 いろんな事をいろんな人に言われた。だが、家城の印象は、皆一様に冷たい、厳しい、仕事ができる……だった。
 初めてだ、可愛いなんて言った人は。
「可愛い?家城君が?」
 運転席で滝本が不審そうに声を上げる。
「彼さ、結構純情だと思わない?優司だって知っているんだろう。彼が竹井君をずっと思っていたのに、結局手を出さなかったことをね」
「それは……まあ、そうだったけど」
「知って……るんですか?」
 誰も知らないのかと思っていた。
 家城にとって知られることを何よりも恐れていたようだったから。
「知っているも何も……俺ってそういうのって気付くの敏感なんだよ。だいたい竹井君と安佐君がつきあい始めた頃の家城君の行動はどう見ても嫉妬が入り交じっていたよ。本人も気付いていなかったみたいだけど、なんかね、判ってしまったんだよね」
 からかっているのかと思っていたが、どうもその声音が優しい。
 啓輔は茫然と笹木を見遣った。
「荒れていたよ、あの時からずっと。でも君と逢ったときなんだろうな、彼が落ち着いてきたのは。その前くらいに、ちょっと落ち着いてきたんだけど、ほんとに落ち着いたのは、4月に入ってからだからね。優司に君のことを聞いていたから、やっと彼も心を許せる相手が見つかったんだなって思った。あんな性格だから、いろいろ難しいかも知れないけど……たぶんね、喧嘩でもして二人が離れることになったら、ショックを受けるのは家城君の方が強いよ。彼は、ほんとに君のことを思っているから」
「そんなの……」
 何でこの人がそんなことまで言うんだろう?
 それよりそんなに家城が俺の事を想ってくれているんだろうか?
「隅埜君、家城君はね、ほんとに愛したのは君が初めてなんだよ。竹井君は、好きだったろうけど自分から諦めることができる程度だった。だけど、彼は君を諦めることはできないだろう。だから、俺達からも頼むからね。家城君のこと」
 どうして……。
 この人はこんなにも家城の事を心配してくれるのか?
 どうしてそんなにも家城の事が判るのか?
 啓輔にも判らなかった家城の想い。本当にこの人の言うとおりなのだろうか?
「ああ、そうだ。今度みんなで飲むときは、隅埜君もおいでよね」
 ふっとその笑みが悪戯っぽいものに変わった。
「え?」
 飲みって……金曜日みたいな?
「是非とも来て欲しいね」
「はあ……」
 メンバーって、この笹木さんと滝本さんと、竹井さんと安佐さんと、家城さんと俺?
 3組のカップル?
 でも……。
「楽しいと思うよ。だって、あの家城君の相手が来るとなったら、みんな手ぐすね引いているだろうし」
 くすっと笑われるその真意に啓輔は気がついた。
 げげっ
 冷や汗が背筋を流れる。
 強ばってしまった啓輔の表情を見て取った笹木が面白そうに声を押し殺して嗤う。
 滝本がつんつんとつつくが止まりそうにない。
「いい加減にしろよ」
「くくくっ。だって止まらない」
 これもあいつの後始末かよ。
 啓輔は大きなため息をつくしかなかった。


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 ジャパングローバル 人事部 本日の勤怠報告
 有給 ○○  ××   △△
 病欠 ++  服部   家城  竹井
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【了】


アベック鬼ごっこ
・二人ずつ(または三人)組になった人が同心円上に間隔をあけて並び、中心に鬼、円周上または外に逃げる人がいる状態で始めます。
・逃げる人は、組になった人と手を繋ぐことによって鬼から逃れることができます。ただし、その瞬間に手を繋いでいない側の人が逃げる人になります。常に組をつくっている人数は一定です。
・すぐ隣に逃げれば良いのですが、それは鬼も判っていますから、いかに素早く他の組に辿りつけるかが勝負になります。
・鬼は一人で逃げている人にタッチすれば、即座に交替。今度は追いかけられることになります。

という遊びです。

さて今回、最後に鬼に捕まった人は誰でしょうね(^^)V