シィコの専用品

シィコの専用品

 俯せになった俺の上で、いつも声を荒げる事などない陽介先輩が、息を乱し、獣のように唸っていた。
 大学に行きだした俺、桑崎伸吾がたまたま見かけた木島陽介先輩は、ダサくて愛想がなくて、根暗なオタクっぽくて、最初は興味なんかひとっかけらもなかったけど。
 実はとっても頭が良くて、良く通る声を持ってて、けっこうハキハキ喋るんだって知った頃から、なんか興味が出てきたんだ。
 けど、さすがにセックスしようとまでは思わなかったんだけどさ。
 ちょっとした事で見せた表情に捕らわれてしまった。
 口惜しそうに下唇を噛み締めて、頬を紅潮させて。俯いてて、他人の目に触れないようにはしているんだけど、俺の角度からハッキリ見えてしまったのだ。
 その表情に気付いた途端に俺の脳裏を過ぎったのは、俺専用の奴隷は自分で捕まえなくっちゃいけなかったんだ、て事で。
──で。
 なんだかんだ理由を付けて、俺んちに連れて来た。この部屋なら、なんだってできるからね。
 もちろん、テルはテンチョのとこだから問題無し。
 で、襲ってもらいました。
「シンッ、ウッ、ふックッ、ま、またっ」
「やっ、待って、──あぁ」
 わざとらしく悲痛な声を上げて、シーツに顔を埋めて、けど、尻に力を入れて先輩のチンポを締め付ける。
 三坂さんの教育の賜物の締めつけに、童貞が堪えられる筈もない。
「ああっ! い、イクっ!!」
 けっこう敏感なのも嬉しい。
 何度も何度もこの遊びを繰り返すほどに、俺の余裕もあるってのが正解でもあるけれど。
「ご、ごめっ──ま、またぁ……止まんないっ」
 先輩の腰はもうずっと止まらない。達っても、達っても、足りないようで、もう、何度もザーメン吹き上げてるけど、満足しないみたい。おかげで、俺のアナルはグチャグチャ。
「こ、こんなっ、何でこんなっl 桑崎、くぅっ」
「知らなっ、んっくっ」
 ホントは知ってるけど。
 三坂さんの素晴らしい媚薬のおかげだ。けど、それもそろそろ限界かな。
 これが三坂さんなら、俺の良いとこ、ガツガツ突き上げて達き狂いできるんだけど。
 けど、セックスなんか女ともしたことないせいか、ただ抜き刺すだけの抽挿は、ハッキリ言って三坂さんのテクに慣れた俺には物足りない。せっかく身体に似合わずデッカいチンポ持ってんのに、もったいなさすぎ。
まあ、せっかくだからと脱童貞させようって思ったのは俺の方だから、文句はいえないけど。しかも、三坂さん特製の極上媚薬をこってり盛ってっから、いつものマジメな理性なんて飛んじゃって、まさしく犯りたいばっかが頭の中、支配してんだろうけれど。
 顔は良いのに、ダサい髪とファッションで外見を台無しにしてた3つ上の先輩は、ホントに勉強一筋で、それは尊敬するところ。けど、こんなに簡単に俺の手の中に転がり落ちてくるんだから、バカだって思う。
 でも、そういうところも好みなんだよね。
 マジメな奴が、快感にドロドロにとろけて、ガマンできずに泣いて縋って欲しがる姿なんてサイコー。
「あぁっ、くっ!!」
 さすがに限界の、トドメの射精は短く、けれど何度も痙攣して、そのままグッタリと崩れ落ちた。
 
 ズルリと抜け落ちる刺激に身震いして、もっとと欲しがる欲望はほんの少し待たせといて。
「陽介先輩、ヒドイよね。俺をさんざん犯しといて、さ」
 達き過ぎて惚けている先輩に笑いかける。
 ──今度は俺の番だから。
 ベッド下から取り出した拘束衣は、きっと素敵に似合うだろう。
 
 狭いテルの部屋は、玩具もいっぱい、道具もいっぱい、そして。
 部屋のアチコチにいっぱいのカメラは全部稼働中。
 先輩と一緒に過ごす土日は、とっても楽しくて、素敵な映像になって、お店の売り上げにも貢献できるだろう。
 三坂さんお墨付きの身体での特別サービスはこれっきりだけど、それ以上の快楽をその身体に植え付けて、テルみたいな素敵な奴隷にしてあげるからね。
End