仕事が忙しくて、須崎の呼び出しに応じられたのは、1週間近く経った日曜日の夜だった。
その割には機嫌の良い須崎が差し出したそれを受け取って、首を傾げる。
きらりと輝く磨きのかかったステンレスの花びらを持つ花は、可憐ではあるけれど冷たい雰囲気を持っていた。
「ようやく穴が定着したからな。マジ長かったぜ」
「ひっ……痛っ」
前より赤く熟した乳首をつまみ出されて、その鋭い痛みに息を飲んで堪える。
定着するまで、と付けられていたバーベルタイプのピアスを外されて、ほっと息を吐く間もなく、先ほどの花が添えられる。
それがピアスなのだと気がついたときには、乳輪を隠すような位置で、棒が突き刺さっていく。
「うんうん、よく似合いそうだ」
原寸大
原寸大
須崎が作り出した淫具は、さらに精巧になっていて、この小さな花も須崎特製だ。
そうでなければ、ただ可愛い花だと褒めることもできただろうけれど。
「痛……くっ……うっ……」
土台のリング部の中央を横切るように棒があって、それが乳首を貫通し、両側をボール状の留め具で止められる。
「うく……」
取り付けられて手を放されたとたん、その重さに顔をしかめた。
何より、内側に折れている花びらの先端が、乳首をちくちくと刺激するのだ。
弄られ続けてすっかり性感帯になるほどに敏感な乳首は、布地が擦れる刺激にすら、重い疼きを下半身にもたらせるというのに。
わずかに体を捩るだけで、ピアスが動いてつんつんと突く刺激の位置も強さも変わってくる。
「土台が大きくてどうかと思ったが、できあがってしまえばこれはこれでOKだったな。やっぱ俺って天才だな」
「くっ……ふっ……う」
土台のリングは乳首より一回り以上大きくて遊びがたっぷりある。常ならば、上下左右にずれるだろうリングの位置を固定しているのは、乳首に刺激を与える内巻きの花びらたちで。
「今日からこれを付けてろよ。仕事の時も家にいるときも」
「あ、……ひ……そんな」
反対側にも付けられながらの命令は、その刺激だけで勃起してしまったテルには、受け入れがたいモノだ。
「だ……って……」
「そのうち、チンポ用のも作ってやる」
服の上からでもはっきり判るほどに勃起したペニスを擦られて、腰砕けになった体で須崎に縋り付く。
「あ、あぁ……はあ……」
「なんだ、欲しいのか?」
耳朶に触れる嘲笑に、心は拒絶しようとするけれど。
「う……ふぅ……ほし……、チンポ、ほし……いです」
熱を持った体は、心の全てを裏切ってしまう。
「そういや、一週間ぶりか……。三崎が有名ハッテン場でのセックス旅行に連れ出しやがったから、遊んで貰えないんだよな」
「は、い……あぁ」
毎日犯された体は、降って沸いた休暇に悦ぶどころか、ずっと泣いていた。
「俺も我慢できねぇ。今日は狂うまで犯してやるよ、覚悟しな」
その言葉に、明日から味わうだろうピアスからの刺激のことなど頭から吹っ飛んでしまっていた。