須崎コレクション3

須崎コレクション3

29-1.jpg 原寸大
「これはこれは」
 どうやらまともなものができたようで、パッケージ化までした一品モノ。
封入されたチラシのデザインを見て、笑みが浮かぶ。
「テル、イイ顔してるなあ」
「そりゃ、カメラマンの腕が良いもん」
 自慢げなシイコの頭を撫でてやる。
尿道用のディルドは、その名の通り翼付き。この翼をくるくる回してみたり、シャワーの滴を当てたりすると、いろんな振動が伝わって良いらしい。
もっとも、市販品よりは太くてデコボコのきついそれを受け入れられる奴隷は、なかなかいないんじゃねぇかって思っちまうけど。
「売れなかったら、また次を考えるさ」
 どうやら、須崎さんは作ることに楽しみを覚えているらしく、売れることは二の次のよう。
それに、どうやら使う対象としているのはテルのようで、テルが悦びそうなモノばっか作っている。
「ねえねえ、今度は乳首ピアスデザインしてよ。テルの乳首がもっと大きくなるように、つんつん刺激を与えるやつ」
「そういう細かい細工は苦手なんだけどなあ」
 シイコの提案に困ったように笑う須崎さんは、けれど、作る気満々のようで。
「須崎さん、嵌るのはいいんですけど、店番もお願いしますよ」
 最近、薬局の店番をなかなかしてくれないのが、困りものといえば困りものだった。
 まあ、そのせいで調剤室に入り浸る必要が出て、暇なときに新しい媚薬を作っている俺も、人のこと言えないけどさ。