獲物 

獲物 

20130302_Haikyo_1

 家で惰眠を貪ってたら、ケータイの着信音に叩き起こされた。
 ぶつぶつ言いながら出ると、ダチのレイドからで、なんか、来いって言うから、俺たちの溜まり場である町外れの端っこにある廃病院に来てみたわけなんだけど。


「ひいっ、イクっ、そこゎ……ひぃぃ……もっ」
「淫乱がまたイくのかよぉっ、ほれっほれっ」
 俺たちの溜まり場兼ヤリ部屋から、やってるのバレバレな聞き慣れた声が聞こえてきて。
 これはこれは、と、急ぎドアの窓から覗いてみれば。
「へえ……」
 また、感心するほどにレイドの好みにバッチリな奴が、レイドにケツ掘られてあんあん喘いでいたわけですよ。
「どったのよ、それ」
 ドアを開けながら聞く俺の声に、ゾクゾクするほどイイ啼き声とグチャ、ブチュって濡れた音がつながっとっから響いてる。
「おお、隣町で、見っけてっ、俺様が誘ってんのに、生意気、抜かすから、お仕置き中って、よ」
「レイド様のお誘いを断るって、いい根性してんじゃんっ」
「い、ああっ、た、助けてっ、もっ……ああっ」
 かわいい声でのおねだりは、もうかなり掠れてて、弱々しい。
「いつから、やってんの?」
 抗う動きも緩慢だから、もうけっこう時間経ってんだろうって思っての問いかけに。
「は、ああ……夜中だったぜ、連れてきたと時は」
「……はは、さすがレイド」
 もう昼が来ようかって時間なんだけどねぇ。
 最近、イイ奴がいねぇってぼやいていたから、貯まってたんだろうけどよ。
「で、俺を呼び出した訳は?」
 精力が有り余っている奴だが、いくらなんでも休憩時間かあ……とすると。
 答えは想像できたけど、一応聞いてみる。
「おお、こいつ、相当淫乱っぽいけど、まあ、てめぇの技で躾けて欲しいのよ」
 俺を見上げてきたレイドの言葉の意味に、まあ、判らない訳でも無くて。
 というより、やっぱ想像通りだったというべきか。
「何、そんなに気に入った?」
 ただ、ヤッって終わりってだけじゃあ物足りないらしい。
 こだわりが激しく強いレイドにそう言わしめるってことは、どうやらずいぶんと極上品ってことだな。
 しかも、レイドの奴の見立てが今まで間違ったことねえし。
 ぶるりとレイトが震えて、中だしされた20歳そこそこの兄ちゃんの目はもう虚ろ。
 白目を剥いて涎まくりの顔は、まあ、俺の好みにも合っているし。
「OKOK、全部俺に任せてくれるんだろ?」
「もちろん、おまえに任せた方が墜ちるのがはええからな」
「了解」


 その後、レイドがたっぷり満足してから、俺はぐったりしたそいつを別の部屋に連れてった。
 まずは、首輪をつけて、鎖で繋いで。
 もう緩んだだろう尻に入れるバイブは、あんまり緩むと面白くねぇから細身の奴で。
 イキまくってすっかり萎えたチンポとまだまだ可愛い乳首を躾けるのは、起きてからだな。
 俺は一通りの準備を済ませてから、よいしょっと立ち上がって、今回の獲物を見下ろした。
「目が覚めたら、調教開始だ」
 チンポどころか、男を見たら涎垂らして、突っ込んで貰わなきゃ醒めねぇ身体に、すぐにしてやるよ。
 レイドは、そんなになった奴を、さらに虐めるのが大好きなんだ。
 

 けど、レイドは飽きやすい。
 だから、飽きた頃には、どっかの金持ち変態親父に売りつけて。


 俺たちの遊ぶ金は、尽きることなく入ってくるってすんぽうさ。

【了】