原寸大
須崎がにこやかに並べたディルドに、テルの顔は蒼白です。
もっとも、隣で見ていた三坂でも、それは無いだろうとは思うのですが、口には出しません。
そのお膝に尻丸出しで座っているシイコは、アンアン喘ぎながらも、楽しそうにディルドとテルを見比べています。
「どうだ、名付けてDoll Dildo Collection」
最近なにやらごそごそしているかと思えば、自作のディルドを作っていたようです。
「で、使い心地を教えてもらおうと思ってな」
そんな事を言い放つ須崎の視線の先にはテルしかいません。
「む、無理……、こんな……太いの」
太いうえに、四角くて、ごつくて。何より、手のように伸びている二枚のひらひらはいったい……。
Dollのドールは人形だよな。
だからといって、これはないだろう……。
「この手は柔らかいからな、入るときはすんなり入るが、出るときにはひっかかる。しかも前立腺も抉り擦ってくれるという代物だ」
そのすばらしい発想は、奴隷からしてみれば、ぜひ辞めて欲しい。
「第三号は、三坂が普通のにしろっていうから、普通にしてみた」
ぐいんぐいんと大きく頭を振るディルドの、そのつんつんした頭。
それのどこが普通なのか。
「ちょおっと大きかったかも知れないけどさ、テルなら入るだろうし」
それは、無理です。
「まあ、時間をかけて慣らせば……入るか?」
そこで止めてください、三坂さん。
「お、もしろそう」
シイコの言葉は聞かなかったことにして。
大人の手首ほどの太さのそれらに、くらりとめまいがしてくるテルだった。