【俺たちの仕事】

【俺たちの仕事】


3. そろそろ仕事を再開しようか

「さてと片付けるか」

 たっぷり魔力を吸った魔物は自分で飼育箱に戻る。どうやってしつけたんか知らねえけど、こっちとしてはすごくありがたい。
 用意していた桶の水を奴隷にぶっかけて、まずはあの粘液を洗い流す。幸いに水に流れやすいのは助かった。それから餌の枷を外して足を引っ張って、とりあえず俺が隠れていた場所まで移動する。
 その間も奴隷はぴくともしなかった。いや、細かな痙攣を繰り返し、あへえとだらしない顔を晒して、腰をかくかくと動かしている。
 なんか呟いてっから耳を寄せてみれば「イクイク、止まんない、ああ、もっとぉ」とかなんとか。どうやらまだメスイキを繰り返しているっぽい。
 うわあ、すげえと思ったね。しかもまだ強請ってんだよ。あれがほしいってよる。
 尻を見たらぱっくり口を開けて粘液をだらだら流してた。すげえぞ、メスみてえに充血してたっぷりと濡れた媚肉が覗いているし、泡立った粘液は白くて絡みついている。
 犯された痕のまんまで、まあ騎士らしい姿なんてどこにもいねえ、淫乱クズ穴奴隷のできあがりというわけだ。
 場末の性奴隷専門闇市に出しても端金にしかならねえんじゃねえのか、これって状態。いや、元騎士様を嬲って楽しむ性嗜好のやつにはそこそこの価値で売れるかも知れねえな。
 まあ要らなくなったらそうなるんだろうけど。でもまあこれ見て元騎士だって思うやつはいねえか。
 そんなクズ奴隷を見下ろして、俺はおもむろに自分の下衣をずり降ろした。途端に跳ね上がる俺のサオ。タマもビンビンに張り詰めているし、先端から涎を垂らした臨戦態勢。
 あの粘液を口にしなくても、はっきり言って見ているだけでこれだけ滾るわけよ。
 なんせ見た目だけはいいお貴族様が得たいの知れんモノに犯され、喘がされて、最後には絶頂してこのアヘ顔だ。
 しかも俺はまだ若い。見た目が老けてみえるが、これでもピチピチの二十代前半。毎晩だって自慰しまくれるのに、こんなエロいショーを見せられて堪えるられるはずもねえ。
 何よりこれは俺のものだ。金を出したのは商会だが、奴隷紋に刻まれた主人は俺。つまりは俺が自由にしていい奴隷なのだ、これは。
 餌やりを邪魔できねえが、終わってしまえばこっちのもの。

「さて、今度は俺の番だぜ、あの触手ほど太くはねえが、テクにだけは自信があるんだ、楽しんでくれよなあ、奴隷騎士さん」

 惚けた顔をのぞき込み、囁きかける。もっとも反応はねえんだけど。

「おい、この俺様を無視するって、いい度胸じゃねえか」

 嗤いは深く、引きずり起こす力は強くなる。
 小さな呻き声に痛みが走ったように顔が歪む。聞こえていねえだろうが、それで許してやるほど俺は寛容ではない。

『これより、我が名を持って罰を与える』

 低く唱えた呪文。
 俺の支配を効かせる奴隷紋の力を強くする呪文。

『拘束』
「ひぐっ」

 俺の言葉一つで、餌の身体が痙攣した。
 手が頭の上に上がり、肘が合うようにで一つになる。足は膝で曲がったまま、股間は大きく限界まで広がり、仰向けで転がった姿勢。

『目を覚ませ』
「ひゅっ」

 言葉一つで奴隷は目を覚ます。

「よお、お仕事は楽しめたか」
「あ、ああ、あっ……」
「楽しいお仕事だったんだろうなあ、気持ち良く寝こけて、出したいだけ出しまくって。なあ、この俺様がここを掃除するんだぜ、どうしてくれんだよ、こんなにてめえの汚え汁で汚しまくってから」

 魔物の粘液に混じる白い汚濁。短い間にこいつは一体何度絶頂を迎え、何度射精したことか。
 まるで精液生産機のように噴き出した白濁は、まああちらこちらに飛んでいる。
 あの魔物が欲するのは魔力だけだ。まあその魔力を十分吸ったら今度は卵の植え付けっていう生殖行動に至るらしいが、それはまだまだ先のこと。こいつが苗床になるのはまだ数年はかかるだろう。
 その間、俺がこいつの世話係というのは確定している。だからこそ、俺はこいつの主従権を上司から譲渡されていた。まあ要は、きちんと生き物の世話ができるんなら、奴隷としてのこいつはどうしてもいい、死なせなければ。
 それだけ。

「おい、てめえの仕事はあれの餌だけじゃねえって、何遍言い聞かせたらわかるのかねえ」
「あ、あ……も、申し訳……ありません……」

 少ない魔力でも奴隷紋を介せば、相手には強力な命令となる。
 怯えの走る声音が俺の嗜虐心を癒やすことはねえ。いや、余計に煽ると、いつになったらこいつは気付くのか。

「あっ、ひっ」
『勃起しろ』

 その一言で、奴隷の身体は勃起した。やつの下腹部の奴隷紋が明滅している。それは要は主従契約印だ。
 模様が複雑なほどその命令の力は強く、奴隷の身体すら操ることができる。我が上司は、騎士としてのこいつの力量を勘案して、俺にこの奴隷紋を刻ませた。
 そう、俺は魔力があるから奴隷紋を刻むことができた。自分で作ることはできないが、見本があれば問題ない。
 赤黒く浮かび上がる大きな印、その線は元を正せば点だ。焼きごてを押し当てて一つ一つつないで線とし、俺の魔力の全力を込めたこれの拘束力はかなり強い。複雑で面倒なほど、込められた魔力が多いほど、奴隷の支配力は強くなる。
 考えたのは上司であるが、これは俺が刻んだ奴隷紋の中でも傑作だ。
 いっそそのまま自然に治るまで放置したかったのだが、船の出航が待っているが故に魔法薬で治癒させてしまったのが残念だが。
 俺はそんな奴隷紋を足で踏んだ。途端に奴隷の喉から悲鳴が迸しる。苦痛にも似た悲痛な声。さらに全員が痙攣して、勃起した先端からザーメンが迸った。
 奴隷紋はひどく敏感なのだ。神経を剥き出しにしたかのように身体が反応する。
 それが痛みであるか、それとも熱か、快感か。
 それは俺が放った直前の命令によるときもあるが、大抵はごちゃまぜだ。

「イていいといってねえぞ。おい、何かってしやがってんだ」
「あ、ひっ」
『おい、萎えてんじゃねえ、勃起させろ』
「は、いっ」

 涙を滂沱のごとく流し、連れてきた時の威勢の良さはなりをひそめ、餌は従順に俺に従う。従うしかないのだ、身体が勝手に従うのだから。
 貴族だった男が平民の下の下にいる俺の言葉の通りに浅ましく勃起させる。
 そして俺のさらなる言葉に従うのだ。

『てめえは淫乱だからなあ。俺のコレが欲しいだろう』
「え、あっちがっ、ぐあっ、ああっ。ほ、ほしいです」

 言葉すらも思うがまま。

『だったら銜えていいぜ、口でも尻穴でも、いや、てめえは両方好きか』

 絶望の色に染まる海色の瞳。

『なんも出なくなるまで、俺を使えよ。好きなだけな』

 その言葉に奴隷は逆らえない。俺にのしかかり、またがり、そして自分で埋め込み、動いて、ひたすらに快感を拾い始める。
 俺の上で、まだある筋肉がしなり、脈動し、汗まみれになりながら、上下運動を繰り返す。
 ぐっぽぐっぽと激しい音を立てながら、魔物に犯されてゆるゆるの穴が俺のサオを刺激する。

『声を出せ、船内中に広がるようなでっけえ声でよがって男を誘え。もっと欲しいと言え』
「は、はいっ、イイ、イイですっ、チンポがほしいっ、もっと、もっとくださぃっ!!」

 張りのある声は騎士団で鍛えられたものか。耳にうるさいほどの声でがなり立てる。上限運動もさらに激しく、これは騎士様だからこその楽しみだなとほくそ笑む。
 ひ弱な文官なら、こんなに長くは続けられない。
 淫らな踊りを披露する奴隷を眺めて悦に入っていると、ふと扉の外で人の気配がすることに気が付いた。
 ああ来たか、あの声に誘われて。
 密航すら請け負うこの船は、小さいながらも屈強な船員が多く、その分なかなかに品行が悪い。

『そんなに欲しいなら今日の夕飯時に食堂で公開ファックショーだな』
「か、かしこまりましたあっ、私は公開ファックショーをしますっ」
『相手は当日のくじ引き上位五人ってとこか』
「はいっ、五人の方に犯されますっ!」

 扉の外から雄叫びが聞こえる。
 それは奴隷にも聞こえたのか、ファックショーが嬉しいと叫びながらも、その顔が激しく歪む。
 絶望の色はますます濃く、流れる涙は抽挿の揺れに合わせて床へと散る。

『そんなにうれしいか、だったら夜中にもてめえの餌部屋にも毎日誰か送ってやるよ』

 いい顔をする奴隷に俺は嗤いかけ、掌を餌の奴隷印に当てた。

『死ぬなよ、てめえは俺が満足するまで、俺を楽しませるんだ』
「ひぐっ、ああっ、かしこまりましたっ、私は死にません、満足させていただきますうっっっ!」

 ひくつき痙攣し、絶頂を味わいながら身体は動く。俺の命令のままに動く奴隷は惨めでおぞましい人形のよう。
 生きている意味などない、壊れた玩具。
 足蹴にされるだけの存在を、俺は長く使ってやろう。その姿をあの時のてめえのように嗤っていてやろう。

★★★

 貴族には、平民は家畜と同様に扱うものもいる。
 中にはその生殺与奪すら全て貴族にあると思う者もいる。
 その昔、てめえが俺を足蹴にした貴族もそういう輩だった。
 それどころか、自分での快楽のために平民を傷つけることを悦ぶ野郎だった。
 あの日、俺がたまたまぶつかってしまったのは本当に偶然だった。俺は急いでいたし、向こうは前を見ていなかった。ぶつかり転んだ俺を、てめえは汚いと罵り、蹴り飛ばした。何度も何度も蹴飛ばして、俺の持っていた荷物を踏みつけた。
 そのせいで大切な薬は水たまりに融けて使えなくなった。
 やっと手に入った薬だったのに。
 あれで助かるはずだったのに。
 俺が傷付いたことよりも、あの薬が使えなくなったことに俺は呆然とし、動けなくなった。そんな俺に剣を突き刺し、嗤いながら「ゴミが」と罵ったてめえのことを俺は忘れなかった。
 俺が生き延びたのは本当に奇跡だと言われている。
 目覚めた時には薬を渡そうとした相手は死んでいても、周りの人たちは助かった命を大切にしろと言う。
 俺のせいで助かる命が死んだのに、なのに俺は生きてしまった。
 それが嫌で、苦しくて、逃げるように去ったあの街。
 まあでもこうして俺の手の中で、俺が今やご主人さま。情けねえ堕ちた姿はたっぷりと堪能できている。
 だがまだこれでこいつは壊れていないんだよな、放っとけば正気に戻るし。
 奴隷紋の中には奴隷の精神を守るやつがあるし、高価な珍しい奴隷にはそういう紋が刻まれるのも道理。
 壊れないからこそ長く楽しめるし、壊れないからこそ物足りない。
 復讐なんて、何をしたからすっきりするっつうもんでもねえしな。ただ殺して終わりにはしたくない、それだけは確か。だったら徹底的に追い詰めてやるか。

「そうそう、あの魔物、卵を埋めこむのはまだ先だがザーメンもどきを出させることはできるんだぜ。しかも腹が苦しくなるほど出るんだと。俺と船員と魔物とでさ、『絶頂地獄の果てに上からも下からもザーメンまみれ』にしてやんよ」

 俺は結構こいつがアヘ顔さらして、蕩けきってぐたぐたになってんの見るの、好きなんだわ。格下の俺や船員にボロボロにされてご褒美もらって悦んでいる姿。
 ザーメン浴びて、あへあへ笑って、チンポ掴んで、ザーメン巻き散らかして達っているところ。
 泥をかぶった姿より情けねえもん。
 血まみれになるよりザーメンまみれって、それのほうがこいつにとって屈辱だろ。
 そろそろ俺の上で腰を振る奴隷に任せるのは面倒になって、押し倒してのし掛かる。ガツガツと貪るように穴を抉ってやれば、ヒイヒイ涎を垂らして悦んでいる奴隷。
 相変わらずご立派なチンポをぶっ勃てて、ザーメン吹き散らかしてやがるんだけど。
 それ掃除するの、俺なんだけど。
 ついでにさっきの括り付けていた台の周りにも、魔物に犯され振りまいた奴隷のザーメン。ああそうだ、あれも掃除しねえと臭くなるんだった。

「掃除、いっつも面倒くせんだよなあ。ん、ああ、そっか出させなきゃいいんだ。『俺以外んときは射精禁止』にすればいいだけか。うんうん、そうだな。でも出さんと身体に悪いかもしれんしい……。じゃまあ俺が種付けしたときだけ、てめえも出させてやるさ。『てめえの腹の中で濃縮しきって凝り固まったやつだけ射精しろよて』、そしたら掃除もしやすいか」

 その意味を、奴隷は朦朧としながらでも正確に理解したのか。
 零れたのは絶望の悲鳴。
 俺の下で腰を振り続ける奴隷にたっぷりと濃厚ザーメンで種付けしてやれば、奴隷も今後出すことはねえだろう薄いザーメンを噴き出した。

【了】



AI作成イメージイラスト