異形と奴隷の楽しい遊戯 (In Poolの3D絵) 

異形と奴隷の楽しい遊戯 (In Poolの3D絵) 

『ドレーがニゲタ、ドレーがニゲタ、チンポぶらぶら、ひょっこひょっこニゲテルヨー、キャハハハッ、ミテー、ミテー、キノー、ムチでタタカレタシリがマッカッカー、マッカなオシリ、ふりふりふりー、みんなオイデー、ニゲタドレーをオイカケロー』

In Pool



 監禁された部屋から逃げたくて、なんとか隙を見て出てこれたというのに。
 空飛ぶやつの配下の目からは逃れられない。
『ドレーがニゲタ、ドレーがニゲタ、チンポぶらぶら、ひょっこひょっこニゲテルヨー、キャハハハッ、ミテー、ミテー、キノー、ムチでタタカレタシリがマッカッカー、マッカなオシリ、ふりふりふりー、みんなオイデー、ニゲタドレーをオイカケロー』
 皮膜で空を滑空するように飛ぶやつの配下が、甲高く嗤う。
 その声はきっとやつに聞こえているはずだ。
 昼間は若手大富豪、夜は闇の生き物の王として君臨する異形のもの。
 俺は偶然やつの正体を知ってしまい、捕らわれ、飼われている奴隷、いや、遊び道具。
 そう、俺は単なる遊び道具、全てがやつに握られて、やつの暇つぶしに使われるモノ。俺の五感全てで感じるもの、感情、意思すらもやつにとっては遊びのスパイスにしかならない。
 そんなやつの手のひらにいるのだとわかってはいた。
 それでも鍵の開いたドアから逃げた俺は、やはりやつの思惑どおりだったと気が付いてももう一歩踏み出した時点で逃げるしかないのだ。
 まるで見ていたかのように、いや実際見ていたのだろう、俺の行く手を笑みを浮かべて阻んだやつ。そして、俺が逃げるのを、楽しそうに見送ったやつ。
 広大な屋敷の中、やつの言葉によれば、かくれんぼに鬼ごっこ、やつのテリトリーで俺はずっと追われ続ける。
 もうどのぐらい逃げてるだろうか。
 足が痛い、心臓が悲鳴を上げている。
 だけど諦めて捕まることはできなかった。
 たとえやつが企んだことだとしても、それでもあの部屋から勝手に出たときのやつの仕置きは免れない。
 捕まった最初の頃、受けた仕置きは今でも思い出したくないほどの恐怖で俺を縛っている。
 やつの配下の異形に何日も犯され、手も口も乳首も尿道も全てがやつらの遊び道具となり、意識ももうろうとなるまでにもてあそばれた。
 その後は天井からつるされて、やつ自らがフィストファックで俺を犯したのだ。俺の腹が破けそうな程に膨らみ、もてあそばれた苦しみの中、けれど俺はそれ以上の快楽を教えられた。アブノーマルな喜びをこの身に教え込まれ、痛みですら射精できるようにされたのだ。
 最後は、やつが手ずから埋め込んだ卵がかえるまで、射精禁止の中で快楽のみを与えられて過ごし、雛が羽化するときには今度は強制連続射精を与えられたのだった。
 その雛が今俺を追いかけている。
 俺の見張りとして、皮膜で自在に飛び回り、どんなささいなことも俺の行動をやつに知らせる。
『プール、イッタヨ、オヨギタインダッテ、キャハハハッ』
 叫びながら俺の周りを一周した時、鋭い痛みが右の乳首に走る。
 そいつのかぎ爪で引っかけられた乳首が濡れていた。赤い血に混じる緑の液体。
 傷口にそれが滲むと同時に、強いかゆみと熱い疼きが乳首に走る。
「んっ、くうっ……」
 見張りの持つ爪は媚薬を出し、何かあればそれで俺の身体を傷つけようとする。
 今もまた、背中に走った鋭い痛み。
「やっ、やめっ」
『ヨロコベ、シュが、ココマデニゲタゴホービダとイッテイルッ』
 その言葉が耳に届くより先に、ぞわりと背中に走った強い悪寒。
 反射的に振り向いた先にいたのは、夜の王に変化したやつ。
「あ、うわっ、あぁぁっ、ああっ」
 離れようとのけぞった途端、身体が斜めに傾いで、宙へと放り出される。
 思わず伸ばした手の先で、やつが片頬を緩ませて嗤っていた。


 全身を包む冷たい水。
 貧しかったから水泳などまともに習ったことのない俺は泳げない。
 プールサイドにたどり着くより先にやつの手に捕らえられて、押さえ込まれて。
「どうした、プールで遊びたかったんだろう?」
「やっあっ、あっ」
 ズブズブと入り込んでくるやつの巨大なモノ。
 異形故か人よりでかいやつのモノで貫かれると、俺は串刺しにされたように自由に動けなくなる。
 身体の中に張り詰めた異物がみっちりと埋め尽くし、俺の敏感な内臓を抉り、教え込まれた快楽が一瞬で呼び覚まされた。
「ひっぃ、水っ、中に水までっ、ああ、だめっ、奥に来るっ」
 冷たい水と冷たい肉、生きている人ではあり得ない熱が俺を支配する。
 しかも水の浮力すらやつの支配下、俺たちを中心に波が激しく上下した。
「や、ああっ、揺れて、びくっ、いぎぃぃっ、がっ!」
 ずんと突き上げられ、身体が激しくのけぞった。
 かろうじてプールサイドに手を伸ばし上半身を支えても、やつの太いモノに串刺しされた下半身は逃げることもままならない。
 何より飼われて慣らされたやつのモノに俺の身体の奥からやばい熱がこみ上げてくる。
「んっ、あっ、ひっ、熱いっ、だめっ、ひっ、ああっ」
 波に揺れるたびに前後する身体。やつの手は緩く俺を支えるだけで、それよりもまるで水で遊ぶように辺りを水面をかき乱す。
「ほら、ほら、波遊びは楽しいだろう?」
 不意にやつが飛び上がり、腰を押しつけてきた。
 ずるっと抜けて、ぐぐぐっと入って、ごりっと抉られる。
「ひっ、あぁっ! ぎいぃっ!」
 入り暴れるやつのモノ、慣れた体は少しでも楽なほうへと流されて、瞬く間に快楽の中で俺の意識は蕩けていく。
「あひっ、お、おくぅ、ふかぁぁっ、ああっ、んぐう、い、イイっ、あひぃぃ」
「狂え、狂え、楽しませてくれたひととき、その褒美に狂わせてやろう」
 やつの声が甘く響く。
 脳が砂糖菓子のように蕩けていく。



『シュよ、ボク、オナカスイター」
「ああ、存分に飲めばよい」
『ハーイ、おっぱいー』
「んぐぁぁぁっ!!」
 快楽の狭間、不意に入った胸元の鋭い痛みに意識がわずかに浮上する。
『ングング、オイシーナー』
 何かが胸の上で騒いでいた。
「主様、宴の用意ができましてございます」
「ふむ、では今日の褒美としてこれをさしだそう」
「ありがたき幸せ」
 何かが俺の髪を引っ張る痛み。
「いた……」
 かろうじて出した声は掠れていて、ずるずると床を滑る身体を支えたくても手足は動かなくて。
「あ、ああ――っ」
 新たな快楽にまた狂い堕ちていく。
「明日の夜は満月、たとえ快楽に狂い死んだとしても世の力で再生してやろう、愛おしい子よ」
 だから、やつのそんな言葉が鼓膜を震わせたのがわかっていても、理解はできるはずもなかった。

【了】